平和RE Research Memo(1):平和不動産グループのREITで、高水準の分配金支払いを目指す
[19/02/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
平和不動産リート投資法人<8966>は、平和不動産<8803>グループの投資法人であり、「東京都区部を中心とする投資エリアに存するオフィス及びレジデンス(賃貸マンション)」に投資する複合型REITだ。同REITの決算期は5月と11月の年2回である。
1. 東京都区部に集中投資、平和不動産のサポートが大きな強み
中小規模の事業所数が多く、人口増加傾向も続く東京都区部を中心に、オフィス及びレジデンスに集中的に投資している。また、全国各地の証券取引所やオフィスビルを所有・賃貸し、不動産開発、宅地分譲やマンション分譲、ショッピングセンターなどのデベロッパー事業を幅広く展開する平和不動産の経験とノウハウを最大限に活用できることが、同REITの大きな強みである。
2. 2018年11月期の分配金は6期連続でスポンサー変更後の最高値を更新
2018年11月期は、営業収益6,215百万円(前期比29.4%減)、営業利益2,942百万円(同44.5%減)であった。前期比では減少したものの期初に予定していなかった物件の譲渡益があり、既存物件の収支は稼働率上昇や賃料単価の増加によって改善し、また良好な金融環境を背景に金融費用の削減も進展した。その結果、期初予想に比べて、営業収益は5.7%、営業利益も12.8%上回った。売却益等を除く実力ベースの決算が好調であったことから、分配金を2,350円/口、前期比50円増とし、6期連続でスポンサー変更後の最高値を更新した。また、分配金支払後の内部留保残高(一時差異等調整積立金残高等)4,490百万円、繰越欠損金残高264百万円を有することが、将来の安定的な分配金支払いを可能にしている。
3. 2019年5月期、2019年11月期も高水準の分配金を予想
2019年5月期は、営業収益6,359百万円(前期比2.3%増)、営業利益3,005百万円(同2.1%増)、2019年11月期は、営業収益6,048百万円(同4.9%減)、営業利益2,698百万円(同10.2%減)を予想する。外部成長戦略では、2019年5月期初に4物件を取得している。また、内部成長戦略では、オフィス・レジデンスともに、継続的な稼働率の高位安定と賃料増額改定の進展を見込む。さらに、財務戦略では引き続き安定した金融環境のもと、低い金利調達コストを見込む。以上により、2019年5月期・2019年11月期の分配金は2,400円(2018年11月期比50円増)と、高水準での推移を予想している。
4. 中期目標では分配金2,500円、資産規模2,000億円を目指す
中期目標では、分配金2,500円、資産規模2,000億円を目指す。なお、分配金2,500円は、2020年11月期に達成する計画である。分配金の目標達成に向けては、資産の入替、賃料増額改定、諸費用の削減等を1つ1つ着実に積み重ねていくことで、継続的かつスピード感を持った分配金成長につなげる。また、潤沢な内部留保を活用した分配金の増加も期待できる。一方、資産規模の拡大については、現在は不動産価格が高騰しているため無理に新規取得をせず、入れ替えを中心に優良物件に投資する方針である。
5. 分配金の増加に伴い、NAV倍率は上昇するとみる
同投資法人の投資口価格は上昇傾向にあり、その結果、2019年2月5日現在のNAV倍率(1口当たり投資口価格/1口当たり純資産額)は1.06倍と、オフィス・レジデンス複合型REITの平均1.03倍を上回る水準にまで上昇している。ただ、入替戦略の推進、賃料増額改定、キャップレートの低下などに伴い含み益は成長を続けており、今後も分配金の増加が持続すると見込まれることから、投資家の評価はさらに切り上がると予想する。さらに、同投資法人のサスティナビリティへの取り組みも、投資家の評価が高まる一因と考える。
■Key Points
・東京都区部を中心とするオフィス・レジデンス複合型REITで、平和不動産のサポートが大きな強み
・2018年11月期は不動産譲渡益の減少で減収減益となったが、実力ベースの決算は好調であり、分配金は6期連続でスポンサー変更後の最高値を更新した
・2019年5月期、2019年11月期も順調な収支見通しを受けて、高水準の分配金を予想する
・中期目標では、運用資産の着実な成長と中長期的な安定収益の確保や潤沢な内部留保の活用により、2020年11月期までに分配金2,500円を目指す。資産規模は中長期的に2,000億円を目指す
・継続的な分配金の増加やサスティナビリティへの取り組み等を背景に、投資家の評価はさらに高まるとみる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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平和不動産リート投資法人<8966>は、平和不動産<8803>グループの投資法人であり、「東京都区部を中心とする投資エリアに存するオフィス及びレジデンス(賃貸マンション)」に投資する複合型REITだ。同REITの決算期は5月と11月の年2回である。
1. 東京都区部に集中投資、平和不動産のサポートが大きな強み
中小規模の事業所数が多く、人口増加傾向も続く東京都区部を中心に、オフィス及びレジデンスに集中的に投資している。また、全国各地の証券取引所やオフィスビルを所有・賃貸し、不動産開発、宅地分譲やマンション分譲、ショッピングセンターなどのデベロッパー事業を幅広く展開する平和不動産の経験とノウハウを最大限に活用できることが、同REITの大きな強みである。
2. 2018年11月期の分配金は6期連続でスポンサー変更後の最高値を更新
2018年11月期は、営業収益6,215百万円(前期比29.4%減)、営業利益2,942百万円(同44.5%減)であった。前期比では減少したものの期初に予定していなかった物件の譲渡益があり、既存物件の収支は稼働率上昇や賃料単価の増加によって改善し、また良好な金融環境を背景に金融費用の削減も進展した。その結果、期初予想に比べて、営業収益は5.7%、営業利益も12.8%上回った。売却益等を除く実力ベースの決算が好調であったことから、分配金を2,350円/口、前期比50円増とし、6期連続でスポンサー変更後の最高値を更新した。また、分配金支払後の内部留保残高(一時差異等調整積立金残高等)4,490百万円、繰越欠損金残高264百万円を有することが、将来の安定的な分配金支払いを可能にしている。
3. 2019年5月期、2019年11月期も高水準の分配金を予想
2019年5月期は、営業収益6,359百万円(前期比2.3%増)、営業利益3,005百万円(同2.1%増)、2019年11月期は、営業収益6,048百万円(同4.9%減)、営業利益2,698百万円(同10.2%減)を予想する。外部成長戦略では、2019年5月期初に4物件を取得している。また、内部成長戦略では、オフィス・レジデンスともに、継続的な稼働率の高位安定と賃料増額改定の進展を見込む。さらに、財務戦略では引き続き安定した金融環境のもと、低い金利調達コストを見込む。以上により、2019年5月期・2019年11月期の分配金は2,400円(2018年11月期比50円増)と、高水準での推移を予想している。
4. 中期目標では分配金2,500円、資産規模2,000億円を目指す
中期目標では、分配金2,500円、資産規模2,000億円を目指す。なお、分配金2,500円は、2020年11月期に達成する計画である。分配金の目標達成に向けては、資産の入替、賃料増額改定、諸費用の削減等を1つ1つ着実に積み重ねていくことで、継続的かつスピード感を持った分配金成長につなげる。また、潤沢な内部留保を活用した分配金の増加も期待できる。一方、資産規模の拡大については、現在は不動産価格が高騰しているため無理に新規取得をせず、入れ替えを中心に優良物件に投資する方針である。
5. 分配金の増加に伴い、NAV倍率は上昇するとみる
同投資法人の投資口価格は上昇傾向にあり、その結果、2019年2月5日現在のNAV倍率(1口当たり投資口価格/1口当たり純資産額)は1.06倍と、オフィス・レジデンス複合型REITの平均1.03倍を上回る水準にまで上昇している。ただ、入替戦略の推進、賃料増額改定、キャップレートの低下などに伴い含み益は成長を続けており、今後も分配金の増加が持続すると見込まれることから、投資家の評価はさらに切り上がると予想する。さらに、同投資法人のサスティナビリティへの取り組みも、投資家の評価が高まる一因と考える。
■Key Points
・東京都区部を中心とするオフィス・レジデンス複合型REITで、平和不動産のサポートが大きな強み
・2018年11月期は不動産譲渡益の減少で減収減益となったが、実力ベースの決算は好調であり、分配金は6期連続でスポンサー変更後の最高値を更新した
・2019年5月期、2019年11月期も順調な収支見通しを受けて、高水準の分配金を予想する
・中期目標では、運用資産の着実な成長と中長期的な安定収益の確保や潤沢な内部留保の活用により、2020年11月期までに分配金2,500円を目指す。資産規模は中長期的に2,000億円を目指す
・継続的な分配金の増加やサスティナビリティへの取り組み等を背景に、投資家の評価はさらに高まるとみる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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