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ソルクシーズ Research Memo(1):不採算プロジェクトが一巡し、2019年12月期の業績はV字回復へ

注目トピックス 日本株
■要約

ソルクシーズ<4284>は、ソフトウェア開発事業とデジタルサイネージ事業を展開する。ソフトウェア開発では金融業界向けの比率が高く、単独売上高の6割強を占める。また、業種・業務別に専門特化した子会社展開を図っており、その中の1社であるエクスモーション<4394>が2018年7月に東証マザーズ市場に上場している。

1. 2018年12月期業績概要
2018年12月期の連結業績は、売上高で前期比5.5%減の13,228百万円、経常利益で同88.5%減の78百万円と減収減益となり、会社計画(売上高13,600百万円、経常利益610百万円)に対しても下回る決算となった。特定顧客向けのシステム開発案件において、仕様変更等に起因する追加コストが発生(314百万円)したこと、また、同案件の収束を図るため人的リソースを優先して投入した結果、他の開発案件の取り込みが遅れたことなどが影響した。なお、特別損失としてソフトウェア資産の減損損失等467百万円を計上したが、エーアイ<4388>や子会社のエクスモーションの株式上場に伴う株式売却益728百万円を特別利益として計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比64.2%減の147百万円となった。

2. 2019年12月期業績見通し
2019年12月期の連結業績は、売上高で前期比5.8%増の14,000百万円、経常利益で同919.4%増の800百万円とV字回復する見通し。前期に発生した不採算プロジェクトの影響がなくなるほか、エクスモーションを始めとしたグループ子会社の収益も拡大する。今上期は前期に不採算プロジェクトの収束を優先するため受注活動を手控えていた影響により、売上高で前年同期比0.8%増の6,500百万円、経常利益で同9.2%増の250百万円と緩やかな回復にとどまるが、下期以降はこうした影響もなくなり収益回復もより一層鮮明化する。

3. 中期経営計画と注力分野の取組状況
同社は2021年12月に売上高16,000百万円、経常利益1,400百万円を目標とする中期経営計画を発表している。本業であるSI事業の競争力強化に取り組むと同時に、クラウド、IoT、自動運転、FinTech、AIの5つを重点分野として位置付け、積極的な事業展開を進めていく方針となっている。クラウドサービスでは「Fleekdrive」と「Fleekform」の事業を2019年内に分社化し、成長ペースを加速していく戦略となっている。また、IoTソリューションでは工場での「IoT/予知保全システム」や高齢者向け見守りサービス「いまイルモ」の導入を推進していく。自動運転に関しては子会社のエクスモーションで開発支援コンサルティングの2ケタ成長が続くほか、同社でも関連技術を取り込み自動車業界以外の顧客をターゲットに関連企業等と共同でソリューション展開していく方針となっている。FinTech分野では証券業界向けにブロックチェーン技術を活用したシステム開発の受注獲得に取り組んでいく。また、AI分野では2017年に出資した(株)アックスの技術・ノウハウをクラウドやIoT、自動運転等他の分野に活用することで、各分野での競争力を強化し、事業を拡大していく戦略となっている。また、2018年10月に「開発リソース・パートナー・プログラム」を締結したUiPath(株)のRPAプラットフォーム「UiPath(ユーアイパス)」の導入支援業務も開始しており、今後の売上貢献が期待される。

■Key Points
・金融業界向けを中心としたシステム開発事業が主力で、業種・業務特化型の子会社展開を進める
・2021年12月期に連結経常利益1,400百万円を目指す
・クラウドサービス、IoT、自動運転、FinTech、AIの5分野に注力し、成長を目指して行く方針

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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