ユニリタ Research Memo(5):2019年3月期上期は増収減益。先行費用の拡大等が利益を圧迫(2)
[18/12/10]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■決算動向等
2. 活動実績
ユニリタ<3800>は、中期経営計画に基づく重点施策として、(1)クラウドファースト、(2)グループエコシステムソリューションの提供、(3)新たな事業開発等に取り組んでいるが、上期においては以下のような実績を残すことができた。
(1) クラウドファースト
既存製品のクラウド化推進、ITSM事業の競争力強化、働き方改革をテーマとしたSaaS新製品の設計、アイネット協業モデルの強化などに注力。前述のとおり、「LMIS on cloud」や「Web×Security」、「DigiSeet」など、顧客ニーズが拡大している成長分野においてしっかりと業績を伸ばすことができた。また、今後の事業拡大に向けて、サービスならびに製品力強化のための積極投資にも取り組んでいる。下期については、資本業務提携先であるアイネットのクラウド基盤を活用し、既存ミドルウェア製品を中心としたサービス基盤の強化にも取り組み、事業部向け課題解決ソリューションとして拡販していく方針である。
また、2018年11月5日には、子会社のアスペックスが、人材サービス業界向け業務管理システムの開発、販売、保守、サポートサービスなどを手がける(株)ビジネスアプリケーションの全株式を取得し、完全子会社化した。ビジネスアプリケーションは、人材サービス業向け総合管理システムである「The Staff シリーズ」を開発から販売・サポートまでワンストップで提供し、高いシェアを獲得している。ビジネスアプリケーションが培ってきた技術力とノウハウを同社に融合させるとともに、コンサルテーションサービス、クラウドサービスとのサービス連携を実現させ、従来よりも幅広い顧客ニーズに対応するところに狙いがある。
(2) グループエコシステムソリューションの提供
デジタル変革ニーズを取り組むグループ内コラボの推進、パートナー各社とビジネス拡大するソリューション提案、グループの技術的競争力強化に向けた人材配置の最適化などに取り組んだ。特に、グループ内コラボでは、「システム運用コンサル×ITSM」及び「データ活用コンサル×BPM」など、子会社によるコンサルと同社製品の組み合わせ提案が奏功し、案件の大型化に貢献した。同社グループの強みを活かした成功パターンが形となってきたところは、今後に向けて大きな前進と言える。また、ユーザー業界に強みのあるパートナー企業との連携も100社を突破し、協業モデルも40を超えるラインナップがそろってきた。人材配置の最適化については、グループ全体の技術力強化を狙い、無限の技術者資源をグループ内で活用※。上期においては、まだ育成・強化の過程にあり、人材配置が一時的なコスト要因になったものの、稼働が進むにつれて損益面でも改善(外部委託費の削減等)に向かうものと考えられる。
※無限の技術者30名を「クラウド事業」や「プロダクト事業」、「ソリューション事業」に配置し、技術開発力の強化を図るとともに、将来的には各技術者がそこで吸収したパッケージ技術を無限に持ち帰り、無限でのプロダクト開発に活かすことを目指している。
(3) 新たな事業開発
新規事業においては、移動体向けIoTビジネスや農業SaaSビジネスにおいて注目すべき成果があった。移動体向けIoTビジネスでは、子会社のユニ・トランドがAIを活用した対話型サービスの技術開発企業に出資。これにより、AIを活用した対話型応答サービスなど、さまざまなサービス拡張と技術革新に対応したサービス開発の体制を構築した。北海道の帯広駅バスターミナルにAI窓口サービス※1を設置し、2018年7月より運用を開始すると、全国のバス会社からの問い合わせも増えているようだ。さらには、移動体向けIoTサービスに欠かせない位置情報やインドアマッピング技術などの開発を行う新会社にも出資。「人の移動」に焦点を当て、人の屋内動態分析やバイタルセンシング※2を使った物流や屋内施設のマーケティング、イベント事業の活性化に貢献するソリューション開発を目指している。
※1 画像認識技術を取り入れた対話型ディスプレイによるAI窓口サービス。
※2 心拍・脈拍・血圧・心電・血中酸素濃度などを各種センサーによって測定する技術。
また、農業SaaSビジネスについては、銀座農園(株)※1と共同で経済産業省の推進する「福島イノベーション・コースト構想」※2へ参画。AIによる果樹農業データプラットフォームの構築と、農業ロボットソリューションの開発により少人数でも大規模経営を実現できるソリューションの開発を目指す。
※1 農業システム及びマーケットプレイスの提供などを手掛けている(本社は東京都中央区)。
※2 本プロジェクトは、福島県浜通りにおいて、失われた産業基盤を再構築し、新たな街作りを進めるためのもの。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2. 活動実績
ユニリタ<3800>は、中期経営計画に基づく重点施策として、(1)クラウドファースト、(2)グループエコシステムソリューションの提供、(3)新たな事業開発等に取り組んでいるが、上期においては以下のような実績を残すことができた。
(1) クラウドファースト
既存製品のクラウド化推進、ITSM事業の競争力強化、働き方改革をテーマとしたSaaS新製品の設計、アイネット協業モデルの強化などに注力。前述のとおり、「LMIS on cloud」や「Web×Security」、「DigiSeet」など、顧客ニーズが拡大している成長分野においてしっかりと業績を伸ばすことができた。また、今後の事業拡大に向けて、サービスならびに製品力強化のための積極投資にも取り組んでいる。下期については、資本業務提携先であるアイネットのクラウド基盤を活用し、既存ミドルウェア製品を中心としたサービス基盤の強化にも取り組み、事業部向け課題解決ソリューションとして拡販していく方針である。
また、2018年11月5日には、子会社のアスペックスが、人材サービス業界向け業務管理システムの開発、販売、保守、サポートサービスなどを手がける(株)ビジネスアプリケーションの全株式を取得し、完全子会社化した。ビジネスアプリケーションは、人材サービス業向け総合管理システムである「The Staff シリーズ」を開発から販売・サポートまでワンストップで提供し、高いシェアを獲得している。ビジネスアプリケーションが培ってきた技術力とノウハウを同社に融合させるとともに、コンサルテーションサービス、クラウドサービスとのサービス連携を実現させ、従来よりも幅広い顧客ニーズに対応するところに狙いがある。
(2) グループエコシステムソリューションの提供
デジタル変革ニーズを取り組むグループ内コラボの推進、パートナー各社とビジネス拡大するソリューション提案、グループの技術的競争力強化に向けた人材配置の最適化などに取り組んだ。特に、グループ内コラボでは、「システム運用コンサル×ITSM」及び「データ活用コンサル×BPM」など、子会社によるコンサルと同社製品の組み合わせ提案が奏功し、案件の大型化に貢献した。同社グループの強みを活かした成功パターンが形となってきたところは、今後に向けて大きな前進と言える。また、ユーザー業界に強みのあるパートナー企業との連携も100社を突破し、協業モデルも40を超えるラインナップがそろってきた。人材配置の最適化については、グループ全体の技術力強化を狙い、無限の技術者資源をグループ内で活用※。上期においては、まだ育成・強化の過程にあり、人材配置が一時的なコスト要因になったものの、稼働が進むにつれて損益面でも改善(外部委託費の削減等)に向かうものと考えられる。
※無限の技術者30名を「クラウド事業」や「プロダクト事業」、「ソリューション事業」に配置し、技術開発力の強化を図るとともに、将来的には各技術者がそこで吸収したパッケージ技術を無限に持ち帰り、無限でのプロダクト開発に活かすことを目指している。
(3) 新たな事業開発
新規事業においては、移動体向けIoTビジネスや農業SaaSビジネスにおいて注目すべき成果があった。移動体向けIoTビジネスでは、子会社のユニ・トランドがAIを活用した対話型サービスの技術開発企業に出資。これにより、AIを活用した対話型応答サービスなど、さまざまなサービス拡張と技術革新に対応したサービス開発の体制を構築した。北海道の帯広駅バスターミナルにAI窓口サービス※1を設置し、2018年7月より運用を開始すると、全国のバス会社からの問い合わせも増えているようだ。さらには、移動体向けIoTサービスに欠かせない位置情報やインドアマッピング技術などの開発を行う新会社にも出資。「人の移動」に焦点を当て、人の屋内動態分析やバイタルセンシング※2を使った物流や屋内施設のマーケティング、イベント事業の活性化に貢献するソリューション開発を目指している。
※1 画像認識技術を取り入れた対話型ディスプレイによるAI窓口サービス。
※2 心拍・脈拍・血圧・心電・血中酸素濃度などを各種センサーによって測定する技術。
また、農業SaaSビジネスについては、銀座農園(株)※1と共同で経済産業省の推進する「福島イノベーション・コースト構想」※2へ参画。AIによる果樹農業データプラットフォームの構築と、農業ロボットソリューションの開発により少人数でも大規模経営を実現できるソリューションの開発を目指す。
※1 農業システム及びマーケットプレイスの提供などを手掛けている(本社は東京都中央区)。
※2 本プロジェクトは、福島県浜通りにおいて、失われた産業基盤を再構築し、新たな街作りを進めるためのもの。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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