学研HD Research Memo(8):3セグメントが増収増益を達成し、9期連続増収・4期連続営業増益で着地
[19/01/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向と今後の見通し
1. 2018年9月期決算の概要
学研ホールディングス<9470>の2018年9月期決算は、売上高107,030百万円(前期比4.8%増)、営業利益3,652百万円(同8.0%増)、経常利益4,002百万円(同13.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,058百万円(同8.2%減)と増収増益で着地した。期初予想との比較では、売上高はほぼ予想どおりで着地し、各利益項目については期初予想を上回った。
同社は2009年10月の持株会社体制への移行で大きな区切りを迎えたが、売上高は持株会社体制移行後9期連続増収となり、営業利益は持株会社体制移行後の最高利益を更新し、4期連続増益となった。
(1) 教育サービス事業
教育サービス事業は売上高30,353百万円(前期比5.6%増)、営業利益1,392百万円(同9.1%増)と増収増益で着地した。
学研教室は他セグメントへの事業移管のほか教室数が微減となったことで減収となった。営業利益もそれに伴い減益となった。一方進学塾は、文理学院(2017年11月子会社化)の寄与で少子化による生徒数減少の影響などを吸収し、増収増益となった。
(2) 教育コンテンツ事業
教育コンテンツ事業は売上高30,059百万円(前期比3.4%減)、営業利益549百万円(同48.0%減)と減収減益で着地した。
出版はわずかながら減収減益となった。一般書やマルチメディアは増収となったものの、学習参考書で指導要領改訂準備のため新刊点数を抑制したことや雑誌の落ち込みが影響し、減収となった。営業利益も同様の要因で減益となった。出版以外の事業では、文具玩具が減収となったことなどにより減収となった。営業利益については、映像授業の学研プライムゼミやデジタル教材の学研ゼミの損益が悪化したことや、英語教育事業の先行費用の発生などにより、営業損失額が前期から拡大した。
教育コンテンツ事業で注目すべきは、そのサブセグメントの利益の差だ。出版事業は20億円超の営業利益を稼ぐ一方、出版以外の事業で16億円近い営業損失を出している。この出血を止めることができれば、教育コンテンツ事業の利益水準は一気に拡大することになる。中期経営計画の項で述べたように、2019年9月期はこの部分にしっかりとメスを入れるもようだ。
(3) 教育ソリューション事業
教育ソリューション事業は売上高18,928百万円(前期比5.8%増)、営業利益646百万円(同271.3%増)と増収・大幅増益となった。
幼児教育は園舎建て替えの受注の増加や教師用ユニフォームの好調などで増収となり、それに伴って営業利益も増益となった。学校教育では小学校・道徳の教科書の採択があったことで増収・営業利益黒字転換となった。
(4) 医療福祉サービス事業
医療福祉サービス事業は売上高24,415百万円(前期比13.9%増)、営業利益1,036百万円(同18.9%増)と増収増益で着地した。
高齢者支援事業(介護)では7事業所を開業し、3事業所を承継して総戸数が増加し、入居率も上昇したことで増収増益となった。子育て支援事業(保育)では保育園3施設を開園し、学童保育4ヶ所を受託した。また既存施設の充足率も上昇したことで増収となった。利益面では求人募集費用の増加によって増益率が圧縮された。医学看護出版事業(医療)は看護師向けe-ラーニングの契約病院数が順調に伸長したほか新国家資格である公認心理師の関連書籍の売上増で増収増益となった。
グループ全体では2019年9月期は事業構造改革で緩やかな伸びとなるも、2020年9月期はオーガニックグロースと既存事業や新規事業の収益性改善で営業利益50億円を目指す。
2. 2019年9月期及び2020年9月期の業績見通し
中期経営計画の項で述べたように、同社は『Gakken 2020』の業績計画として、2019年9月期は売上高135,000百万円(前期比26.1%増)、営業利益3,800百万円(同4.0%増)を、2020年9月期については売上高140,000百万円(同3.7%増)、営業利益5,000百万円(同31.6%増)を、それぞれ計画している。
(1) 2019年9月期の計画
2019年9月期の業績計画は事業分野・セグメント別で明暗がはっきりと分かれている。教育分野は全体として減収減益の見通しで、その内訳としての3つのセグメントはいずれも減収減益の予想となっている。一方、医療福祉分野の医療福祉サービスセグメントは大幅な増収増益となっている。
(2) 2020年9月期の計画
2020年9月期は教育分野が一転して増収増益に転じるほか、医療福祉サービス事業も増収増益が続き、全社ベースの営業利益は50億円の大台に到達する計画となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
<MH>
1. 2018年9月期決算の概要
学研ホールディングス<9470>の2018年9月期決算は、売上高107,030百万円(前期比4.8%増)、営業利益3,652百万円(同8.0%増)、経常利益4,002百万円(同13.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,058百万円(同8.2%減)と増収増益で着地した。期初予想との比較では、売上高はほぼ予想どおりで着地し、各利益項目については期初予想を上回った。
同社は2009年10月の持株会社体制への移行で大きな区切りを迎えたが、売上高は持株会社体制移行後9期連続増収となり、営業利益は持株会社体制移行後の最高利益を更新し、4期連続増益となった。
(1) 教育サービス事業
教育サービス事業は売上高30,353百万円(前期比5.6%増)、営業利益1,392百万円(同9.1%増)と増収増益で着地した。
学研教室は他セグメントへの事業移管のほか教室数が微減となったことで減収となった。営業利益もそれに伴い減益となった。一方進学塾は、文理学院(2017年11月子会社化)の寄与で少子化による生徒数減少の影響などを吸収し、増収増益となった。
(2) 教育コンテンツ事業
教育コンテンツ事業は売上高30,059百万円(前期比3.4%減)、営業利益549百万円(同48.0%減)と減収減益で着地した。
出版はわずかながら減収減益となった。一般書やマルチメディアは増収となったものの、学習参考書で指導要領改訂準備のため新刊点数を抑制したことや雑誌の落ち込みが影響し、減収となった。営業利益も同様の要因で減益となった。出版以外の事業では、文具玩具が減収となったことなどにより減収となった。営業利益については、映像授業の学研プライムゼミやデジタル教材の学研ゼミの損益が悪化したことや、英語教育事業の先行費用の発生などにより、営業損失額が前期から拡大した。
教育コンテンツ事業で注目すべきは、そのサブセグメントの利益の差だ。出版事業は20億円超の営業利益を稼ぐ一方、出版以外の事業で16億円近い営業損失を出している。この出血を止めることができれば、教育コンテンツ事業の利益水準は一気に拡大することになる。中期経営計画の項で述べたように、2019年9月期はこの部分にしっかりとメスを入れるもようだ。
(3) 教育ソリューション事業
教育ソリューション事業は売上高18,928百万円(前期比5.8%増)、営業利益646百万円(同271.3%増)と増収・大幅増益となった。
幼児教育は園舎建て替えの受注の増加や教師用ユニフォームの好調などで増収となり、それに伴って営業利益も増益となった。学校教育では小学校・道徳の教科書の採択があったことで増収・営業利益黒字転換となった。
(4) 医療福祉サービス事業
医療福祉サービス事業は売上高24,415百万円(前期比13.9%増)、営業利益1,036百万円(同18.9%増)と増収増益で着地した。
高齢者支援事業(介護)では7事業所を開業し、3事業所を承継して総戸数が増加し、入居率も上昇したことで増収増益となった。子育て支援事業(保育)では保育園3施設を開園し、学童保育4ヶ所を受託した。また既存施設の充足率も上昇したことで増収となった。利益面では求人募集費用の増加によって増益率が圧縮された。医学看護出版事業(医療)は看護師向けe-ラーニングの契約病院数が順調に伸長したほか新国家資格である公認心理師の関連書籍の売上増で増収増益となった。
グループ全体では2019年9月期は事業構造改革で緩やかな伸びとなるも、2020年9月期はオーガニックグロースと既存事業や新規事業の収益性改善で営業利益50億円を目指す。
2. 2019年9月期及び2020年9月期の業績見通し
中期経営計画の項で述べたように、同社は『Gakken 2020』の業績計画として、2019年9月期は売上高135,000百万円(前期比26.1%増)、営業利益3,800百万円(同4.0%増)を、2020年9月期については売上高140,000百万円(同3.7%増)、営業利益5,000百万円(同31.6%増)を、それぞれ計画している。
(1) 2019年9月期の計画
2019年9月期の業績計画は事業分野・セグメント別で明暗がはっきりと分かれている。教育分野は全体として減収減益の見通しで、その内訳としての3つのセグメントはいずれも減収減益の予想となっている。一方、医療福祉分野の医療福祉サービスセグメントは大幅な増収増益となっている。
(2) 2020年9月期の計画
2020年9月期は教育分野が一転して増収増益に転じるほか、医療福祉サービス事業も増収増益が続き、全社ベースの営業利益は50億円の大台に到達する計画となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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