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ジンズメイト Research Memo(2):ジーンズ小売業の成長に従い、1991年に小売業に転換

注目トピックス 日本株
■会社概要

1. 沿革
ジーンズメイト<7448>は1960年10月、衣料品製造卸売業を事業目的に、岡山県児島市(現倉敷市)に株式会社西脇被服本店として設立された。設立以来製造卸売事業を営んでいたが、ジーンズ小売事業の将来性に着目して1978年に「JEANS MATE」を出店し、小売業に進出した。

それ以降、同社は「JEANS MATE」を7ヶ所に展開したが、小売事業が順調に展開したことを受けて小売部門を分離独立させる目的で、1987年に旧(株)ジーンズメイトを設立した。同社は旧ジーンズメイトに100%の卸売販売を行い、旧ジーンズメイトは小売り専門会社として、業務分担をしながらともに発展を続けた。その後、1991年2月に事業を一本化するために同社が旧ジーンズメイトを吸収合併し、商号を株式会社ジーンズメイトに変更した。

カジュアル衣料小売りとして順調に経営を続けていた同社だが、その背後では2000年頃から経営環境が変化し始めていた。そうしたなか2008年(2009年2月期)にリーマンショックが起こり経営的に大きな転機を迎えることとなった。2010年2月期には営業損失を計上し、その後、2015年2月期に一時的に営業利益が黒字転換したことを除いては継続的な営業損失の計上が続いた。2017年2月にRIZAPグループの連結子会社となり、グループシナジー追求などによる業績改善に取り組み、現在に至っている(業績悪化の経緯等については後に詳述)。

株式市場には1995年7月に日本証券業協会に株式を店頭登録して公開したのち、1999年1月に東京証券取引所市場第2部に上場した。その後、2000年2月に東京証券取引所市場第1部に上場した。


ジーンズに対する消費行動の変化と、店舗立地の変化への対応の遅れで業績が悪化
2. 長期業績推移
同社は1990年代までは順調な業績が続いており、明確な変化が生じたのは2008年頃だ。そこで2000年代以降の業績を振り返ると、同社の業績は2000年2月期に売上高24,720百万円、経常利益2,039百万円を計上し、売上高、利益ともに最高を記録している。その後も同水準の収益を維持して横ばい圏での推移が続いていたが、前述のように、2007年頃(決算期では2008年2月期)から明確な変化が表れ始め、リーマンショックが起こった2008年(2009年2月期)、その影響が実体経済に影響を及ぼした2009年(2010年2月期)と2期連続して同社の業績は一気に低下するに至った。

同社の業績が不振に陥った理由は大きく2つある。1つは、同社の主力商品であるジーンズに対する消費者の意識・行動の変化だ。同社はナショナルブランド(NB)の製品の品ぞろえの豊富さをセールスポイントとし、販売価格も5,000円〜10,000円のものが中心だった。1990年代半ばのヴィンテージジーンズのブームの際には1本数万円のジーンズが飛ぶように売れた時代すらあった。そうしたなかで1995年に米GAPが日本に上陸し、1998年にユニクロのフリースが大ヒットするという状況のなかで、ジーンズに関しても消費者の選択肢が広がった。選択肢の拡大はジーンズを購入する店舗と価格の両方に及び、多くの消費者が同社に代表されるジーンズ専門店から低価格ブランドのショップへと移動した。

もう1つは店舗立地の問題だ。同社は繁華街における路面店と郊外におけるロードサイドの2つの店舗タイプで店舗網を拡大してきた。しかしながら2000年に大規模小売店舗立地法の改正を機に郊外型のショッピングセンター(SC。ショッピングモールとも呼ばれる)や総合スーパーが全国に建設され、消費者も市街地の商店街からSCに移動した。同社はこの波に出遅れた。同社が小売事業に切り替えて以降、2007年までは業態は「Jeans Mate」の1業態であった。2008年から「ゼログラビティ」に始まり「Happy Door」、「ワケあり本舗」、「blue bell market」など新業態を矢継ぎ早に打ち出したが、これは同社がSCへ出店する際に、先行するジーンズ専門小売との競合を回避するためという要素が多分に含まれていた。

ジーンズをめぐる消費者の行動の変化と店舗展開におけるSC対応の遅れに苦しんでいたところにリーマンショックが起きて国内景気が大きく落ち込み、浮上のきっかけをつかめずにいたというのが2008年2月期から2017年2月期までの10年間だった。しかし低迷の原因が明確であるため、そこに手を打つことで再浮上するチャンスはあるとみられていた。2017年2月のRIZAPグループ入りに際して第三者割当増資によって再生のための資金を獲得し、2018年3月期と2019年3月期の2期間を構造改革期と位置付けて収益体質の改善を急いでいるというのが現在の同社だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)



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