サンワテクノス Research Memo(4):3つの事業戦略で売上高1,500億円、経常利益45億円の必達に取り組む
[18/12/14]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中期経営計画の概要と進捗状況
1. 中期経営計画の概要
サンワテクノス<8137>は3ヶ年中期経営計画を策定し、その着実な計画達成を通じて中長期的な成長を実現することを目指している。現在は第9次3ヶ年中期経営計画『Challenge1500』に取り組んでおり、2019年3月期は現行中期経営計画の最終年度に当たる。
『Challenge1500』は2016年3月期に終了した前中期経営計画『JUMP1200』の実績を踏まえて、それをさらに深耕・進化させた3ヶ年中期経営計画という性格を有している。名称の『Challenge1500』には、同社の創立70周年に当たる2020年3月期において、売上高1,500億円を達成するための基盤をしっかり作るという意思が込められている。詳細は後述するが、売上高計画については2018年3月期に前倒しで達成済みであり、最終年度の2019年3月期は利益計画の達成が最大目標となっている。
今中期経営計画における事業戦略として同社は、『システム、装置、部品・コンポーネント販売事業』、『エンジニアリング事業』、及び『グローバルSCMソリューション事業』の3つを掲げ、それぞれの事業の成長・拡大を目指している。この3事業の関係性については多少注意を要する。
まず、『システム、装置、部品・コンポーネント販売事業』については既存事業の電機・電子・機械の3部門を言い変えたと解釈して差し支えない。この事業の拡大を目指すのは当然のことと言える。
同社の『エンジニアリング事業』は独立した事業というよりも、上記の『システム、装置、部品・コンポーネント販売事業』の拡大を図るうえでの販売手法、販売戦略を表現している。同社は3部門にまたがり幅広い取扱商材を有しているが、それらを単独で販売するのではなく、複数の商材を組み合わせてシステム化し、顧客にソリューションを提案する形で販売していこうという取り組みだ。
『グローバルSCMソリューション事業』は顧客の調達代行のような機能・性格を有しており、3つの事業部門に横串を通すという点ではエンジニアリング事業と似た要素を持っている。同社はこれを、3事業部門の売上拡大のための“顧客サービス”ではなく、収益事業として位置付け、将来的には独立した事業部門に発展することも視野に入れて臨んでいる。
『Challenge1500』の経営目標(業績目標)とこれまでの実績は、初年度に引き続き、2年目の2018年3月期も、3度の上方修正の末に経営目標を大きく上回って着地した。売上高は最終年度の経営目標である137,000百万円を上回り、経常利益も最終年度の目標値に肉薄した。
これを受け最終年度の2019年3月期は、期初予想として売上高157,500百万円、経常利益4,500百万円を掲げて臨んだ。前述のように、第2四半期決算において社内消去が増加したため売上高の通期見通しを150,000百万円に下方修正したが、利益面では期初予想の線で着実に進捗している。同社は中期経営計画の評価指標として売上高と経常利益を重視しているが、経常利益予想は4,500百万円で期初予想から変更はない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
<MH>
1. 中期経営計画の概要
サンワテクノス<8137>は3ヶ年中期経営計画を策定し、その着実な計画達成を通じて中長期的な成長を実現することを目指している。現在は第9次3ヶ年中期経営計画『Challenge1500』に取り組んでおり、2019年3月期は現行中期経営計画の最終年度に当たる。
『Challenge1500』は2016年3月期に終了した前中期経営計画『JUMP1200』の実績を踏まえて、それをさらに深耕・進化させた3ヶ年中期経営計画という性格を有している。名称の『Challenge1500』には、同社の創立70周年に当たる2020年3月期において、売上高1,500億円を達成するための基盤をしっかり作るという意思が込められている。詳細は後述するが、売上高計画については2018年3月期に前倒しで達成済みであり、最終年度の2019年3月期は利益計画の達成が最大目標となっている。
今中期経営計画における事業戦略として同社は、『システム、装置、部品・コンポーネント販売事業』、『エンジニアリング事業』、及び『グローバルSCMソリューション事業』の3つを掲げ、それぞれの事業の成長・拡大を目指している。この3事業の関係性については多少注意を要する。
まず、『システム、装置、部品・コンポーネント販売事業』については既存事業の電機・電子・機械の3部門を言い変えたと解釈して差し支えない。この事業の拡大を目指すのは当然のことと言える。
同社の『エンジニアリング事業』は独立した事業というよりも、上記の『システム、装置、部品・コンポーネント販売事業』の拡大を図るうえでの販売手法、販売戦略を表現している。同社は3部門にまたがり幅広い取扱商材を有しているが、それらを単独で販売するのではなく、複数の商材を組み合わせてシステム化し、顧客にソリューションを提案する形で販売していこうという取り組みだ。
『グローバルSCMソリューション事業』は顧客の調達代行のような機能・性格を有しており、3つの事業部門に横串を通すという点ではエンジニアリング事業と似た要素を持っている。同社はこれを、3事業部門の売上拡大のための“顧客サービス”ではなく、収益事業として位置付け、将来的には独立した事業部門に発展することも視野に入れて臨んでいる。
『Challenge1500』の経営目標(業績目標)とこれまでの実績は、初年度に引き続き、2年目の2018年3月期も、3度の上方修正の末に経営目標を大きく上回って着地した。売上高は最終年度の経営目標である137,000百万円を上回り、経常利益も最終年度の目標値に肉薄した。
これを受け最終年度の2019年3月期は、期初予想として売上高157,500百万円、経常利益4,500百万円を掲げて臨んだ。前述のように、第2四半期決算において社内消去が増加したため売上高の通期見通しを150,000百万円に下方修正したが、利益面では期初予想の線で着実に進捗している。同社は中期経営計画の評価指標として売上高と経常利益を重視しているが、経常利益予想は4,500百万円で期初予想から変更はない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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