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ソルクシーズ Research Memo(7):クラウドサービス、IoT、自動運転、FinTech、AIの5分野に注力

注目トピックス 日本株
■今後の成長戦略

2. 成長分野の取組状況
ソルクシーズ<4284>は今後の成長戦略として、クラウドサービス、IoT、自動運転、FinTech、AIの5分野に注力していく方針を掲げている。それぞれの分野での取組状況は、以下のとおりとなっている。

(1) クラウドサービス
クラウドサービスについては、企業向けに特化したオンラインストレージサービスである「Fleekdrive」、「Fleekform」の拡販に注力する。2018年12月期末の契約社数は前期末の約200社から約330社まで増加したが、第3四半期末時点で約250社だったため、第4四半期に増加ペースが加速した格好となっている。大企業向けだけでなく、インターネット経由で資料請求のあった中小企業からの契約が増えていることが要因と見られる。

競合サービスとしては世界大手のBoxがあるが、コラボレーション機能では同社が先行するなど機能面では遜色ないレベルにあり、また、ファイルごとの重要性を可視化できるようレーティング機能を付けるなど、利便性向上につながる機能開発も積極的に進めている。今後はAI技術も活用してワークフローの自動生成や、「Fleekform」における各種フォームの自動判定・編集機能を開発し、業務効率の大幅な向上を実現することで競争力の一段の強化を目指していく考えだ。海外戦略としては、2018年に豊田通商の子会社であるTTNIと販売代理店契約を結んでおり、同社もシンガポールに営業社員を常駐させているが、2019年はさらに増員する予定にしており、東南アジア市場で現地日系企業を中心に顧客を開拓していく方針となっている。

さらに、クラウドサービス事業については、2019年中に分社化する予定にしている。目的は、専業企業となることでブランディングを確立し、成長ペースを一段と加速していくことにある。クラウドサービス事業における当面の目標としては、2020年12月期の黒字化を掲げており、将来的には株式上場も視野に入れている。

(2) IoT
IoT分野ではセンサーを活用したソリューションサービスに関して、イー・アイ・ソルが「IoT/予知保全システム」を、同社が高齢者向け見守りサービス「いまイルモ」を提供している。「IoT/予知保全システム」は、工場の製造ラインにおける工作機械等の異常をIoT技術で事前に予知保全することを可能としたソリューションとなる。生産設備の状態を音/振動/電流等の各種データを計測・収集、解析することにより、異常時の判定をコンピュータ上で行い、アラームを通知するシステムとなる。計測デバイスはNational Instrumentsの「CompactRIO」を、上位管理ソフトにはBoschの「Production Performance Manager(PPM)」を用い、同社の組込ソリューション技術を組み合わせることで、顧客ごとに最適なIoTシステムを提供していくことになる。現状は大手メーカーの国内工場1拠点への導入にとどまっているが、今後、他の国内工場への横展開並びに、その取引先企業への受注獲得を目指して行くことになる。

高齢者向け見守りサービス「いまイルモ」については、各自治体や大手流通企業等からの問い合わせが増えているものの、まだ収益貢献するまでには時間がかかりそうだ。現在は、顧客ニーズを聞きながら各種機能の拡充を進めており、商品力を高めている段階となる。また、IoTソリューション分野でもAI導入の可能性に向けた取り組みを進めていくほか、重要となるエッジコンピューティングに向けたエンジニアリングの向上にも注力していく方針となっている。

(3) 自動運転
自動運転等の次世代車載システム分野は、豊田通商と資本業務提携を締結したことや子会社のエクスモーションが上場したこともあり、今後も更なる事業強化を推進していく方針となっている。エクスモーションでの高成長が期待できるほか、同社においても自動運転向けOS「Autoware」や各種技術の取り込みを積極的に行い、エンジニアを育成していくことで、新たなソリューションを提供していく予定にしている。

(4) FinTech
FinTech分野ではSBIグループで進めているブロックチェーン技術を活用した新たな金融システムの開発プロジェクトの受注獲得を目指している。SBIグループが中心となって現在、証券業界でブロックチェーン技術の導入を検討するコンソーシアムを立ち上げているが、同社も2019年2月に同コンソーシアムに参加したことを発表しており、今後、AI技術なども活用した新サービスの検証を進めていき、2020年以降に売上貢献するものと期待される。

また、2018年7月に資本業務提携を発表したベンチャー企業のジーフィットへの開発支援も強化していく予定となっている。具体的には、ジーフットのFXシステムトレード用アプリケーション運用サービス「シストレクラウド」※の開発支援を行うほか、今後は株式や暗号通貨向けシステムトレード用アプリケーションの開発も行っていく計画となっている。

※「シストレクラウド」は、顧客が利用するシステムトレード用アプリケーションを顧客に代わって導入・設定・保守・運用するサービスで、簡単にFXのシステムトレードが始められる次世代サービスとして注目を集めつつある。なお、同社はジーフィットに対して3.8%の出資を行ったが、2018年12月期業績が開発遅れの影響もあり計画を下回ったため、出資額に対して29百万円の減損処理を実施している。


(5) AI
AI分野では前述したアックスが持つ技術・ノウハウを自動運転やクラウドサービス、IoTといったその他の分野で活用することで、各ソリューションの付加価値並びに競争力を高め、それぞれの分野の成長を推進していく方針となっている。

また、2018年10月にRPA市場のリーディングカンパニーであるUiPath(ユーアイパス)の日本法人、UiPathと「開発リソース・パートナー・プログラム」を締結しており、今後、RPAプラットフォーム「UiPath」の導入企業に対して技術面でのサポートサービスを提供していく予定にしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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