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システム ディ Research Memo(7):公共分野やクラウドサービスに注力し、成長を目指す

注目トピックス 日本株
■中期経営計画と進捗状況

1. 新中期経営計画『Stage Up Twenty』の概要
システム ディ<3804>は2018年10月期の期初に、2020年10月期までの新たな3ヶ年中期経営計画『Stage Up Twenty』を発表した。この新3ヶ年中期経営計画の着実な達成により中期的成長の実現を目指している。

新中期経営計画の詳細な内容は、2018年7月17日付の前回レポートで詳述したので、それを参照頂きたいが、ポイントは、前中期経営計画からの『Value & Volume Business』戦略を成長戦略のベースとして継続した上で、新たに1)公共向けビジネスの拡大、2)クラウドサービスの一段の強化、3)BtoCビジネスの本格的な展開の3つを注力分野として取り組みを強化していくという点にある。

業績計画としては、初年度の2018年10月期において経常利益4億円をスタートに、各年1億円ずつ利益を積み上げ、最終年度の2020年10月期に経常利益6億円を計画している。ただしこれらはあくまで中期経営計画の各年度の目標値で、各期の業績予想はこれらの計画値を若干下回る数値を掲げてきている点には注意が必要だ。

初年度の2018年10月期は、前述のように、売上高3,399百万円(前期比10.7%減)、経常利益389百万円(同12.5%増)で着地した。経常利益の期初予想は380百万円だったがそれを上回り中期経営計画の業績目標の400百万円に迫った。現行中期経営計画は順調な滑り出しを見せたと言うことができよう。

2019年10月期以降については業績計画や3つの取り組み事項の大枠には変化はないが、具体的な注力ポイントの表現に少し変化がみられる。2年目の2019年10月期では“次世代パッケージソフトの開発”と“地域創生”が掲げられている。前者は学園ソリューション事業の新製品のことともみられるが、他の事業セグメントにおいても新製品開発が進められている可能性がある。後者の地域創生は公会計ソリューション事業の新製品である『創生』の拡販とそれを通じた地方への貢献を念頭に置いているとみられる。

2020年10月期には“AI・IoT・ビッグデータ活用による新しいソリューションの提供”と“新規事業展開”が掲げられているが、これらに関する具体的内容は現時点では開示されておらず、今後の展開を待たねばならない状況だ。


公会計・公教育分野の順調な進捗に加え、ウェルネスソリューション事業の公共向けビジネスが着実に拡大
2. 「公共向けビジネスの拡大」の進捗状況
公共向けビジネスの拡大というのは、事業領域の水平展開により成長を目指す取り組みだ。同社の公共向けビジネスは、2014年10月期から本格的にスタートした。地方自治体等公共団体の会計方式(公会計)の複式簿記・発生主義への移行をターゲットとした公会計ソリューション事業と、公立学校における校務支援サービスの提供を行う公教育ソリューション事業の2つだ。これらはいずれも黒字化して収益に大きく貢献するに至っている。この成功体験をもとに、公共向けの製品・サービスを強化し、収益拡大につなげようというのがこの取り組みの主旨だ。

公共向けビジネスの中核である公会計と公教育については事業部門別動向の項で述べたところと重なるので、そちらを参照いただきたい。他の事業部門における公共向けビジネスの進捗は以下のようになっている。

ウェルネスソリューション事業で提供するスポーツ施設向け会員管理システム『Hello EX』やアンチエイジングシステムの『Weldy Cloud』はこれまでに全国120の地方公共団体が運営するスポーツ施設に導入されている。同事業では新製品の『Hello Fun』をリリースしたがこれも公共向けに収益拡大が期待される。これはテーマパークや文化施設の運営支援システムで、想定される事業所には博物館や美術館など公共施設が含まれている。業務運営の効率化や経費削減の観点から地方自治体からの引き合いが多数来ているもようだ。

ソフトエンジニアリング事業でも、『規程管理システム』や『契約書作成・管理システム』などは地方自治体における公文書の管理に活用できるとして売り込みを強化していくとみられる。現状の製品をそのまま活用できないことも考えられるが、その場合には地方自治体の業務・ニーズに合った形で改修を行い、新製品としてリリースしてくる可能性もあるとみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)




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