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RSテクノ Research Memo(6):再生ウェーハ事業は生産能力拡大と新市場創出を軸に成長に取り組む

注目トピックス 日本株
■RS Technologies<3445>の再生ウェーハ事業の成長戦略と進捗状況

1. 再生ウェーハ事業の成長戦略
プライムウェーハ事業に進出した現在でも再生ウェーハ事業の重要性は何ら変わらない。プライムウェーハと並ぶ成長エンジンの1つという位置付けだ。収益性では再生ウェーハ事業がプライムウェーハ事業を大きく上回っており、当面は収益の中核事業としての座は揺るがないと言える。

再生ウェーハ事業の成長戦略は大きく2つの軸から成ると弊社では理解している。1つは生産能力の拡大による成長だ。この具体的な計数目標として「世界シェア40%」という目標がある。もう1つの軸は潜在的市場の開拓、すなわち新市場の創出による成長だ。これは同社固有の技術である金属膜除去技術がカギとなる。

このうち、生産能力拡大については2017年12月28日付で能力増強計画が発表されており、現在は着々と投資が進捗している状況だ(詳細は後述)。

一方、金属膜除去技術については、2017年12月期中に一部顧客から認定を取得したことが明らかになった。それを受けて2018年12月期から実際の受注がスタートするかに思われたが、これまでのところは具体的な進展はない。同社自身はこの技術の商業化をあきらめてはいないもようだが、現状では再生ウェーハ事業の能力増強の方に関心が向いているものと弊社ではみている。


2019年半ばの稼働を目指して、三本木で月間2万枚、台南両工場で同3万枚の12インチ再生加工能力を増強中
2. 再生加工能力の増強計画
2017年12月に同社は再生加工を手掛ける三本木・台南両工場における能力増強投資を発表した。再生加工においては、主力製品は12インチウェーハとなっており、今回の能力増強も12インチウェーハについての増強となる。

同社の12インチウェーハの再生加工能力は、現状は三本木工場が月間20万枚、台南工場が同10万枚の計30万枚となっている。今回の能力増強投資は、三本木工場で月間2万枚、台南工場で同3万枚となっており、投資額はそれぞれ4億円、7億円を予定している。工事は順調に進んでいるもようで、増設分の稼働時期は両工場とも2019年半ば頃と弊社では推測している。

弊社では、今回の能力増強投資は、規模、タイミングともに適切なものだと考えている。現状、三本木・台南両工場ともフル稼働が続いて顧客からの需要の応じきれなくなりつつある。他方、能力拡大は階段状に増えるため、設備稼働率が一時的に低下して収益性の低下につながる。2万枚〜3万枚という増設規模は顧客対応と収益性維持の両立の最適解だと考えている。

同社はここ数年、ボトルネックの解消や加工度の適正化による生産効率アップなどの手法によって、公称能力を上回る生産を続けてきており、2018年12月期は両工場合わせて月間35万枚前後の生産が常態化している。今回の能力増強後は、12インチウェーハ再生加工の実生産能力は三本木工場が月間25〜27万枚、台南工場が同15〜16万枚となり、両工場合わせて同40万枚前後の生産になると弊社では推測している。

12インチウェーハの世界需要は月間500万枚〜520万枚と言われており、そのうち約20%に相当する100万枚〜120万枚が再生加工需要とされている。同社はかねてより世界シェア40%を目標として掲げており、今回の増設計画によって、この目標達成に向けて大きく前進することになる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)



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