アドクリ Research Memo(1):保険代理店事業の好調持続により2019年9月期は過去最高業績を更新する見通し
[18/12/13]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
アドバンスクリエイト<8798>は、国内最大級の保険選びサイト「保険市場(ほけんいちば)」を運営する独立系保険代理店の大手。「保険市場」を通して問い合わせのあった見込み顧客に対して、非対面型の通信販売やネット完結型保険の販売、同社直営店舗での対面販売、提携先となる協業代理店への送客など、多様な販売チャネルを通じて保険商品の販売を行っている。収益の大半はこの保険契約から得られる代理店手数料収入で、そのほかにメディア事業、再保険事業を展開している。
1. 2018年9月期業績
2018年9月期の連結業績は、売上高が前期比16.4%増の9,468百万円、営業利益が同12.0%増の1,168百万円と連続増収増益となった。主力の保険代理店事業の売上が前期比14.7%増と好調に推移したことが主因だ。業界に先駆けてSNSやチャットボット等を活用した積極的なWebプロモーション施策を展開したことで、「保険市場」を通した資料請求件数やアポイント件数が増加したことが売上増につながった。また、利益面では、再保険事業が保険金支払損害率の上昇により減益となり、会社計画(1,270百万円)からの下振れ要因となったものの、保険代理店事業やメディア事業の増益でカバーした。
2. 2019年9月期業績見通し
2019年9月期の連結業績は、売上高が前期比15.1%増の10,900百万円、営業利益が同30.9%増の1,530百万円と2ケタ増収増益が続く見通し。売上高は過去最高を3期連続で更新し、営業利益は6期ぶりに更新することになる。同社の強みである「保険市場」ではモバイルサイトのユーザビリティ向上に継続的に取組んでおり、引き続き業界内での優位性を確保し、保険代理店事業で2ケタ増収を目指して行く。また、当期はメディア事業で大幅増収を見込んでいる。「保険市場」の広告収入に加えて、保険会社からの広告運用に関する受注が大きく伸びるためだ。同社のプロモーション施策が顧客からも高い評価を受けていることが背景にある。また、前期は一時的に収益が悪化した再保険事業についても当期は保険支払損害率の低下により、2ケタ増収増益が見込まれている。
3. 成長戦略と目標とする経営指標
同社では既存事業の成長拡大に加えて、2019年9月期から新たにASP※1事業やBPO※2事業も開始する。ASP事業では、同社が独自開発した顧客管理システムを協業代理店や保険会社向けに2018年11月より販売開始した。既に自社で活用しているシステムのため高い利益率が期待される。また、BPO事業では、コールセンター業務のノウハウを生かして保険会社やクレジット会社から保全業務※3の受注を獲得していく。こちらは2019年以降にサービスを開始する予定で、コールセンター部門の体制強化も図っていく。いずれも業績面で貢献してくるのは2〜3年後を想定しているが、中長期的に見れば収益増要因となるだけに、今後の動向が注目される。なお、目標とする経営指標は、売上高経常利益率20%以上、ROE20%以上、自己資本比率80%以上で従来と変わりない。
※1 ASP(アプリケーション・サービスプロバイダ)…インターネットを通して各種アプリケーションを提供するサービスまたはサービスを提供する事業者のこと
※2 BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)…企業運営上の業務やビジネスプロセスを外部委託すること、受託する側をBPOベンダーと呼ぶ
※3 保全業務…保険商品等の契約後の各種手続き(名義変更、保険料未納付者への督促、保険支払い手続き等)の総称。特に、保険料未納付者への督促業務はニーズが強い。
4. 株主還元策
同社は、株主還元策として配当と株主優待を実施している。配当に関しては配当性向で50%以上を目安とし、2019年9月期の1株当たり配当金は前期比横ばいの50.0円(配当性向53.1%)を予定している。また、株主優待制度としては、9月末時点で100株以上を保有する株主に対して、2,500円相当のカタログギフトと福利厚生サービス(保険市場Club Off)の利用権を贈呈している。現在の株価水準(2018年11月22日終値2,040円)で単元当たり総投資利回りを計算すると、福利厚生サービスを除いたベースで3%台の水準となる。そのほか、2019年5月20日を期限として自己株式の取得(取得株数10万株、取得価額220百万円を上限)を行うことも発表している。
■Key Points
・2019年9月期はすべての事業セグメントで2ケタ増収増益を目指す
・新たな収益源としてASP事業、BPO事業を本格的に開始
・配当性向は50%以上が目安、株主優待や自己株式取得も行うなど株主還元に積極的な企業として評価
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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アドバンスクリエイト<8798>は、国内最大級の保険選びサイト「保険市場(ほけんいちば)」を運営する独立系保険代理店の大手。「保険市場」を通して問い合わせのあった見込み顧客に対して、非対面型の通信販売やネット完結型保険の販売、同社直営店舗での対面販売、提携先となる協業代理店への送客など、多様な販売チャネルを通じて保険商品の販売を行っている。収益の大半はこの保険契約から得られる代理店手数料収入で、そのほかにメディア事業、再保険事業を展開している。
1. 2018年9月期業績
2018年9月期の連結業績は、売上高が前期比16.4%増の9,468百万円、営業利益が同12.0%増の1,168百万円と連続増収増益となった。主力の保険代理店事業の売上が前期比14.7%増と好調に推移したことが主因だ。業界に先駆けてSNSやチャットボット等を活用した積極的なWebプロモーション施策を展開したことで、「保険市場」を通した資料請求件数やアポイント件数が増加したことが売上増につながった。また、利益面では、再保険事業が保険金支払損害率の上昇により減益となり、会社計画(1,270百万円)からの下振れ要因となったものの、保険代理店事業やメディア事業の増益でカバーした。
2. 2019年9月期業績見通し
2019年9月期の連結業績は、売上高が前期比15.1%増の10,900百万円、営業利益が同30.9%増の1,530百万円と2ケタ増収増益が続く見通し。売上高は過去最高を3期連続で更新し、営業利益は6期ぶりに更新することになる。同社の強みである「保険市場」ではモバイルサイトのユーザビリティ向上に継続的に取組んでおり、引き続き業界内での優位性を確保し、保険代理店事業で2ケタ増収を目指して行く。また、当期はメディア事業で大幅増収を見込んでいる。「保険市場」の広告収入に加えて、保険会社からの広告運用に関する受注が大きく伸びるためだ。同社のプロモーション施策が顧客からも高い評価を受けていることが背景にある。また、前期は一時的に収益が悪化した再保険事業についても当期は保険支払損害率の低下により、2ケタ増収増益が見込まれている。
3. 成長戦略と目標とする経営指標
同社では既存事業の成長拡大に加えて、2019年9月期から新たにASP※1事業やBPO※2事業も開始する。ASP事業では、同社が独自開発した顧客管理システムを協業代理店や保険会社向けに2018年11月より販売開始した。既に自社で活用しているシステムのため高い利益率が期待される。また、BPO事業では、コールセンター業務のノウハウを生かして保険会社やクレジット会社から保全業務※3の受注を獲得していく。こちらは2019年以降にサービスを開始する予定で、コールセンター部門の体制強化も図っていく。いずれも業績面で貢献してくるのは2〜3年後を想定しているが、中長期的に見れば収益増要因となるだけに、今後の動向が注目される。なお、目標とする経営指標は、売上高経常利益率20%以上、ROE20%以上、自己資本比率80%以上で従来と変わりない。
※1 ASP(アプリケーション・サービスプロバイダ)…インターネットを通して各種アプリケーションを提供するサービスまたはサービスを提供する事業者のこと
※2 BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)…企業運営上の業務やビジネスプロセスを外部委託すること、受託する側をBPOベンダーと呼ぶ
※3 保全業務…保険商品等の契約後の各種手続き(名義変更、保険料未納付者への督促、保険支払い手続き等)の総称。特に、保険料未納付者への督促業務はニーズが強い。
4. 株主還元策
同社は、株主還元策として配当と株主優待を実施している。配当に関しては配当性向で50%以上を目安とし、2019年9月期の1株当たり配当金は前期比横ばいの50.0円(配当性向53.1%)を予定している。また、株主優待制度としては、9月末時点で100株以上を保有する株主に対して、2,500円相当のカタログギフトと福利厚生サービス(保険市場Club Off)の利用権を贈呈している。現在の株価水準(2018年11月22日終値2,040円)で単元当たり総投資利回りを計算すると、福利厚生サービスを除いたベースで3%台の水準となる。そのほか、2019年5月20日を期限として自己株式の取得(取得株数10万株、取得価額220百万円を上限)を行うことも発表している。
■Key Points
・2019年9月期はすべての事業セグメントで2ケタ増収増益を目指す
・新たな収益源としてASP事業、BPO事業を本格的に開始
・配当性向は50%以上が目安、株主優待や自己株式取得も行うなど株主還元に積極的な企業として評価
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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