ハウスコム Research Memo(6):中期経営計画はやや保守的。新店計画、外国人対応強化等さらなる成長に期待
[19/01/29]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■中長期の成長戦略
(1) 中期経営計画(現在初年度)
ハウスコム<3275>は2019年3月期を初年度、3年後の2021年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定している。3年後の2021年3月期に営業収益で12,420百万円、営業利益1,180百万円、期末店舗数195店舗を目標としている。2018年3月期の実績と比較すると、営業収益で1.15倍、営業利益で1.10倍、店舗数でも1.19倍となる。過去4回の中期経営計画はいずれも前倒しに達成しており、今回も保守的な計画値と見た方がよい。あくまで弊社試算ではあるが、店舗数の増加(31店舗増)ペースで成長すると、売上高で131.6億円前後※まで到達すると推計できる。
※賃貸仲介事業(リフォーム事業除く)の売上高は2018年3月期実績を基準値に店舗数と同じペースで成長すると仮定。リフォーム事業の売上高は2019年3月期の予想売上高(上期実績を2倍)を基準値に店舗数と同じペースで成長すると仮定。
「2021年3月期の姿」と題するビジョンは「賃貸サービス業における成長企業として、新たな姿をデザインする」である。“デザイン”という言葉には、「お客様のライフプランをデザインする」という意味と「ハウスコムらしさをデザインする」という意味が含まれる。賃貸仲介業界の先端を行く同社だけに、従来のやり方にとらわれない成長モデル姿を描けるかが注目される。4つの重点施策1)既存店の競争力強化、2)新規出店による規模の拡大、3)新商品・新規事業による収益源の多様化、4)成長を支える内部体制、に変わりはなく、競争力と成長力を兼ね備えた強い企業を目指す。また、経営の方向性として「将来的な東証本則市場への市場変更を視野に入れて経営管理体制の強化を図る」という目標を継続する。
(2) 収益構造の多様化:リフォーム事業の拡大
2016年3月期から本格的にスタートしたリフォーム事業は、4年目を迎え、本格的な成長期に入った。2019年3月期第2四半期の営業収益は410百万円(前年同期は195百万円)と倍増の勢いだ。船橋、川口、立川とリフォーム営業所を増やしてきた同社だが、2018年3月期は一気に3営業所(横浜、静岡、名古屋)を開設。2018年6月には7営業所目になる太田店(群馬県)を新設した。元々「大家さんへのお役立ち」を主目的として開始されたサービスではあるが、案件をこなすなかでメニューも増え、運営も効率化され、既に黒字化している。今後は、現在主体となっている“空室を埋めるための軽微なリフォーム”に加え、“資産価値を大幅に高めるための本格リフォーム”を増やしていく方針である。
(3) 外国人対応の強化
日本国内で居住する外国人は年々増えてきた。2019年4月施行の改正入国管理法により、今後も増加トレンドは続くと予想される。同社はこれまでも、外国人の顧客に向けた賃貸仲介サービスを行ってきたが、今後は外国人の存在感が増す可能性が高い。メールの反響(問い合わせ)数で見ると、2015年3月期に4,694件(全メール反響の2.1%)だったが、2018年3月期には13,042件(全メール反響の4.7%)と3年間で倍増した。2019年3月期も第3四半期までの累計で10,929(全メール反響の5.1%)と過去最高を更新する勢いだ。社内体制の強化も急ぐ。2018年4月以降、外国人従業員を14名増やした(新卒、中途、パート採用を含む)。国籍は中国、ベトナム、ネパール、ブラジル、ロシア、デンマーク、韓国など多国籍だ。2019年4月の新卒新入社員133名のうち外国人従業員は7名(ベトナム、中国、タイ、韓国)の予定である。多言語での対応ができる業界内プレーヤーは限られており、同社の競争力が更に増すことになろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
<RF>
(1) 中期経営計画(現在初年度)
ハウスコム<3275>は2019年3月期を初年度、3年後の2021年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定している。3年後の2021年3月期に営業収益で12,420百万円、営業利益1,180百万円、期末店舗数195店舗を目標としている。2018年3月期の実績と比較すると、営業収益で1.15倍、営業利益で1.10倍、店舗数でも1.19倍となる。過去4回の中期経営計画はいずれも前倒しに達成しており、今回も保守的な計画値と見た方がよい。あくまで弊社試算ではあるが、店舗数の増加(31店舗増)ペースで成長すると、売上高で131.6億円前後※まで到達すると推計できる。
※賃貸仲介事業(リフォーム事業除く)の売上高は2018年3月期実績を基準値に店舗数と同じペースで成長すると仮定。リフォーム事業の売上高は2019年3月期の予想売上高(上期実績を2倍)を基準値に店舗数と同じペースで成長すると仮定。
「2021年3月期の姿」と題するビジョンは「賃貸サービス業における成長企業として、新たな姿をデザインする」である。“デザイン”という言葉には、「お客様のライフプランをデザインする」という意味と「ハウスコムらしさをデザインする」という意味が含まれる。賃貸仲介業界の先端を行く同社だけに、従来のやり方にとらわれない成長モデル姿を描けるかが注目される。4つの重点施策1)既存店の競争力強化、2)新規出店による規模の拡大、3)新商品・新規事業による収益源の多様化、4)成長を支える内部体制、に変わりはなく、競争力と成長力を兼ね備えた強い企業を目指す。また、経営の方向性として「将来的な東証本則市場への市場変更を視野に入れて経営管理体制の強化を図る」という目標を継続する。
(2) 収益構造の多様化:リフォーム事業の拡大
2016年3月期から本格的にスタートしたリフォーム事業は、4年目を迎え、本格的な成長期に入った。2019年3月期第2四半期の営業収益は410百万円(前年同期は195百万円)と倍増の勢いだ。船橋、川口、立川とリフォーム営業所を増やしてきた同社だが、2018年3月期は一気に3営業所(横浜、静岡、名古屋)を開設。2018年6月には7営業所目になる太田店(群馬県)を新設した。元々「大家さんへのお役立ち」を主目的として開始されたサービスではあるが、案件をこなすなかでメニューも増え、運営も効率化され、既に黒字化している。今後は、現在主体となっている“空室を埋めるための軽微なリフォーム”に加え、“資産価値を大幅に高めるための本格リフォーム”を増やしていく方針である。
(3) 外国人対応の強化
日本国内で居住する外国人は年々増えてきた。2019年4月施行の改正入国管理法により、今後も増加トレンドは続くと予想される。同社はこれまでも、外国人の顧客に向けた賃貸仲介サービスを行ってきたが、今後は外国人の存在感が増す可能性が高い。メールの反響(問い合わせ)数で見ると、2015年3月期に4,694件(全メール反響の2.1%)だったが、2018年3月期には13,042件(全メール反響の4.7%)と3年間で倍増した。2019年3月期も第3四半期までの累計で10,929(全メール反響の5.1%)と過去最高を更新する勢いだ。社内体制の強化も急ぐ。2018年4月以降、外国人従業員を14名増やした(新卒、中途、パート採用を含む)。国籍は中国、ベトナム、ネパール、ブラジル、ロシア、デンマーク、韓国など多国籍だ。2019年4月の新卒新入社員133名のうち外国人従業員は7名(ベトナム、中国、タイ、韓国)の予定である。多言語での対応ができる業界内プレーヤーは限られており、同社の競争力が更に増すことになろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
<RF>