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コネクシオ Research Memo(3):主力は個人向け携帯電話販売事業(コンシューマ事業)、法人事業も展開

注目トピックス 日本株
■コネクシオ<9422>の事業概要

1. 主力は個人向け携帯電話販売事業(コンシューマ事業)だが、法人事業も積極的に展開
携帯電話等の通信サービスの契約取次※、契約者へのアフターサービスの提供及び携帯電話端末等の販売を行う、販売代理店事業を基幹事業として展開する。手掛ける事業は、個人向けのコンシューマ事業と法人向けの法人事業に分かれる。2019年3月期第2四半期におけるセグメント別売上構成は、コンシューマ事業93.3%、法人事業6.7%であった。

※通信キャリアとの間の代理店契約に基づき、個人及び法人顧客に対し、通信キャリアが提供する電気通信サービス等の契約取次を行うもので、契約成立時及びその後の一定期間において、通信キャリアから手数料を収受する。


(1) コンシューマ事業
キャリア認定ショップ(ドコモショップ、auショップ、ソフトバンクショップ)の運営を行うほか、大手カメラ/家電量販店への携帯電話の卸売や販売支援も行う。また、同社が独自開発したポータルサイト「nexi(ネクシィ)」「nexiplus(ネクシィプラス)」※の運営も行っている。コンシューマ事業の売上高は、携帯電話、スマートフォンなどの端末及びその携帯周辺商材の商品売上高と通信キャリア等からの手数料収入からなる。2019年第2四半期3月期における商品売上高は85,149百万円(コンシューマ事業売上高に占めるウエイト73.6%)、手数料収入は30,616百万円(同26.4%)。

※天気/運勢など生活に密着した情報の表示をはじめ、スマートフォンを便利に利用できるサービス。有料プランの「nexiplus」では、会員特典(クーポン)や無料の電話相談(弁護士相談、恋愛相談など)、会員向けチケット販売などの生活に役立つコンテンツを提供している。


a) キャリア認定ショップ
2018年9月末における運営店舗数は全国で428店舗※、そのうち281店舗が同社の直営。内訳を通信キャリア別に見ると、NTTドコモが364店舗(直営237店舗、運営委託127店舗)、au(KDDI<9433>)は47店舗(直営27店舗、運営委託20店舗)、ソフトバンク(ソフトバンクグループ<9984>)は直営のみの5店舗、その他(直営)12店舗となっている。最多のドコモショップに関しては、店舗数及び販売台数のいずれもNTTドコモ代理店でNo.1となっている。

※同社の直営店に加えて、2次代理店に運営を委託している147店舗を含む。


同社では“顧客に選ばれる”付加価値の高いショップの実現を目指しており、全国の直営店でのスマホ教室の展開や消費者一人ひとりのライフスタイルに合わせた提案、タブレット端末を活用した顧客の動線の見直しに取組み、付加価値の高いショップづくりを推進している。加えて、移転による店舗大型化を進め、フロアスペースや体験コーナーの拡大、アクセサリー等の携帯周辺商材のラインナップ充実、来店予約制度の導入などの様々な施策を、店舗ごとに展開している。なお、2019年3月期第2四半期累計のキャリア認定ショップでの販売台数は97.3万台(全社販売台数に占めるシェアは79.1%)であった。

b) 大手カメラ/家電量販店
同社は大手カメラ/家電量販店に対して携帯電話の卸売販売を行うとともに、店頭での販売支援も行う。加えて店内に「サービスコーナー」を設け、料金の支払い受付や端末の修理、各種相談等、アフターサービスも行っている。なお、2019年3月期第2四半期累計の大手カメラ/家電量販店における販売台数は20.7万台(全社販売台数に占めるシェアは16.8%)。

さらに、それを支える物流・開通センターは、高い処理能力を誇る。具体的には、物流センターは徹底した携帯電話の入出荷及び在庫の集中管理で、各店舗に人気商品や新商品をタイムリーに供給し販売機会のロスを防ぐ。一方、開通センターは、顧客が購入した携帯電話の回線開通業務や機種変更に伴う各種手続き等を迅速に行うことで、顧客満足度向上をサポートしている。

(2) 法人事業
法人顧客に対する携帯電話等の通信サービスの契約取次、アフターサービスの提供、携帯電話端末等の販売のほか、様々なソリューションサービスを販売する。加えて、コンビニエンスストアへのプリペイドカード等の商品販売及びIoTソリューションの販売も手掛ける。

法人事業は、携帯電話端末及び携帯周辺商材の販売からなる商品売上高のほか、通信キャリア等からの手数料やソリューションサービスの売上からなる手数料収入、そしてプリペイドカード販売のプリペイドカード情報の3つの売上高で構成される。2019年3月期第2四半期における商品売上高は2,490百万円(法人事業売上高に占めるウエイト29.9%)、手数料収入3,978百万円(同47.8%)、プリペイドカード情報1,847百万円(同22.2%)。なお、2019年3月期第2四半期累計の法人事業における販売台数は5.0万台(全販売台数に占めるシェア4.0%)であった。

a) 法人向けの様々なソリューションサービス
法人企業向けに、スマートフォンやタブレット端末の端末設定サービス(キッティング)やモバイルヘルプデスク等を提供するモバイルBPOサービス(運用管理業務受託サービス)のほか、スマートフォンをビジネスに活用するための各種ソリューションサービスをワンストップで提供するモバイル・ビズ・スイート(mbs)を提供している。このうち、モバイル運用の強みを生かし、スマートフォンを導入した企業に対して多機能なスマートフォンを使いこなすために必要なサポートを24時間365日体制で提供する「モバイルヘルプデスク」が順調に拡大する傾向にある。同サービスは、主にセキュリティを重視する金融機関、保険会社からの利用が多い。さらに、2018年9月にはモバイルBPOセンターを移転・増床し、キッティングの処理能力と品質を大幅に向上させている。

b) プリペイドカード販売
全国のファミリーマートをはじめ、ポプラ<7601>などのコンビニエンスストアチェーンにおいてプリペイドカードを販売する。加えて、全国の小売店・Webサービス会社に対するプリペイドカードの発行支援※も行っている。

※具体的な導入事例として、オイシックスギフトカード(安心・安全でおいしい食材を宅配するネットスーパー・オイシックス(オイシックス・ラ・大地<3182>)の食材と交換ができるギフトカード)、OPTiMカード(IoTプラットフォーム企業のオプティム<3694>が提供する人気雑誌の読み放題サービス「タブホ」が利用可能なプリペイドカード)などが挙げられる。


c) IoTソリューション
作業機械や車両等、様々な機器から遠隔でビッグデータの収集を実現する、企業のIoT導入に必要なソリューション(各種デバイスや通信回線、プラットフォーム、導入支援等)を提供している。また、同社の強みである携帯電話の販売代理店としての通信に関する豊富な知識や通信機能組込み技術を生かしたIoTモジュール製品の開発にも注力している。直近では、IoTシステム構築を迅速化・容易化する新サービス「Smart Ready IoTソリューションテンプレート」の販売開始(2018年5月24日)を皮切りに、パートナー企業との連携強化、新サービスの開発・提供を進めている。

2. 同社の強み、特色
(1) 携帯電話販売・取次ぎでの長い歴史
同社の強みは、携帯電話の黎明期から携帯電話販売市場へ参入し、全国規模のキャリア認定ショップの基盤を構築・保有していることである。さらに、NTTドコモと営業戦略を共有し、NTTドコモの代理店No.1となっていることが同社の収益性の高さの源泉となっており、強みの1つとして挙げられる。

(2) 働きやすい職場環境
同社の主力事業であるキャリア認定ショップでの販売においては、従業員の確保・定着が重要な要素となるが、同社では従業員の定着率向上や人材採用の強化を推進するために、様々な職場環境の整備、すなわち「働き方改革」を積極的に推し進めている。

例えば、キャリア認定ショップでの月1回の定休日や営業時間の短縮、一部会社負担のベビーシッター制度やフレックスタイム制の導入、在宅勤務のトライアルの導入、男性社員の育児休暇取得の支援、女性リーダーの発掘・育成を目的とした各種研修会の実施等々である。この結果、同社は以下のような様々な認定や表彰を受けている。これにより多くの人材を集めやすくなっていると思われ、これも目に見えない同社の特色であり強みと言えるだろう。

3. 事業等のリスク
事業等のリスクとして、同社のビジネスの中核がキャリア認定ショップ運営であり、その収益が通信キャリアからの手数料に依存していること、キャリア認定ショップは通信キャリアによりその運営主体が選定されること、通信キャリアの営業政策等の経営判断の影響を受けやすい体制であることなどを挙げることができる。

電気通信事業法などの関連する法令の改正等による影響を通信キャリアと同様に受けることもリスクである。足元では、総務省は2018年2月に「青少年インターネット環境整備法」(青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律)及び「電気通信事業法の消費者保護ルールに関するガイドライン」を改訂している。

また、通信キャリアのうちNTTドコモに対する依存度が同業他社に比べ高いことは、強みであると同時に事業リスクでもある。通信キャリア間の競争激化によりNTTドコモの事業基盤が極端に縮小する事態が生じる場合、同社の業績に多大な影響を与える可能性がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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