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RSテクノ Research Memo(7):プライムウェーハ事業の貢献と再生加工の好調継続により、大幅増収増益で着地

注目トピックス 日本株
■業績動向と今後の見通し

1. 2018年12月期第3四半期決算の概要
RS Technologies<3445>の2018年12月期第3四半期決算は、売上高18,623百万円(前年同期比136.5%増)、営業利益3,972百万円(同91.9%増)、経常利益4,286百万円(同90.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,383百万円(同58.7%増)と大幅増収増益となった。

第3四半期については事前予想が公表されておらず計画との対比はできないが、第2四半期については売上高、各利益項目ともに期初予想を大きく上回って着地した。このことからすると第3四半期も同社の計画を上回り順調な推移となったものと推測される。

再生加工を営むウェーハ事業の2018年12月期第3四半期は、売上高8,035百万円(前年同期比20.1%増)、営業利益2,875百万円(同25.9%増)と増収増益となった。ウェーハの再生加工については需要が好調に推移しており売上高が順調に拡大した。利益面でも営業利益率が各四半期とも30%台を維持した。

プライムシリコンウェーハ製造販売事業の2018年12月期第3四半期は、売上高8,662百万円、営業利益1,398百万円となった。中国国内の半導体生産が好調に推移するなか、現地製造子会社であるGRITEKはプライムウェーハの生産で2018年3月以降は月間20万枚(8インチ換算ベース)超のペースを維持した。生産性(歩留まり)の面でも順調とみられ、第3四半期(7月−9月期)の営業利益率は22.3%に達し、第2四半期累計期間の16.1%から大きく改善した。

半導体生産設備の買取・販売事業の2018年12月期第3四半期は、売上高2,128百万円(同90.0%増)、営業利益169百万円(同10.1%増)と増収増益となった。消耗品や液晶モジュール等の販売が好調だったことに加え、2018年5月に子会社化したユニオンエレクトロニクスの貢献があったため、売上高は大きく増収となった。利益面ではユニオンエレクトロニクスの貢献はごく限定的であったため、増益率は10.1%にとどまった。


2018年12月期通期見通しを上方修正。第4四半期も好調な生産が続く見通し
2. 2018年12月期通期見通し
同社は2018年12月期第3四半期までの業績の順調な進捗を受けて、2018年12月期通期見通しを上方修正した。新しい予想は、売上高25,520百万円(前期比132.2%増)、営業利益5,500百万円(同78.8%増)、経常利益5,810百万円(同80.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,110百万円(同40.7%増)と大幅な増収増益となっている。

第3四半期までの事業環境が第4四半期も継続している状況だ。そうしたなか同社は通期予想を引き上げたが、第4四半期(10月−12月期)の売上高、利益の見通し(新通期予想から第3四半期累計実績を控除したもの)は第3四半期(7月−9月期)実績を下回る水準にとどまっている。この点について同社は、為替リスクを織り込んだことや、商社ビジネスである半導体生産設備の買取・販売事業の収益変動性の高さを織り込んだことを理由に挙げている。


中期業績計画の最終年度2021年12月期には売上高290億円、営業利益63億円を目指す
3. 中期業績見通し
同社は2017年12月期決算・中期経営計画説明資料の中で、プライムウェーハ事業の長期業績計画に加え、全社ベースの中期業績計画も公表している。それら2つの業績計画は予想期間が異なっているが、予想期間の短い全社ベースの中期業績計画では、最終年度である2021年12月期に売上高29,000百万円、営業利益6,300百万円を予想している。この数値は、これまでの同社の再生ウェーハ事業の業績(この同社分の予想数値には、半導体製造装置の買取・販売事業セグメントの収益が織り込まれていない点に注意)と、GRITEKのプライムウェーハ事業の業績の2つの要素から成り立っており、全社ベースとGRITEK業績の差分が同社本体の業績ということになる。

2018年12月期第3四半期決算を終えた現在、中期業績計画にはいくつかの修正を加える必要が出てきている。

まず2018年12月期の業績が上方修正されたことが挙げられる。発射台が上振れしたため、2019年12月期以降の各年の収益水準も全体的に底上げされると考えておく必要がある。

もう1つは、利益の一時的な踊り場のタイミングだ。業績計画では2019年12月期に一時的に前期比減益となることを予想している。これはGRITEKの能力増強と既存工場からの設備移転に伴う影響を織り込んでためだ。しかしこれは当初の河北省プランをベースとしているのは明白だ。実際には山東省プランへ変更され、前述のように、工場建屋の建設が加わるため、スケジュールが河北省プランに比べて1年ほど後ずれする可能性が高い。したがって、業績の踊り場も1年ずれ込んで2020年12月期になる可能性が高いと弊社では考えている。

反対に、2019年12月期については、プライムウェーハ事業が北京工場でそのまま操業を続ける一方、再生ウェーハ事業が国内と台湾での能力増強投資の効果で収益を伸ばすと期待されるため、増収増益になる可能性が高まったとみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)



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