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イントランス Research Memo(3):発想力と行動力で、“訳あり”物件を再生するプロ集団

注目トピックス 日本株
■事業概要

1. プリンシパルインベストメント事業
(1) 対象物件・企業
潜在的な価値を有しながらも、低稼働・未利用により有効活用されていない不動産を対象としている。過去に取得したエリアは首都圏を中心とするものの、エリアにはとらわれない。また物件タイプもオフィス、レジデンスだけでなく、ホテルや商業施設、更地にも投資する。2017年3月期には和歌山マリーナシティ(和歌山市、ホテルなど)を獲得。2019年3月期は新宿区払方町の土地、世田谷区玉川3丁目で二子玉川駅至近のビルを取得している。

(2) 再生手法
イントランス<3237>は、エリアの特性やニーズに合わせた最適なプランを企画することにより、不動産を魅力的な金融商品として再生することを得意としている。同社の再生ノウハウを語るうえで欠かせない事例が、芝公園プロジェクト(「THE PLACE of TOKYO」(結婚式場、レストラン))である。築47年の古いオフィスビルを「東京タワーを下から望める結婚式場」というコンセプトのもと、躯体だけを残して旧容積を維持するスキームで、耐震性を備えたブライダルビル結婚式場に再生。約10億円の利益を生み出すプロジェクトとなった。このように、他社が扱わない難しい物件においても、そのクリエイティブな発想力と果敢な行動力によって高い収益を獲得するのが、同社の真骨頂である。

(3) 出口
投資家、事業法人、不動産ファンド等のネットワークを持っており、物件に合った出口を探索する。2018年3月期は、横浜山下町プロジェクト2、鎌倉材木座プロジェクトなどを売却。2019年3月期は、蓮田ショッピングセンターを売却している。

(4) 過去の業績トレンド
物件の売却のタイミングが不定期のため、当該セグメントの業績は変動が激しい。所有する不動産の売却や入替のタイミングで大きく増加する。

2. ソリューション事業
多様なビジネスモデルがあるが、賃貸管理事業が柱である。2018年9月に蓮田ショッピングセンターを売却したため、それ以降は和歌山マリーナシティ(3施設)からの賃料及び配当金収入がメインである。プリンシパルインベストメント事業としてバリューアップされ売却される場合でも、保有期間の賃料収入はこのセグメントで計上され、事業間の相乗効果が期待できる。安定的な収入が得られるストックビジネスであり、全社業績の安定に寄与している。2019年3月期第3四半期のセグメント業績は、蓮田ショッピングセンター売却に伴う賃料収入減少の影響で減収減益となった。

3. その他事業
2014年に買収した連結子会社である大多喜ハーブガーデンにて、ハーブガーデンの運営やハーブ関連製品の販売を行う。最近は飲食店などの業務用の販路開拓が奏功し着実に業容が拡大している。今期は、主力商品のバジルに作物被害が発生したことに伴い、同商品の生産減少による欠品を防ぐべく他生産者よりバジルの仕入れを行ったこと等により、仕入原価が増加した。

BtoCにおいては、2016年4月にレストラン等を「家族みんなで楽しめる施設」をコンセプトに大幅リニューアルし、体験型イベントなどでメディアに取上げられるようになった。今期も、各種メディア媒体への積極的なPR活動が奏功し、ハーブガーデンへの入園者数は前期比12%増となった。業績としては、2015年3月期から売上高は横ばいで推移しているが、営業損益は大きな損失から急激に回復し、収支均衡に近い。2019年3月期第3四半期も、天候の影響が大きかったものの前年同期並みに推移した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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