リネットジャパン Research Memo(1):3つの事業を柱とする新たな成長ステージへと突き進む
[19/01/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
1. 会社概要
リネットジャパングループ<3556>は、「ビジネスの力で、社会課題を解決する。」をミッションに掲げ、「ネットリユース事業」、「ネットリサイクル事業」、「カンボジア事業」の3つの事業を展開している。創業以来の主力である「ネットリユース事業」は、インターネット専業の「ネットオフ」ブランドで買取・販売サービスを手掛けており、会員基盤は国内最大級の約276万人に上る。一方、2014年より開始した「ネットリサイクル事業」は、小型家電リサイクル法の許認可取得により、「リネット」ブランドにて宅配便を活用した回収サービスを提供している。全国の自治体との提携や独自のプラットフォームに特徴があり、いわゆる「都市鉱山」として知られている潜在市場の大きさなどから、今後の成長ドライバーとして位置付けられる。また、2018年9月期より本格的に立ち上がってきた「カンボジア事業」についても、成長と規模が期待できる領域で、1)車両販売事業、2)マイクロファイナンス事業、3)リース事業、4)人材送出し事業の4つの事業を展開している。足元では「ネットリサイクル事業」の伸びに加え、「カンボジア事業」が急拡大しており、3つの事業を柱とする新たな成長ステージへと突き進んでいる。
2. 2018年9月期の業績
2018年9月期の業績は、売上高が前期比22.3%増の4,535百万円、経常利益が同3.5%増の48百万と増収及び経常増益となった。「ネットリユース事業」が堅調に推移した一方、「カンボジア事業」(車両販売)が大きく拡大した※。「ネットリサイクル事業」についても、意欲的な期初計画には届かなかったものの前期比2.5倍のペースで伸びている。利益面では、増収により売上総利益が増加した一方、「ネットリサイクル事業」における一時的なブランディング費用や本社移転費用等により経常利益は若干の増益にとどまった。また、経済発展が著しいカンボジアにおいて、マイクロファイナンス事業や人材送出し事業の立ち上げ、リース事業への参入に向けても大きな成果を残し、2019年9月期以降の業績拡大に期待が持てる。
※ なお、「カンボジア事業」については、決算未了による実績値の連結取り込み処理の期ずれ(3ヶ月分)が発生しており、その分を加味すれば、業績の伸びはさらに上乗せされる。
3. 2019年9月期の業績見通し
2019年9月期の業績予想について同社は、売上高を前期比54.9%増の7,028百万円、経常利益を前期比727.3%増の404百万円と大幅な増収増益を見込んでいる。売上高は、「カンボジア事業」の大幅な拡大が増収に寄与する見通しである。特に、1)前期からの期ずれ分がスライドされることや、2)2019年9月期から連結化されるマイクロファイナンスやリース(2019年春頃の連結化を予定)が上乗せされること、3)旺盛な需要に支えられて、好調であった車両販売がさらに拡大する見通しであることが、「カンボジア事業」の大幅な拡大を裏付ける前提となっている。また、メダルプロジェクト※の本格化により「ネットリサイクル事業」も順調に拡大する見通しである。利益面では、引き続き、「ネットリユース事業」が安定的な収益を生み出す一方、「カンボジア事業」の拡大による収益の大幅な底上げや「ネットリサイクル事業」の損益改善が大幅な経常増益に寄与するとともに、経常利益率も5.7%(前期は1.1%)に改善する見通しである。弊社でも、前提条件に無理がないことから、同社の業績予想の達成は十分に可能であるとみている。むしろ、経済成長の著しい「カンボジア事業」が、2018年9月期同様、業績の上振れ要因になる可能性があり、四半期ごとの業績の推移を注意深く見守る必要がある。また、「ネットリサイクル事業」についてもメダルプロジェクトの進捗(認知や機運の高まり)によっては想定を上回る可能性も考えられる。
※ 2020年東京オリンピック・パラリンピックにおける入賞メダルを小型家電リサイクル由来の金・銀・銅で製作するプロジェクトのこと。
4. 成長戦略
同社の中長期的な成長軸は、「カンボジア事業」の大幅な伸長、「ネットリサイクル事業」での雇用及び業容拡大、「ネットリユース事業」での安定収益確保の3つであり、収益構造の転換と成長加速を目指している。特に、今後の成長に向けて、1)カンボジアと言えば、リネット(日系企業を代表する存在を目指す)、2)国内の人手不足問題解決への取り組みを加速(日本の人手不足をカンボジアでの就労支援で解決)、3)障がい者雇用モデルの拡大(PC解体現場での障がい者の雇用促進)を重点項目に掲げ、更なる事業拡大と社会貢献に取り組む方針である。弊社でも、経済成長が著しく、同社独自のネットワークやノウハウに優位性がある「カンボジア事業」が、これからの同社の成長を大きくけん引するものと評価している。また、都市鉱山として潜在市場が大きい上、参入障壁が高く、競合のないビジネスモデルである「ネットリサイクル事業」についても、メダルプロジェクトの進展等により成長する余地は大きい。最大の注目点は、今後の事業拡大のペースや収益構造の転換、財務内容に及ぼす影響をどう読み取るかにある。また、新たなM&Aや新規事業の展開も上乗せ要因として注意する必要があろう。その一方で、新たに発生するリスク要因(与信管理や為替リスク等)のほか、何が成長を妨げる制約(ボトルネック)になるのかについても注意深く見守る必要がある。
■Key Points
・2018年9月期業績は大幅な増収及び経常増益を実現
・本格参入した「カンボジア事業」(車両販売)が大きく拡大したほか、「ネットリサイクル事業」も前期比2.5倍のペースで順調に伸びている
・カンボジアにおけるマイクロファイナンス事業及び人材送出し事業の立ち上げ、リース事業への参入に向けても大きな成果を残した
・2019年9月期の業績は「カンボジア事業」の拡大等により大幅な増収増益を見込んでいる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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1. 会社概要
リネットジャパングループ<3556>は、「ビジネスの力で、社会課題を解決する。」をミッションに掲げ、「ネットリユース事業」、「ネットリサイクル事業」、「カンボジア事業」の3つの事業を展開している。創業以来の主力である「ネットリユース事業」は、インターネット専業の「ネットオフ」ブランドで買取・販売サービスを手掛けており、会員基盤は国内最大級の約276万人に上る。一方、2014年より開始した「ネットリサイクル事業」は、小型家電リサイクル法の許認可取得により、「リネット」ブランドにて宅配便を活用した回収サービスを提供している。全国の自治体との提携や独自のプラットフォームに特徴があり、いわゆる「都市鉱山」として知られている潜在市場の大きさなどから、今後の成長ドライバーとして位置付けられる。また、2018年9月期より本格的に立ち上がってきた「カンボジア事業」についても、成長と規模が期待できる領域で、1)車両販売事業、2)マイクロファイナンス事業、3)リース事業、4)人材送出し事業の4つの事業を展開している。足元では「ネットリサイクル事業」の伸びに加え、「カンボジア事業」が急拡大しており、3つの事業を柱とする新たな成長ステージへと突き進んでいる。
2. 2018年9月期の業績
2018年9月期の業績は、売上高が前期比22.3%増の4,535百万円、経常利益が同3.5%増の48百万と増収及び経常増益となった。「ネットリユース事業」が堅調に推移した一方、「カンボジア事業」(車両販売)が大きく拡大した※。「ネットリサイクル事業」についても、意欲的な期初計画には届かなかったものの前期比2.5倍のペースで伸びている。利益面では、増収により売上総利益が増加した一方、「ネットリサイクル事業」における一時的なブランディング費用や本社移転費用等により経常利益は若干の増益にとどまった。また、経済発展が著しいカンボジアにおいて、マイクロファイナンス事業や人材送出し事業の立ち上げ、リース事業への参入に向けても大きな成果を残し、2019年9月期以降の業績拡大に期待が持てる。
※ なお、「カンボジア事業」については、決算未了による実績値の連結取り込み処理の期ずれ(3ヶ月分)が発生しており、その分を加味すれば、業績の伸びはさらに上乗せされる。
3. 2019年9月期の業績見通し
2019年9月期の業績予想について同社は、売上高を前期比54.9%増の7,028百万円、経常利益を前期比727.3%増の404百万円と大幅な増収増益を見込んでいる。売上高は、「カンボジア事業」の大幅な拡大が増収に寄与する見通しである。特に、1)前期からの期ずれ分がスライドされることや、2)2019年9月期から連結化されるマイクロファイナンスやリース(2019年春頃の連結化を予定)が上乗せされること、3)旺盛な需要に支えられて、好調であった車両販売がさらに拡大する見通しであることが、「カンボジア事業」の大幅な拡大を裏付ける前提となっている。また、メダルプロジェクト※の本格化により「ネットリサイクル事業」も順調に拡大する見通しである。利益面では、引き続き、「ネットリユース事業」が安定的な収益を生み出す一方、「カンボジア事業」の拡大による収益の大幅な底上げや「ネットリサイクル事業」の損益改善が大幅な経常増益に寄与するとともに、経常利益率も5.7%(前期は1.1%)に改善する見通しである。弊社でも、前提条件に無理がないことから、同社の業績予想の達成は十分に可能であるとみている。むしろ、経済成長の著しい「カンボジア事業」が、2018年9月期同様、業績の上振れ要因になる可能性があり、四半期ごとの業績の推移を注意深く見守る必要がある。また、「ネットリサイクル事業」についてもメダルプロジェクトの進捗(認知や機運の高まり)によっては想定を上回る可能性も考えられる。
※ 2020年東京オリンピック・パラリンピックにおける入賞メダルを小型家電リサイクル由来の金・銀・銅で製作するプロジェクトのこと。
4. 成長戦略
同社の中長期的な成長軸は、「カンボジア事業」の大幅な伸長、「ネットリサイクル事業」での雇用及び業容拡大、「ネットリユース事業」での安定収益確保の3つであり、収益構造の転換と成長加速を目指している。特に、今後の成長に向けて、1)カンボジアと言えば、リネット(日系企業を代表する存在を目指す)、2)国内の人手不足問題解決への取り組みを加速(日本の人手不足をカンボジアでの就労支援で解決)、3)障がい者雇用モデルの拡大(PC解体現場での障がい者の雇用促進)を重点項目に掲げ、更なる事業拡大と社会貢献に取り組む方針である。弊社でも、経済成長が著しく、同社独自のネットワークやノウハウに優位性がある「カンボジア事業」が、これからの同社の成長を大きくけん引するものと評価している。また、都市鉱山として潜在市場が大きい上、参入障壁が高く、競合のないビジネスモデルである「ネットリサイクル事業」についても、メダルプロジェクトの進展等により成長する余地は大きい。最大の注目点は、今後の事業拡大のペースや収益構造の転換、財務内容に及ぼす影響をどう読み取るかにある。また、新たなM&Aや新規事業の展開も上乗せ要因として注意する必要があろう。その一方で、新たに発生するリスク要因(与信管理や為替リスク等)のほか、何が成長を妨げる制約(ボトルネック)になるのかについても注意深く見守る必要がある。
■Key Points
・2018年9月期業績は大幅な増収及び経常増益を実現
・本格参入した「カンボジア事業」(車両販売)が大きく拡大したほか、「ネットリサイクル事業」も前期比2.5倍のペースで順調に伸びている
・カンボジアにおけるマイクロファイナンス事業及び人材送出し事業の立ち上げ、リース事業への参入に向けても大きな成果を残した
・2019年9月期の業績は「カンボジア事業」の拡大等により大幅な増収増益を見込んでいる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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