今週のマーケット展望「最終的な底入れは1ヵ月先か」〜マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆氏(飯村真由)
[18/10/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
こんにちは、フィスコリサーチアナリスト飯村真由の「マネックス証券の気になるレポート」です。今週は、30日に決算発表前半戦のピークを迎えるほか、11月1日には10月ISM製造業景況指数、2日に10月雇用統計の発表が控えています。重要な経済指標をしっかりチェックしていきたいですね。さて、マネックス証券の「メールマガジン新潮流」が、10月22日に配信されました。その中から今回は、同証券のチーフ・ストラテジスト、広木隆氏のレポート「今週のマーケット展望」の内容をご紹介いたします。
まず広木さんは、先週述べた自身の展望について『「不安定な動きも今週で収束するだろう」と述べた先週の展望は、まったく外れた。米国株のバリュエーション調整という要因しか見ていなかったからだ』として、現状の相場について『相場はすでにファンダメンタルズ以外の要素で動くフェーズに入っている』と伝えています。
続けて、今回の急落について『米国の長期金利上昇に対する米国株式の割高感調整を第一フェーズとすれば、現在は第二フェーズにある』と分析しています。
第一フェーズと第二フェーズの違いについては『第一フェーズは金利見合いのバリュエーション調整というファンダメンタルズ的な要因がはっきりしていたが、第二フェーズの現在は「株価が急落した」という事実そのものが引き起こす 1.不安心理と 2.リスクパリティやロスカットなどのポジション調整、3.急激な下方トレンドに追随するCTAの売り、が主因である。 市場心理や需給といった要素で動いている。よって水準よりも日柄が調整完了の目処となる』と述べています。
そして、この急落は2月のときも『同じパターンだった』といいます。2月の急落は『急落直後、テクニカル的な面などからいったんは下げ止まるが、最終的に底が入ったのは3月下旬。1ヶ月半以上の日柄を要した』と伝えています。
加えて、2015年に起きたチャイナショックについても『同様に最初の急落から1番底まで1ヶ月半かかっている』としたうえで、『これらに倣えば、最終的な底入れは米国の中間選挙後、11月の下旬か。トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が11月30日からブエノスアイレスで開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて会談する予定だが、調整が長引けばそこまでかかるかもしれない』と考察しています。
また、『目先は下げ止まっておかしくない。日経平均の25日移動平均乖離率は8%超、RSIは27、東証1部の騰落レシオ(25日)は70台前半と2月の急落時にいったん下げ止まった水準にほぼ並んでいる』と分析しています。
TOPIXについては『3月の安値を下回り、昨年9月上旬の水準にまで引き戻された。この1年間の企業価値評価額の増分を吹き飛ばしたことになる』と伝えており、『日本企業がこの1年間、企業価値を毀損してきたなら話はわかるが、そんなことはなく、むしろ逆である。ROEは10%台、売上高利益率は5%台、損益分岐点比率は格段に下がった。事業の集中と選択を進めて2年連続の最高益を更新した』と述べています。
続けて、日経のソニーの業績観測報道について言及し、『18年4〜9月期決算の発表は30日の予定で、同時に19年3月期通期の業績予想を上方修正する公算が大きいとしている。従来の見通しは営業利益で前期比9%減の6700億円。過去最高だった前期(7348億円)の更新が視野に入ってくる可能性もあると報じた』と伝えています。そして、『30日は決算発表前半戦のピーク。業績上方修正の可能性があるのはソニーだけではない。堅調な企業業績も株価の下げ止まりに寄与するだろう』と示唆しています。
今回の世界同時株安については『震源地は米国だ。米国の揺れが収まらない限り、東京市場も安定しない。米国のイベントを受けた相場変動に引き続き警戒したい』と指摘しています。
今週注目される経済指標については『11月1日には10月ISM製造業景況指数、2日に10月雇用統計の発表がある。それら重要経済指標にまして注目されるのが11月1日発表のアップルの決算だ』として、『アマゾン・ドット・コムやアルファベットの決算は売上高が市場予想を下回り大きな下げとなったが、その悪い流れを断ち切ることができるか。正念場である』との見解を示しています。
今週の予想レンジは『20700〜21800円とするが、先週のストラテジーレポートで書いたとおり、理屈を超えた相場に下値目処もなにもない』と伝えています。
最後に、『それでも、このマーケット展望を参考にしてほしい』と述べており、ブルームバーグの「今日の言葉」を引用してまとめています。
『展望なくして希望はありえない。
ジョージ・ワシントン・カーヴァー (植物学者)
今週はハロウィーン・ウィーク。過去の統計ではハロウィーンの頃に買って春まで保有するのが、半年の投資成果でもっともよいとされる。それは「ハロウィーン効果」として知られるアノマリーだ。悲観一色の時というのは、往々にして絶好の投資機会でもある』
飯村真由の「気になるレポート」はマネックス証券の「メールマガジン新潮流」に掲載されたレポートを飯村真由の見解で注目し、コメントしています。レポート発行人との見解とは異なる場合があります。詳細は発行人のレポートをご確認くださいね。
フィスコリサーチアナリスト 飯村真由
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まず広木さんは、先週述べた自身の展望について『「不安定な動きも今週で収束するだろう」と述べた先週の展望は、まったく外れた。米国株のバリュエーション調整という要因しか見ていなかったからだ』として、現状の相場について『相場はすでにファンダメンタルズ以外の要素で動くフェーズに入っている』と伝えています。
続けて、今回の急落について『米国の長期金利上昇に対する米国株式の割高感調整を第一フェーズとすれば、現在は第二フェーズにある』と分析しています。
第一フェーズと第二フェーズの違いについては『第一フェーズは金利見合いのバリュエーション調整というファンダメンタルズ的な要因がはっきりしていたが、第二フェーズの現在は「株価が急落した」という事実そのものが引き起こす 1.不安心理と 2.リスクパリティやロスカットなどのポジション調整、3.急激な下方トレンドに追随するCTAの売り、が主因である。 市場心理や需給といった要素で動いている。よって水準よりも日柄が調整完了の目処となる』と述べています。
そして、この急落は2月のときも『同じパターンだった』といいます。2月の急落は『急落直後、テクニカル的な面などからいったんは下げ止まるが、最終的に底が入ったのは3月下旬。1ヶ月半以上の日柄を要した』と伝えています。
加えて、2015年に起きたチャイナショックについても『同様に最初の急落から1番底まで1ヶ月半かかっている』としたうえで、『これらに倣えば、最終的な底入れは米国の中間選挙後、11月の下旬か。トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が11月30日からブエノスアイレスで開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて会談する予定だが、調整が長引けばそこまでかかるかもしれない』と考察しています。
また、『目先は下げ止まっておかしくない。日経平均の25日移動平均乖離率は8%超、RSIは27、東証1部の騰落レシオ(25日)は70台前半と2月の急落時にいったん下げ止まった水準にほぼ並んでいる』と分析しています。
TOPIXについては『3月の安値を下回り、昨年9月上旬の水準にまで引き戻された。この1年間の企業価値評価額の増分を吹き飛ばしたことになる』と伝えており、『日本企業がこの1年間、企業価値を毀損してきたなら話はわかるが、そんなことはなく、むしろ逆である。ROEは10%台、売上高利益率は5%台、損益分岐点比率は格段に下がった。事業の集中と選択を進めて2年連続の最高益を更新した』と述べています。
続けて、日経のソニーの業績観測報道について言及し、『18年4〜9月期決算の発表は30日の予定で、同時に19年3月期通期の業績予想を上方修正する公算が大きいとしている。従来の見通しは営業利益で前期比9%減の6700億円。過去最高だった前期(7348億円)の更新が視野に入ってくる可能性もあると報じた』と伝えています。そして、『30日は決算発表前半戦のピーク。業績上方修正の可能性があるのはソニーだけではない。堅調な企業業績も株価の下げ止まりに寄与するだろう』と示唆しています。
今回の世界同時株安については『震源地は米国だ。米国の揺れが収まらない限り、東京市場も安定しない。米国のイベントを受けた相場変動に引き続き警戒したい』と指摘しています。
今週注目される経済指標については『11月1日には10月ISM製造業景況指数、2日に10月雇用統計の発表がある。それら重要経済指標にまして注目されるのが11月1日発表のアップルの決算だ』として、『アマゾン・ドット・コムやアルファベットの決算は売上高が市場予想を下回り大きな下げとなったが、その悪い流れを断ち切ることができるか。正念場である』との見解を示しています。
今週の予想レンジは『20700〜21800円とするが、先週のストラテジーレポートで書いたとおり、理屈を超えた相場に下値目処もなにもない』と伝えています。
最後に、『それでも、このマーケット展望を参考にしてほしい』と述べており、ブルームバーグの「今日の言葉」を引用してまとめています。
『展望なくして希望はありえない。
ジョージ・ワシントン・カーヴァー (植物学者)
今週はハロウィーン・ウィーク。過去の統計ではハロウィーンの頃に買って春まで保有するのが、半年の投資成果でもっともよいとされる。それは「ハロウィーン効果」として知られるアノマリーだ。悲観一色の時というのは、往々にして絶好の投資機会でもある』
飯村真由の「気になるレポート」はマネックス証券の「メールマガジン新潮流」に掲載されたレポートを飯村真由の見解で注目し、コメントしています。レポート発行人との見解とは異なる場合があります。詳細は発行人のレポートをご確認くださいね。
フィスコリサーチアナリスト 飯村真由
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