RIZAPーG Research Memo(1):早期の収益回復に向け、抜本的な構造改革に取り組む
[19/01/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
RIZAPグループ<2928>は『自己投資産業』を事業ドメインとして、M&Aを積極活用しながら業容を拡大させてきた。2016年に純粋持株会社体制に移行し、上場子会社9社を含むグループ企業85社を擁して、美容・ヘルスケア、ライフスタイル、プラットフォームの3領域で事業を展開している。
1. 子会社の収益回復の遅れで業績見通しを下方修正。抜本的な構造改革に取り組む
同社の2019年3月期第2四半期決算は、売上収益こそ7期連続で過去最高を更新したものの営業利益は8,829百万円の赤字となった。過去1年以内にグループ入りした企業や事業を中心に、収益の回復が計画よりも遅れたことが主因だ。これを受けて同社は、グループ企業・事業について可及的速やかに業績を回復させることが経営の最優先課題として、抜本的な構造改革に取り組むことを決断した。またこれに合わせて2019年3月期通期の業績予想を下方修正し、連結営業利益見通しを期初の230億円の営業利益から33億円の営業損失へと263億円引き下げた。
2. “既存事業の経営再建”と“事業の選択と集中”が構造改革の2本柱
同社が取り組む構造改革の具体的取り組みとして5つの事項が掲げられているが、大きく捉えれば、「新規M&Aを原則凍結し、既存事業の経営再建に集中して取り組む」ことと、「経営再建の過程においては、事業の選択と集中を断行する」ことの2つに集約できる。この構造改革の第1弾として同社が公表したのはコーポレートガバナンス改革だ。その内容は取締役会の改革による経営と執行の分離で、取締役会については人数が大幅に削減され過半数を社外取締役が占める体制となった。一方で代表取締役の瀬戸健(せとたけし)氏と構造改革担当の松本晃(まつもとあきら)氏は取締役として残り、構造改革に実を伴った形で推進する枠組みができたと考えられる。経営再建の進捗や事業の選択と集中の具体的内容についても、2018年11月13日に子会社であるSDエンターテイメントのGAME・ボウリング・シネマ事業の会社分割による事業譲渡、2019年1月25日にジャパンゲートウェイの株式譲渡を発表しており、今後のさらなる発表を待ちたい。
3. 収益の早期回復に向けてハードランディング策を採用した自信と覚悟に期待
今回の同社の一連の施策の中で、弊社が注目するのは同社が今回の危機に際して“ハードランディング”を採用したことだ。これを実行するには相応の体力と収益回復シナリオが必要な一方、成功の保証はない。同社は成功に相当の自信と覚悟を有していると考えられる。収益回復はボディメイクを中心としたRIZAP関連事業が担うことになるが、ここは新規会員数の順調な増加が続いているもようだ。ここを着実に伸ばす一方、出血事業やシナジーを見込めない事業について的確に選択と集中を行うことができれば、同社の収益回復シナリオが現実になってくると期待される。
■Key Points
・グループ会社の経営再建や事業の選択と集中などを骨子とする抜本的構造改革に取り組む
・ハードランディング策の採用は業績回復への強い意思と自信の表れ
・ボディメイクは新規会員の順調な増加が継続。ゴルフ・英語も収益貢献が視野に入った状況
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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1. 子会社の収益回復の遅れで業績見通しを下方修正。抜本的な構造改革に取り組む
同社の2019年3月期第2四半期決算は、売上収益こそ7期連続で過去最高を更新したものの営業利益は8,829百万円の赤字となった。過去1年以内にグループ入りした企業や事業を中心に、収益の回復が計画よりも遅れたことが主因だ。これを受けて同社は、グループ企業・事業について可及的速やかに業績を回復させることが経営の最優先課題として、抜本的な構造改革に取り組むことを決断した。またこれに合わせて2019年3月期通期の業績予想を下方修正し、連結営業利益見通しを期初の230億円の営業利益から33億円の営業損失へと263億円引き下げた。
2. “既存事業の経営再建”と“事業の選択と集中”が構造改革の2本柱
同社が取り組む構造改革の具体的取り組みとして5つの事項が掲げられているが、大きく捉えれば、「新規M&Aを原則凍結し、既存事業の経営再建に集中して取り組む」ことと、「経営再建の過程においては、事業の選択と集中を断行する」ことの2つに集約できる。この構造改革の第1弾として同社が公表したのはコーポレートガバナンス改革だ。その内容は取締役会の改革による経営と執行の分離で、取締役会については人数が大幅に削減され過半数を社外取締役が占める体制となった。一方で代表取締役の瀬戸健(せとたけし)氏と構造改革担当の松本晃(まつもとあきら)氏は取締役として残り、構造改革に実を伴った形で推進する枠組みができたと考えられる。経営再建の進捗や事業の選択と集中の具体的内容についても、2018年11月13日に子会社であるSDエンターテイメントのGAME・ボウリング・シネマ事業の会社分割による事業譲渡、2019年1月25日にジャパンゲートウェイの株式譲渡を発表しており、今後のさらなる発表を待ちたい。
3. 収益の早期回復に向けてハードランディング策を採用した自信と覚悟に期待
今回の同社の一連の施策の中で、弊社が注目するのは同社が今回の危機に際して“ハードランディング”を採用したことだ。これを実行するには相応の体力と収益回復シナリオが必要な一方、成功の保証はない。同社は成功に相当の自信と覚悟を有していると考えられる。収益回復はボディメイクを中心としたRIZAP関連事業が担うことになるが、ここは新規会員数の順調な増加が続いているもようだ。ここを着実に伸ばす一方、出血事業やシナジーを見込めない事業について的確に選択と集中を行うことができれば、同社の収益回復シナリオが現実になってくると期待される。
■Key Points
・グループ会社の経営再建や事業の選択と集中などを骨子とする抜本的構造改革に取り組む
・ハードランディング策の採用は業績回復への強い意思と自信の表れ
・ボディメイクは新規会員の順調な増加が継続。ゴルフ・英語も収益貢献が視野に入った状況
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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