イメージワン Research Memo(1):既存事業の収益性が改善、好財務のもと成長戦略を推進
[18/12/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
1. 会社概要と事業内容
イメージ ワン<2667>は、企業使命として掲げる「人の健康、国の安心・安全」への貢献を、イメージ(画像)を核にしたICT利活用を通じて目指すCSV型企業(事業を通じた社会貢献により企業価値を増大させる企業)。具体的には、主力事業であるヘルスケアソリューション事業(メディカルシステム、ウェアラブル心電計など)のほか、GEOソリューション事業(UAV関連事業など)を展開している。また、関連会社を通じてWebサービス事業にも取り組んでいる。
2. フロー利益が冴えない状況でも、財務体質は大幅に良化
同社のフロー利益は、過去10期中(2009年9月期-2018年9月期)、5期において当期純損失を余儀なくされるなど、冴えない状況にあった。繰越利益剰余金は水面下にあるものの、財務体質の安全性を測る代表的な指標の推移を見ると、自己資本比率が2009年9月期末31.8%→2018年9月期末75.5%、流動比率が2009年9月期末140.9%→2018年9月期末407.1%、といずれも大幅に良化している。この間、ウェアラブル心電計(duranta)の開発、UAV(小型無人飛行機、いわゆるドローンを含む)関連事業やWebサービス事業への進出、AI技術の導入、新たなマーケティング戦略への取り組みなど、成長に対する布石は着実に打たれており、財務強化と先行投資を両立してきた経営実績は評価に値する。
3. 2018年9月期は増収・黒字転換を達成、2019年9月期は増収・増益を見込む
2018年9月期は売上高が前年同期比19.3%増の1,653百万円、営業利益が同125百万円改善の40百万円、当期純利益が同128百万円改善の8百万円となった。会社計画に対しては、売上高が上振れ、営業利益は計画線、当期純利益は未達での着地となった。セグメント別に見ると、主力のヘルスケアソリューション事業は、売上高、営業利益ともに過去10年で最高を記録した。GEOソリューション事業については、戦略的価格改定の影響で営業減益となったものの、単価下落影響を数量増で吸収し、微増収を確保した。2019年9月期は売上高が前年同期比2.8%増の1,700百万円、営業利益が同48.6%増の60百万円、当期純利益が同233.5%増の28百万円と、増収・増益を見込む。
4. 数値目標はチャレンジングだが、内容的に納得度が高い新中期経営計画
同社は2018年9月の新中期経営計画において、2021年9月期の経営数値目標を「売上高2,300百万円、営業利益250百万円」としている。数値目標自体は、チャレンジングに見えるが、「AI」や「ネットワークによる遠隔医療」、「i-Construction」、「CRMソリューション」などを注力分野とする事業戦略については納得度が高いと考える。
■Key Points
・明快な企業使命のもと、パートナー戦略により事業展開を推進するCSV型企業。財務体質強化と先行投資を両立してきた経営実績は評価に値するだろう
・ 2018年9月期は、主力のヘルスケアソリューション事業の収益性改善を主因に増収・黒字転換を達成、財務体質は一段と良化している。2019年9月期は増収・増益を見込む
・ 新中期経営計画は、数値目標はチャレンジングに見えるが、事業戦略については納得度が高く、その実行力が試される局面と言えるだろう。まずは、ウェアラブル心電計の「心電解析機能追加」と医療画像診断支援システムの「AI実装」の動向に注目したい
(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)
<MH>
1. 会社概要と事業内容
イメージ ワン<2667>は、企業使命として掲げる「人の健康、国の安心・安全」への貢献を、イメージ(画像)を核にしたICT利活用を通じて目指すCSV型企業(事業を通じた社会貢献により企業価値を増大させる企業)。具体的には、主力事業であるヘルスケアソリューション事業(メディカルシステム、ウェアラブル心電計など)のほか、GEOソリューション事業(UAV関連事業など)を展開している。また、関連会社を通じてWebサービス事業にも取り組んでいる。
2. フロー利益が冴えない状況でも、財務体質は大幅に良化
同社のフロー利益は、過去10期中(2009年9月期-2018年9月期)、5期において当期純損失を余儀なくされるなど、冴えない状況にあった。繰越利益剰余金は水面下にあるものの、財務体質の安全性を測る代表的な指標の推移を見ると、自己資本比率が2009年9月期末31.8%→2018年9月期末75.5%、流動比率が2009年9月期末140.9%→2018年9月期末407.1%、といずれも大幅に良化している。この間、ウェアラブル心電計(duranta)の開発、UAV(小型無人飛行機、いわゆるドローンを含む)関連事業やWebサービス事業への進出、AI技術の導入、新たなマーケティング戦略への取り組みなど、成長に対する布石は着実に打たれており、財務強化と先行投資を両立してきた経営実績は評価に値する。
3. 2018年9月期は増収・黒字転換を達成、2019年9月期は増収・増益を見込む
2018年9月期は売上高が前年同期比19.3%増の1,653百万円、営業利益が同125百万円改善の40百万円、当期純利益が同128百万円改善の8百万円となった。会社計画に対しては、売上高が上振れ、営業利益は計画線、当期純利益は未達での着地となった。セグメント別に見ると、主力のヘルスケアソリューション事業は、売上高、営業利益ともに過去10年で最高を記録した。GEOソリューション事業については、戦略的価格改定の影響で営業減益となったものの、単価下落影響を数量増で吸収し、微増収を確保した。2019年9月期は売上高が前年同期比2.8%増の1,700百万円、営業利益が同48.6%増の60百万円、当期純利益が同233.5%増の28百万円と、増収・増益を見込む。
4. 数値目標はチャレンジングだが、内容的に納得度が高い新中期経営計画
同社は2018年9月の新中期経営計画において、2021年9月期の経営数値目標を「売上高2,300百万円、営業利益250百万円」としている。数値目標自体は、チャレンジングに見えるが、「AI」や「ネットワークによる遠隔医療」、「i-Construction」、「CRMソリューション」などを注力分野とする事業戦略については納得度が高いと考える。
■Key Points
・明快な企業使命のもと、パートナー戦略により事業展開を推進するCSV型企業。財務体質強化と先行投資を両立してきた経営実績は評価に値するだろう
・ 2018年9月期は、主力のヘルスケアソリューション事業の収益性改善を主因に増収・黒字転換を達成、財務体質は一段と良化している。2019年9月期は増収・増益を見込む
・ 新中期経営計画は、数値目標はチャレンジングに見えるが、事業戦略については納得度が高く、その実行力が試される局面と言えるだろう。まずは、ウェアラブル心電計の「心電解析機能追加」と医療画像診断支援システムの「AI実装」の動向に注目したい
(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)
<MH>