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イントランス Research Memo(5):インバウンド業界のプロを迎え、「インバウンド×不動産」戦略を始動

注目トピックス 日本株
■中長期の成長戦略

1. 新しい全社方針・基本戦略
イントランス<3237>は、「総合体験型ソリューション企業へ」という全社方針を新たに掲げ、インバウンド関連の新たな事業ドメインに進出するという全社方針を発表した。これまでの不動産再生・開発は既存事業と位置付け、今後も継続するということだが、投資する不動産が宿泊・観光関連に今後大きくシフトすることが予想される。新規事業は、1)宿泊型不動産事業モデル、2)体験関連サービスの開発(観光・食・買い物)、3)ITサービスの応用、の3つ。

新事業の基本戦略は、「日本人観光客のみならずインバウンドをターゲットに、コンセプトに優れ、かつ日本の魅力(自然・食・文化・芸術等)を国内外に訴求できる個性的な宿泊施設等の取得・運営」である。ターゲット顧客はインバウンドと日本人観光客の両方であり、親会社の得意とする個人旅行(4〜8人程度の家族旅行や友人旅行)である。今後取得対象となる不動産としては、一棟マンション・コンセプトホテル(東京・大阪・京都などのゴールデンルート、主要観光都市)及び戸建・旅館・古民家(地方観光都市、新幹線停車駅など交通アクセスが良い場所)など。いずれも簡易宿泊所など旅館業認可を取得可能な施設が対象となる。

2. インバウンド・観光領域でのバリューチェーン
同社の実質的な親会社であるETモバイルジャパンと同社は、相互の強みを融合させ、インバウンド旅行者の体験をより豊かなものにするバリューチェーンの構築を目指す。まず、インバウンド旅行者は、母国(中国など)で訪日前に旅行計画を立て、ホテルや飛行機を探す。この段階では、親会社が運営する訪日中国人予約シェア2位の旅行予約サイト「逸行(jpyoo.com)」が大きな役割を果たす。旅行者のニーズに合致する宿泊施設(ホテル、古民家、民泊)を整備し、体験(観光・食事・買い物)を担うのが同社である。最近では、日本での買い物だけでなく、帰国後にECで再購入する仕組み(越境EC)が盛んであり、「逸行(jpyoo.com)」でも強化している。親会社は既に中国人観光客がどの都市の、どのような宿泊施設や体験を好むのかを示すビッグデータを蓄積しており、今後同社が投資する不動産の選定において大きなヒントになる。またその送客力により、宿泊施設や体験施設の稼働を高める上でも有利になるだろう。

3. インバウンド事業推進プロジェクトチームを設置
2019年2月7日、同社はインバウンド事業推進プロジェクトチームの設置を公表し、インバウンド事業の開始を宣言した。プロジェクトリーダーとなったのは観光事業及び不動産事業で数多くの実績を持つ数野敏男氏である。同氏は、総合不動産会社を経て、日本最大級の不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」を運営するLIFULL<2120>の執行役員及び、そのグループ会社である(株)LIFULL Marketing Partnersの代表取締役などを歴任。日本最大級の民泊・宿泊運用代行会社である楽天LIFULL STAY(株)の事業推進にも参画した経歴を持つ。当面は、既存の社員が兼任でプロジェクトメンバーとなるが、今後新たな人員も補強する予定。2020年3月期の上期にはインバウンド物件の取得を加速させたい考えだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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