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パイプドHD Research Memo(9):中期経営計画目標は売上高7,300百万円、営業利益1,700百万円(2)

注目トピックス 日本株
■中長期の成長戦略

3. 資金調達
またパイプドHD<3919>は、今後の成長に向けて下記のような自己株式取得および資金調達計画を実施した。

(1) 子会社から自己株式の取得
連結子会社であるパイプドビッツが保有する同社株式50万株を767百万円で取得した。ただし連結子会社が保有する自己株式の取得なので、所有権が移転しただけであり、連結決算上は何の変化もない。元々この株式は、持株会社化前のパイプドビッツが少数株主からの買取請求により取得したものだ。

(2) 第5回及び第6回の新株予約権の発行
さらに同社は、マッコーリー・バンク・リミテッドを割当先とする第三者割当による新株予約権(第5回250千株、第6回250千株)の発行を決議した。(注:詳細については同社ホームページ参照)

今回の発行の内容を要約すると、第5回の行使価格は1,800円(行使価格の修正は行われない)、第6回の行使価格は下限が1,800円だが、同社の決議により1,800円以上に修正が可能。この結果、割当てられる株数の上限は500千株に限られる一方で、同社は最低でも900百万円の調達が可能となる。さらに行使が行われた場合には、上記の子会社から取得した自己株式(500千株)を充当予定であることから総発行済株式数は増加せず、既存株主に対する希釈化は起こらない。

また今回の新株予約権の割当先であるマッコーリー・バンク・リミテッドは、新株予約権に対して対価(5,872千円)を支払っており、これを回収するためにも少なくとも株価が1,800円以上になってからでないと権利行使を行わないと推測される。さらに、権利行使後は取得した株式を少しずつ市場で売却するものと予想され、その結果、最終的にはこれらの株式は市場に放出され、株式市場での流動性増に寄与すると思われる。

以上から、今回の資金調達のスキームは、関係するステークホルダー(同社、既存投資家、割当先)すべてにとって好ましいスキームだが、その必要条件は株価が1,800円を上回ることだ。そのためにも、上記の中期経営計画の達成が必須となるだろう。


■株主還元策

2019年2月期は減益ながら予想配当性向30%を維持
同社は株主還元策として、配当性向30%を公言しており、2018年2月期には年間21.0円の配当を実施し、配当性向は34.9%となった。2019年2月期は上記のように減益を予想しているものの、配当性向30%を維持するため年間12.0円の配当を行う予定だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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