ティア Research Memo(1):2019年9月期以降、出店ペースを加速化していく方針
[18/12/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ティア<2485>は、名古屋を地盤に葬儀会館「ティア」を運営しており、「葬儀価格の完全開示」「適正な葬儀費用」を業界に先駆けて提唱、「徹底した人財教育によるサービスの向上」を実践することで顧客支持を集め、成長を続けている。2018年9月末時点の店舗数は102店舗(直営57店舗、FC45店舗)で、名古屋を中心とした中部圏に加え関西圏、首都圏でFCを含めて展開している。2016年より東京都内で、サロンタイプの店舗で出店を開始している。取扱葬儀件数はFC含めて年間1.4万件を超え、名古屋市内の市場シェアは24%と第2位となっている。
1. 2018年9月期の業績概要
2018年9月期の連結業績は、売上高で前期比8.5%増の12,311百万円、経常利益で同9.7%増の1,300百万円となり、売上高は上場来12期連続増収、経常利益は7期連続の増益となった。既存店の葬儀単価が前期比2.0%減と低下したものの、葬儀件数が同5.7%増と順調に増加したことに加え、新規出店効果(前期末比で会館3店舗、サロン3店舗)が増収要因となった。直営店全体の葬儀件数で見ると、前期比11.9%増とここ数年では最も高い成長率だった。利益面では、人件費や広告宣伝費が増加したものの、増収効果や各種業務の内製化、取扱商品の見直し等による原価率改善が増益要因となり、売上高経常利益率で前期比0.2ポイント上昇の10.6%と過去最高水準を達成した。
2. 2019年9月期業績見通し
2019年9月期の連結業績は売上高で前期比4.7%増の12,885百万円と増収が続くものの、経常利益で同18.5%減の1,060百万円と減益を計画している。直営の新規出店を10店舗(前期末比で会館7店舗増、サロン3店舗増)と加速するほか、将来の成長に向けた事業基盤構築のため「THRC(TEAR Human Resources Center)」を開設(2019年4月稼働予定、設備投資額3億円)、新卒採用者数も2018年春の17名から2019年春は40名と大幅増員を予定するなど、人財関連投資を積極的に実施することが要因だ。同社は、これら投資に伴う非連続的なコスト増要因として264百万円を見込んでいる。なお、直営店の葬儀件数は前期比6.1%増、既存店ベースで同1.6%増、葬儀単価は同0.5%減を前提としており、費用面も含めて業績計画は保守的なものになっていると弊社では見ている。
3. 中期経営計画と公募増資の狙い
新たに発表した中期3ヶ年計画では、最終年度となる2021年9月期に連結売上高14,600百万円、経常利益1,370百万円を目標として掲げた、従来よりも出店ペースを加速する計画となっている。新規出店(直営)については従来、会館、サロンでそれぞれ年間3店舗を計画していたが、今回は会館7店舗、サロン3店舗とし会館の出店を加速していくことになる。なかでも、名古屋での葬儀件数トップシェアを目指すべく、同エリアでの出店を強化していく。このため3年間で100名の新卒採用を計画、初年度は人件費等の先行投資負担がかかるため減益となるが、2年目以降は増収増益基調に転じる見通しだ。人財投資を積極化し事業基盤を強化することで出店を加速化していく。また、FC事業についても新規契約企業の獲得を進めていく方針だ。なお、同社は2018年12月に公募増資により約14億円を調達したが、今回の増資の目的は中部地区での店舗投資や、東京でのサロン型店舗の収益化を確実にし店舗展開を進めていくための投資に加えて、次期成長フェーズに向けた事業基盤を構築することが目的となっている。長期的には全国に「ティア」ブランドを展開していくことを目標としており、同社の成長ポテンシャルは大きいと言える。
■Key Points
・適正な料金プランと高品質なサービス、ドミナント出店により成長を継続、「THRC」の新設により人財教育の更なる強化に取り組む
・2020年9月期以降は増収効果で2ケタ増益ペースとなる見通し
・全国シェアはまだ1%程度、シェア拡大による成長ポテンシャルは大きい
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SF>
ティア<2485>は、名古屋を地盤に葬儀会館「ティア」を運営しており、「葬儀価格の完全開示」「適正な葬儀費用」を業界に先駆けて提唱、「徹底した人財教育によるサービスの向上」を実践することで顧客支持を集め、成長を続けている。2018年9月末時点の店舗数は102店舗(直営57店舗、FC45店舗)で、名古屋を中心とした中部圏に加え関西圏、首都圏でFCを含めて展開している。2016年より東京都内で、サロンタイプの店舗で出店を開始している。取扱葬儀件数はFC含めて年間1.4万件を超え、名古屋市内の市場シェアは24%と第2位となっている。
1. 2018年9月期の業績概要
2018年9月期の連結業績は、売上高で前期比8.5%増の12,311百万円、経常利益で同9.7%増の1,300百万円となり、売上高は上場来12期連続増収、経常利益は7期連続の増益となった。既存店の葬儀単価が前期比2.0%減と低下したものの、葬儀件数が同5.7%増と順調に増加したことに加え、新規出店効果(前期末比で会館3店舗、サロン3店舗)が増収要因となった。直営店全体の葬儀件数で見ると、前期比11.9%増とここ数年では最も高い成長率だった。利益面では、人件費や広告宣伝費が増加したものの、増収効果や各種業務の内製化、取扱商品の見直し等による原価率改善が増益要因となり、売上高経常利益率で前期比0.2ポイント上昇の10.6%と過去最高水準を達成した。
2. 2019年9月期業績見通し
2019年9月期の連結業績は売上高で前期比4.7%増の12,885百万円と増収が続くものの、経常利益で同18.5%減の1,060百万円と減益を計画している。直営の新規出店を10店舗(前期末比で会館7店舗増、サロン3店舗増)と加速するほか、将来の成長に向けた事業基盤構築のため「THRC(TEAR Human Resources Center)」を開設(2019年4月稼働予定、設備投資額3億円)、新卒採用者数も2018年春の17名から2019年春は40名と大幅増員を予定するなど、人財関連投資を積極的に実施することが要因だ。同社は、これら投資に伴う非連続的なコスト増要因として264百万円を見込んでいる。なお、直営店の葬儀件数は前期比6.1%増、既存店ベースで同1.6%増、葬儀単価は同0.5%減を前提としており、費用面も含めて業績計画は保守的なものになっていると弊社では見ている。
3. 中期経営計画と公募増資の狙い
新たに発表した中期3ヶ年計画では、最終年度となる2021年9月期に連結売上高14,600百万円、経常利益1,370百万円を目標として掲げた、従来よりも出店ペースを加速する計画となっている。新規出店(直営)については従来、会館、サロンでそれぞれ年間3店舗を計画していたが、今回は会館7店舗、サロン3店舗とし会館の出店を加速していくことになる。なかでも、名古屋での葬儀件数トップシェアを目指すべく、同エリアでの出店を強化していく。このため3年間で100名の新卒採用を計画、初年度は人件費等の先行投資負担がかかるため減益となるが、2年目以降は増収増益基調に転じる見通しだ。人財投資を積極化し事業基盤を強化することで出店を加速化していく。また、FC事業についても新規契約企業の獲得を進めていく方針だ。なお、同社は2018年12月に公募増資により約14億円を調達したが、今回の増資の目的は中部地区での店舗投資や、東京でのサロン型店舗の収益化を確実にし店舗展開を進めていくための投資に加えて、次期成長フェーズに向けた事業基盤を構築することが目的となっている。長期的には全国に「ティア」ブランドを展開していくことを目標としており、同社の成長ポテンシャルは大きいと言える。
■Key Points
・適正な料金プランと高品質なサービス、ドミナント出店により成長を継続、「THRC」の新設により人財教育の更なる強化に取り組む
・2020年9月期以降は増収効果で2ケタ増益ペースとなる見通し
・全国シェアはまだ1%程度、シェア拡大による成長ポテンシャルは大きい
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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