IRJーHD Research Memo(11):2019年3月期通期も増収増益を見込む業績予想
[18/11/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
アイ・アールジャパンホールディングス<6035>の2019年3月期通期の業績予想は、売上高で前期比11.3%増の4,600百万円、営業利益で同12.4%増の1,300百万円、経常利益で同12.3%増の1,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同8.1%増の888百万円と増収増益を見込んでいる。
2017年に日本版スチュワードシップ・コードが改訂され、「集団的エンゲージメント」が盛り込まれた。つまり、「必要に応じ、他の機関投資家と協働して対話を行うことが有益な場合もあり得る」とされ、機関投資家は、適切な場合には、他の投資家と協調して行動することとなった。今後反対票や株主提案が増加してくるものと思われる。そのため、同社グループのSRコンサルティング業務への取り組みが期待される。また、最近のアクティビストの状況として、Whitepaper※の活用、情報媒体(SNSやキャンペーンサイト等)の活用、対象企業の前責任者の起用などが挙げられる。また、1)アクティビストファンドの運用パフォーマンスが相対的に高く、資金が潤沢にある、2)日本版スチュワードシップ・コードが改訂され、集団的エンゲージメントが可能になった、3)議決権行使結果の開示が要請され、アクティビスト活動の環境が整っている、といった背景から、村上ファンド系だけでなく、欧米・アジアのアクティビストも日本に参入してきている。よって今後アクティビストの活動がますます活発化する可能性があり、独立系のFA、PAとしての役割を果たすことができる当社グループのアクティビスト対応に関する業務は需要が高まると考えられる。
※Whitepaperとは、アクティビストがキャンペーンを開始するに当たり、対象企業及び他の機関投資家向けに作成するプレゼンテーション資料。
投資銀行業務は大型案件があればすぐに業績寄与してくることが見込まれ、M&AのFA業務も展開も期待できる。最近は、金融機関や大手法律事務所からの案件紹介が増えてきた。また、時価総額が小さい、未上場企業、MBOなどに関わる投資銀行業務が増加傾向にある。
攻めの経営が効力を奏してきた同社グループは、独自の発想で顧客の問題解決を行っている。現況の成長力及び投資銀行業務の案件数が着実に増加している点から考えると、同社グループの業績予想はやや保守的となっていると思われる。また、同社グループは、株主総会の時期を中心とした6月前後にIR・SRコンサルティング業務の収益が集中する傾向にあったが、投資銀行業務、証券代行業務など季節に関係ない収益機会が増え、季節的変動は減少傾向になっている。現状、脅威となる競合もほとんど見られない。同社グループの取り組みには日本初のものが非常に多いが、自らの力で新しい分野を切り開いてきた経験が強みとなっており、マーケットインテリジェンスと同社グループが呼ぶこの分野における知的資産、ノウハウやネットワークの蓄積が独自の強みになっていると言える。
また、上場企業向けセミナーも定期的に開催しており、直近では「TOBディフェンスからプロクシーディフェンスへ」というタイトルのセミナーを開催し好評を得た。セミナーが顧客のニーズを捉えており、セミナーからの顧客開拓も図っている。
2019年3月期は、主力業務のIR・SRコンサルティングを中心に増収・増益の見込みで、プラスアルファとして取締役会評価、役員報酬制度、社外取締役紹介サービスなどのコーポレートガバナンス・コードに対応したコンサルティングに加え、投資銀行業務が収益拡大に寄与すると予想される。
同社は2018年9月27日に東京証券取引所市場第1部へ市場変更をした。同社のCorporate Identityを「Power of Equity(株式議決権の力)」と定め、付加価値の高い唯一無二のサービス提供を指向している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 福田 徹)
<SF>
アイ・アールジャパンホールディングス<6035>の2019年3月期通期の業績予想は、売上高で前期比11.3%増の4,600百万円、営業利益で同12.4%増の1,300百万円、経常利益で同12.3%増の1,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同8.1%増の888百万円と増収増益を見込んでいる。
2017年に日本版スチュワードシップ・コードが改訂され、「集団的エンゲージメント」が盛り込まれた。つまり、「必要に応じ、他の機関投資家と協働して対話を行うことが有益な場合もあり得る」とされ、機関投資家は、適切な場合には、他の投資家と協調して行動することとなった。今後反対票や株主提案が増加してくるものと思われる。そのため、同社グループのSRコンサルティング業務への取り組みが期待される。また、最近のアクティビストの状況として、Whitepaper※の活用、情報媒体(SNSやキャンペーンサイト等)の活用、対象企業の前責任者の起用などが挙げられる。また、1)アクティビストファンドの運用パフォーマンスが相対的に高く、資金が潤沢にある、2)日本版スチュワードシップ・コードが改訂され、集団的エンゲージメントが可能になった、3)議決権行使結果の開示が要請され、アクティビスト活動の環境が整っている、といった背景から、村上ファンド系だけでなく、欧米・アジアのアクティビストも日本に参入してきている。よって今後アクティビストの活動がますます活発化する可能性があり、独立系のFA、PAとしての役割を果たすことができる当社グループのアクティビスト対応に関する業務は需要が高まると考えられる。
※Whitepaperとは、アクティビストがキャンペーンを開始するに当たり、対象企業及び他の機関投資家向けに作成するプレゼンテーション資料。
投資銀行業務は大型案件があればすぐに業績寄与してくることが見込まれ、M&AのFA業務も展開も期待できる。最近は、金融機関や大手法律事務所からの案件紹介が増えてきた。また、時価総額が小さい、未上場企業、MBOなどに関わる投資銀行業務が増加傾向にある。
攻めの経営が効力を奏してきた同社グループは、独自の発想で顧客の問題解決を行っている。現況の成長力及び投資銀行業務の案件数が着実に増加している点から考えると、同社グループの業績予想はやや保守的となっていると思われる。また、同社グループは、株主総会の時期を中心とした6月前後にIR・SRコンサルティング業務の収益が集中する傾向にあったが、投資銀行業務、証券代行業務など季節に関係ない収益機会が増え、季節的変動は減少傾向になっている。現状、脅威となる競合もほとんど見られない。同社グループの取り組みには日本初のものが非常に多いが、自らの力で新しい分野を切り開いてきた経験が強みとなっており、マーケットインテリジェンスと同社グループが呼ぶこの分野における知的資産、ノウハウやネットワークの蓄積が独自の強みになっていると言える。
また、上場企業向けセミナーも定期的に開催しており、直近では「TOBディフェンスからプロクシーディフェンスへ」というタイトルのセミナーを開催し好評を得た。セミナーが顧客のニーズを捉えており、セミナーからの顧客開拓も図っている。
2019年3月期は、主力業務のIR・SRコンサルティングを中心に増収・増益の見込みで、プラスアルファとして取締役会評価、役員報酬制度、社外取締役紹介サービスなどのコーポレートガバナンス・コードに対応したコンサルティングに加え、投資銀行業務が収益拡大に寄与すると予想される。
同社は2018年9月27日に東京証券取引所市場第1部へ市場変更をした。同社のCorporate Identityを「Power of Equity(株式議決権の力)」と定め、付加価値の高い唯一無二のサービス提供を指向している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 福田 徹)
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