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ミロク情報 Research Memo(7):21年3月期に売上高500億円、経常利益150億円を目指す

注目トピックス 日本株
■中期経営計画について

ミロク情報サービス<9928>は2018年3月期よりスタートしている第4次中期経営計画で最終年度となる2021年3月期の経営数値目標として、連結売上高500億円、経常利益率30%、ROE30%を掲げている。ERP事業の成長を中心に、新規事業領域で利益率の高いファイナンス・ネット事業の育成と効果的なM&Aを実行していくことで、目標を達成していく方針だ。2018年3月期実績から見れば売上高で1.8倍、経常利益で3.4倍と大幅成長となる。

1. ERP事業
ERP事業については、売上拡大、収益構造改革、コスト削減に向けた取り組みを推進していく。売上拡大施策としては、会計事務所のネットワーク拡大、新規顧客の開拓並びにクロスセル拡大、パートナー事業の強化を推進していく。また、収益構造改革ではストック型ビジネスとなるサービス収入を顧客数の積み上げによって拡大していくほか、クラウドサービスの拡充も進めていく。コスト削減施策としては、オフショア開発の推進による開発コストの削減に加えて、全社的なBPRへの取り組みにより業務効率の向上、1人当たり生産性の向上等を図っていく。

2. ファイナンス・ネット事業の拡大
ファイナンス・ネット事業については、事業承継支援サービス、ネット事業、bizskyプラットフォーム事業の育成に注力していく。事業承継支援サービスについては前述したとおりで、ネット事業に関しては現在、「bizocean」の広告収益が大半を占めているが、今後は「SPALO」の拡販や有料課金サービスの開発にも取り組んでいく方針となっている。

また、bizskyプラットフォーム事業ではクラウドサービスの拡充や地域金融機関との協業・API連携、クラウドベンダーとの協業を積極的に推進し、中小企業向け金融・ビジネスプラットフォームとして付加価値を高め、収益化していく戦略となっている。ただ、地域金融機関とのAPI連携が2020年前後と当初想定よりも遅れる見込みで、API連携によって実現可能となる各種FinTechサービスについても同様に開始時期が遅れることから、地域金融機関との連携に関しては現在、事業承継支援サービスやERPの販売見込み顧客の紹介等、他事業での協業を先行して進めている。

bizsky上では2016年以降、「楽たす振込」や「楽たす給与振込」、「Edge Tracker(エッジトラッカー)」※1、「MJSお金の管理」※2等のサービスを提供しており、2018年4月には中小企業、小規模企業、個人事業主を対象とした「かんたんクラウド会計」「かんたんクラウド給与」等の「かんたんクラウドシリーズ」を、同年11月には「かんたんクラウドシリーズ」の機能拡充版の提供を開始している。また、同年11月には子会社のMWIが提供するアカウントアグリゲーションサービス「Account Tracker(アカウントトラッカー)」※3がLINE Pay(株)の提供する家計簿・資産管理サービス「LINE家計簿」に採用され、連携を開始したことを発表している。今回の「Account Tracker」導入により「LINE」ユーザーは、日々の支出・収入状況や資産データの管理が「LINE」上で可能となり、決済・管理というお金の流れを可視化できるようになる。ビジネスモデルとしては、MWIがLINE Payから毎月一定額の利用料を徴収する格好となる。個人が「LINE」で家計簿を付けるようになるかどうかは未知数だが、「LINE」の利用ユーザー数は国内で7,600万人超と大きいだけに今後の動向が注目される。

※1 中堅・中小企業の従業員向けクラウドサービスで、2017年10月にリリース。ERPシステムとの連携により、勤怠管理、給与明細参照等の管理業務の「リアルタイム・時短・見える化」を実現し、従業員の業務効率化と同時に、スピーディーな経営情報の活用を可能とした。マルチデバイスに対応している。
※2 複数の金融機関口座の入出金データ等の取引情報データを自動収集し、お金の流れをPCやスマートフォンで簡単に記録できるスマート通帳型サービス。2018年3月に提供開始した。同社が会計事務所向けに提供する「ACELINK NX-Pro」と連携しており、会計事務所は同サービスを活用する顧問先企業の収支状況を迅速に把握することが可能となる。会計事務所にとっては、顧問先企業へのタイムリーな経営指導や決算業務の早期化等、サービス向上につながることになり、会計事務所向けの支援サービスとも言える。このため、利用料は無料で提供している。
※3 アカウントアグリゲーションとは、異なる金融機関の複数の口座情報を一元管理するサービス。Account Trackerを導入することにより、各金融機関の口座の取引明細や残高を自動的に取得することが可能となるため、利用者は自身が持つそれぞれの金融機関のWebサービスのID・パスワードを都度入力することなく複数の金融アカウント情報を一目で確認できるようになる。


3. 戦略投資
戦略投資として、M&A等も検討している。対象としては、ERP事業、あるいはファイナンス・ネット事業においてシナジー効果が期待できる企業となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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