AOITYOHold Research Memo(3):実行利益率の改善や出資・提携戦略の推進については一定の成果
[18/10/16]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■決算概要
AOI TYO Holdings<3975>の2018年12月期上期の業績は、売上高が前年同期比8.5%減の30,864百万円、営業利益が同26.0%減の1,746百万円、経常利益が同27.1%減の1,680百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同1.6%減の1,170百万円と減収減益となった。プリントレス化の進展や働き方改革への対応等を勘案し、期初予想の段階で減収減益を見込んでいたが、それをさらに下回る進捗となっている。
売上高は、主力の「広告映像制作事業」が大きく縮小した。プリントレス化による影響は想定よりも小さかったものの、採算性重視の収益管理の徹底や働き方改革への対応に伴う受注コントロール、一部案件の売上計上のずれ込み等による影響が大きかった。一方、成長領域と位置付ける「ソリューション事業」については堅調に推移。また、「海外事業」は、マレーシアの大手広告制作会社を連結子会社化したことなどにより大きく伸びている。なお、売上高が計画を下回ったのは、一部案件の売上計上のずれ込みのほか、売上高の規模よりも実行利益率の改善を優先させたことや働き方改革への対応による影響が想定よりも大きくなったこと、「ソリューション事業」についても、意欲的な通期計画に対してはやや進捗に遅れが生じたことが理由と考えられる。
顧客別の売上高では、前述のとおり、働き方改革の影響等により広告代理店向けが減少する一方、「ソリューション事業」の伸びにより広告主との直接取引は拡大している。
一方、利益面では、減収による収益の下押しにより減益となったものの、前述のとおり、採算性重視の収益管理の徹底(案件の選別や原価管理の徹底等)に伴う実行利益率の改善により、減益幅を限定的な範囲に抑えることができたと言える。
財政状態は、積極的な投資活動※により固定資産(「投資その他の資産」等)が増加した一方、それ以上に流動資産(「現金及び預金」及び「受取手形及び売掛金」)が減少したことから、総資産は前期末比6.8%減の55,672百万円に縮小した。また、自己資本は、自己株式取得によるマイナス分を内部留保の積み増し等によりカバーし、前期末比0.5%増の24,788百万円と僅かに増加。それに伴って、自己資本比率は44.5%(前期末は41.3%)に改善した。また、「現金及び預金」が減少したものの、流動比率は187.7%と高い水準を維持しており、財務の安全性に懸念はない。
※TYOと(株)フィールドマネジメントが共同で設立したベンチャーファンドを通じた(株)パネイルへの出資(5億円)のほか、マレーシアの大手広告制作会社DTTグループの連結子会社化、アジア最大級のインフルエンサー・マーケティング会社であるタグピク(株)の株式取得(持分法適用関連会社化)によるもの
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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AOI TYO Holdings<3975>の2018年12月期上期の業績は、売上高が前年同期比8.5%減の30,864百万円、営業利益が同26.0%減の1,746百万円、経常利益が同27.1%減の1,680百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同1.6%減の1,170百万円と減収減益となった。プリントレス化の進展や働き方改革への対応等を勘案し、期初予想の段階で減収減益を見込んでいたが、それをさらに下回る進捗となっている。
売上高は、主力の「広告映像制作事業」が大きく縮小した。プリントレス化による影響は想定よりも小さかったものの、採算性重視の収益管理の徹底や働き方改革への対応に伴う受注コントロール、一部案件の売上計上のずれ込み等による影響が大きかった。一方、成長領域と位置付ける「ソリューション事業」については堅調に推移。また、「海外事業」は、マレーシアの大手広告制作会社を連結子会社化したことなどにより大きく伸びている。なお、売上高が計画を下回ったのは、一部案件の売上計上のずれ込みのほか、売上高の規模よりも実行利益率の改善を優先させたことや働き方改革への対応による影響が想定よりも大きくなったこと、「ソリューション事業」についても、意欲的な通期計画に対してはやや進捗に遅れが生じたことが理由と考えられる。
顧客別の売上高では、前述のとおり、働き方改革の影響等により広告代理店向けが減少する一方、「ソリューション事業」の伸びにより広告主との直接取引は拡大している。
一方、利益面では、減収による収益の下押しにより減益となったものの、前述のとおり、採算性重視の収益管理の徹底(案件の選別や原価管理の徹底等)に伴う実行利益率の改善により、減益幅を限定的な範囲に抑えることができたと言える。
財政状態は、積極的な投資活動※により固定資産(「投資その他の資産」等)が増加した一方、それ以上に流動資産(「現金及び預金」及び「受取手形及び売掛金」)が減少したことから、総資産は前期末比6.8%減の55,672百万円に縮小した。また、自己資本は、自己株式取得によるマイナス分を内部留保の積み増し等によりカバーし、前期末比0.5%増の24,788百万円と僅かに増加。それに伴って、自己資本比率は44.5%(前期末は41.3%)に改善した。また、「現金及び預金」が減少したものの、流動比率は187.7%と高い水準を維持しており、財務の安全性に懸念はない。
※TYOと(株)フィールドマネジメントが共同で設立したベンチャーファンドを通じた(株)パネイルへの出資(5億円)のほか、マレーシアの大手広告制作会社DTTグループの連結子会社化、アジア最大級のインフルエンサー・マーケティング会社であるタグピク(株)の株式取得(持分法適用関連会社化)によるもの
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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