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クオールHD Research Memo(4):後発医薬品調剤体制加算で大きく巻き返しを実現

注目トピックス 日本株
■業績の動向

3. 2018年薬価・調剤報酬改定の影響について
2018年の薬価・調剤報酬改定では1)調剤基本料、2)後発医薬品調剤体制加算、及び3)基準調剤加算廃止/地域支援体制加算の3つの分野での改定内容が、クオールホールディングス<3034>を含めた大手調剤薬局チェーンにとって非常に厳しい内容となった(詳細については2018年6月27日付の前回レポートを参照)。

これまでは改定で引き下げられた点数を期中に巻き返す策が残されており、各社ともそれに向けて努力することで収益回復を果たしてきた。しかし2018年改定では調剤基本料と地域支援体制加算については各社とも要件をみたすことは困難である。また地域支援体制加算に至っては、調剤基本料1算定できない店舗にあってはほぼ不可能と思えるほどに高いハードルが課されている。こうした状況にあって同社は、加算のために店づくりや運営方法を変えるといった本末転倒なことはせず、同社が追求する“患者に求められる店づくり”の進捗に努めた。

一方、後発医薬品調剤体制加算については届出前の3ヶ月間の実績で評価されるため、期中の挽回が可能な仕組みとなっている。同社は、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用数量割合がクオール単体では76.7%(2018年9月時点)と、政府目標の80%(2020年9月までのなるべく早期に達成)にまだ到達していないため、その引き上げに粛々と取り組んだ。その結果、加算獲得の店舗構成比は2018年4月時点と9月時点とでは大きく変化し、後発医薬品調剤体制加算の平均点数は4月時点の12.2点から9月時点では14.8点にまで巻き返すことに成功した。


主力のCSO事業では派遣契約企業数シェアNo.1を維持。派遣紹介事業も順調に拡大
4. BPO事業の詳細動向
BPO事業の2019年3月期第2四半期は、売上高5,526百万円(前年同期比3.1%増)、営業利益657百万円(同13.0%減)と増収減益となった。

前述のようにBPO事業においてはアポプラスステーションがCSO事業、派遣紹介事業、及びCRO事業を展開している。

CSO事業においては、MR派遣の市場が横ばいから縮小傾向にあるなかで、契約社数で業界トップの地位を維持した。また、新規顧客の開拓や既存案件の契約延長に向けて、専門性の高いMRの育成と製薬企業への営業強化に注力した。これを反映して受注は増加基調をたどった。

派遣紹介事業では薬剤師のみならず医療従事者全体に人手不足感が強まるなか、同社はホームページのリニューアルを実施し、各職種でエントリー数増加を達成した。また対象職種を拡大して医療事務、管理栄養士の派遣紹介を新規にスタートしたことも寄与し、売上高は増収となった。またCRO事業では受注案件の増加に向けて、引き続き営業強化に努めた。

これらの結果、アポプラスステーションの業績としては、2019年3月期通期の業績計画(売上高10,900百万円、営業利益1,680百万円)の達成に向けて、売上高についてはおおむね計画線上で推移したとみられる。利益についてはCSO事業における人材育成費用や派遣紹介事業での人材獲得費用等が先行して発生したことで、計画を下回ったものと推定される。

出版事業はメディカルクオールの受注が計画線で好調に推移し、前年同期比では増収となったとみられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)



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