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NSW Research Memo(3):コア事業の技術シナジーを生かしたIoTでイノベーティブな未来を創出

注目トピックス 日本株
■事業概要

1. 事業内容
日本システムウエア<9739>の属する情報サービス産業(情報・通信業の小分類)は、(社)情報サービス産業協会の2014年調査では、企業数29,000社、売上高21.3兆円、従業者数100万人を超える、群雄割拠の業界である。その中で、同社グループは、同社及び子会社4社で構成されているが、ITソリューション事業、プロダクトソリューション事業を展開し、ソフトウェアとハードウェア、両方の技術ノウハウを兼ね備えている点が大きな強みである。

2019年3月期第2四半期のセグメント別売上高・営業利益を見ると、ITソリューション事業が売上高の58.2%、営業利益の34.9%を、プロダクトソリューション事業が売上高の41.8%、営業利益の65.0%を占める。プロダクトソリューション事業の利益率が相対的に高いのは、技術的な参入障壁が高く、独立系の同社規模で同事業を手掛ける企業が少ないためと考えられる。一方、ITソリューション事業の利益率が相対的に低いのは、景気の影響を最小限に抑えるため、特定の業種・業務への依存度を低くし、多業種・業務にわたり事業を手掛けていることが影響しているようだ。

2. ITソリューション事業及びサービスソリューション事業
当セグメントでは、コンサルティングからシステム設計、開発、保守・運用に至るまで一貫したシステムインテグレーションサービスを通して、顧客の経営課題を解決するトータルソリューションを提供している。具体的には、ソリューション事業では、製造業や流通業を始めとした各業種向けソリューションやネットワークの構築・保守などを展開している。また、システム運用事業では、顧客の情報システムの運用設計から構築、管理まで総合的なマネジメントサービスを提供する。さらに、データセンター事業では、自社データセンターによるハウジングサービス(同社が顧客からサーバー、すなわちサービスを提供するコンピュータを預かるサービス)やホスティングサービス(同社が用意したサーバーを顧客に貸し出すサービス)のほか、クラウドサービス(データやソフトウェアを、ネットワーク経由で利用者に提供するサービス)を提供している。

なお、同社は2018年4月に組織改正を行い、サービスソリューション事業本部を発足。システム運用事業とデータセンター事業を主としてクラウドファーストの成長方針を打ち出しているが、各事業の連携が密接であることから、開示はITソリューション事業に一本化している。

3. プロダクトソリューション事業
当セグメントでは、組込みソフトウェア開発事業として、オートモーティブ(自動車)向け、産業機器向け機器などに搭載されるアプリケーション(使用者の業務に応じて作成したソフトウェア)やミドルウェア(コンピュータの基本的な制御を行うオペレーティングシステムと、各業務処理を行うアプリケーションソフトウェアとの中間に入るソフトウェア)、ドライバ(プリンタ、USB機器などのパソコンに接続する周辺機器を作動させるのに必要なソフトウェア)開発を行っている。また、デバイス開発事業として、画像処理や通信関連などのLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路。多数のトランジスタやダイオード、抵抗、コンデンサなどの電子部品を1つの半導体チップに組み込んだ集積回路)設計やボード設計(電子回路基板の設計)を行っている。LSI、ミドルウェア、アプリケーションの各開発領域を横断的に組み合わせたトータルソリューションを提供している。

4. IoT&AIソリューション事業
前述の既存事業のノウハウ融合によって、新たな収益の柱への期待が大きいのがIoT事業である。2013年からスタートした新しい分野で、まだ独立したセグメントとして収益を計上するには至っておらず、現状は、既存事業の収益に含まれている。

具体的には、IoTサービスに必要なセンサーやゲートウェイを始めとするデバイス開発からクラウドサービス(インターネット上の複数サーバーを利用して、ソフトウェア、データベースなどの膨大な資料を活用するサービス)までトータル・コーディネートできる同社グループの強みを活かし、データを収集・蓄積し見える化を実現するための基盤ソフトであるIoTクラウドプラットフォーム「Toami(トアミ)」をベースに、データの蓄積から分析活用まで、顧客の新たなビジネス価値の創出をサポートする。また、エッジデバイスソリューションでは、自社で組込みアプリからLSIまで対応できる豊富な設計・開発力と、各種センサー・デバイスベンダーとのアライアンスにより、コストを抑えたスモールスタートで顧客に最適なIoT環境を提案している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)



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