ビーロット Research Memo(1):群を抜く実績の不動産金融コンサルティング会社
[19/03/18]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■要約
ビーロット<3452>は、代表取締役社長の宮内誠(みやうちまこと)氏をはじめ不動産業界に長く従事してきたプロ集団が2008年に設立した「不動産投資開発事業」「不動産コンサルティング事業」「不動産マネジメント事業」を中心とする不動産金融コンサルティング会社である。設立当初は不動産仲介及び賃貸管理が主であったが、不動産再生の分野で取引実績を着実に重ね、資金調達力が強化されるにつれて不動産投資・開発の割合を増やしてきた。関東だけでなく北海道・関西・九州にも進出し全国の案件を扱う。またオフィスやマンションを主としつつも、近年はホテル・コンドミニアムを積極的に手掛け、多様な不動産の開発及び再生に取り組んでいる。2014年12月には早くも上場(東証マザーズ)を果たし、2015年にアセットマネジメント会社とシンガポール現地法人を設立、2016年に関西の不動産会社を連結子会社化して関西圏に本格進出した。2017年には東京のホテル事業会社も連結子会社化、2018年5月にはM&A事業関連及び人材関連の会社を設立し、成長を加速している。設立10年にして2018年2月に東証1部への市場変更を果たし、その信用力と知名度の向上により情報量や顧客数、金融機関との良好な取引関係が拡充している。東証マザーズに上場した2014年12月期から4年間の売上高の年平均成長率は52.9%、経常利益では76.0%と群を抜く成長性が魅力である。
1. 2018年12月期通期の業績
2018年12月期通期の連結業績は、売上高で前期比54.7%増の20,267百万円、営業利益で同39.8%増の3,307百万円、経常利益で同41.7%増の2,832百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同56.8%増の1,960百万円と大幅な増収増益を達成した。特に各利益に関しては、期初計画を大きく上回り上方修正となった。主力の不動産投資開発事業が大きく業績をけん引した。連結での平均売却単価は661百万円(前期は522百万円)となり大型化が進む。新築で開発したホテル3棟は、いずれも開業時から高稼働を達成しつつ売却された。なかでも沖縄県那覇市のビジネスホテル「TISSAGE HOTEL by NEST NAHA」はREITに28億円を超える価格で売却され、業績に大きく貢献した。
2. 今後の見通し
2019年12月期通期の連結業績は、売上高で前期比29.8%増の26,300百万円、営業利益で同13.0%増の3,738百万円、経常利益で同18.6%増の3,360百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同20.2%増の2,357百万円と売上・利益の大幅な成長を見込む。売上高の成長をけん引するのは、引き続き不動産投資開発事業である。宿泊施設の在庫では、京都・清水(2017年9月竣工)、北海道・小樽(2018年3月竣工)、京都・四条(2018年6月竣工)、大阪・北堀江(2019年3月竣工)などラインナップが豊富である。国内外の優良顧客、潤沢な現預金(6,063百万円)、金融機関との良好な関係なども勘案すると、順調な販売及び仕入れが期待できる。同社がこだわるのは利益(特に親会社株主に帰属する当期純利益)の計画必達である。過去4年間の親会社株主に帰属する当期純利益を期初予想と実績で比較すると、いずれの年も予想を実績が大きく上回っており(22%〜60%の上振れ)安定感がある。同社の計画は、物件ごとに積み上げて保守的に予想したものを公開しており、2019年12月期の利益も予想を超えてくる可能性が高い。
3. 成長戦略
同社は、2019年から2020年までの2ヶ年を対象とする新たな中期経営計画を策定した。最終年である2020年12月期に売上高で30,000百万円、営業利益で4,552百万円、経常利益で4,121百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で2,843百万円を計画する。2018年12月期からの比較では、2年間で売上高を1.48倍、親会社株主に帰属する当期純利益を1.45倍にするという高い目標を目指す。同社はかねてより親会社株主に帰属する当期純利益の年20%以上成長にこだわりを持っており、今回の中計でも最重要項目と位置付ける。不動産投資開発事業では、2018年12月期末に販売用不動産の残高が過去最高を更新し、将来の売却益及び賃料収入の確保の見通しは明るい。また40行を超える金融機関との良好な関係をベースとしたデットファイナンス、新株予約権による調達など、様々な金融スキームでの調達ができる優位性があり、資金面でのバックアップ体制も十分と言える。
4. 株主還元策
同社は株主還元策として配当を実施している。配当の基本方針としては、業績に応じた利益還元を基本とし「将来の事業展開」と「財務体質の強化」を勘案して総合的に決定する。2018年12月期の1株当たりの配当は50円(前期は19.5円)、配当性向19.9%(前期は12.0%)となった。前期を大幅に上回る利益を達成したことと、配当性向を向上させたことにより、3期連続の大幅増配となった。2019年12月期の配当予想は公表されていないが、親会社株主に帰属する当期純利益で前期比20%を超える増益を予想しているため、順調に推移すれば引き続き増配が期待できる。
■Key Points
・成長し続ける不動産金融コンサルティング会社。上場後の売上成長率は年53%、経常利益成長率は年76%と群を抜く実績
・2018年12月期の期初計画を上回る大幅増益を達成。新築の高稼働ホテルの売却が業績をけん引
・資産規模が大きく拡大。現預金60億円、販売用不動産の残高145億円と成長余力大。固定負債の比率を高め財務リスクを軽減
・新中計発表。2020年12月期に売上高300億円、経常利益41億円を計画。親会社株主に帰属する当期純利益で年20%以上成長をコミット
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<HN>
ビーロット<3452>は、代表取締役社長の宮内誠(みやうちまこと)氏をはじめ不動産業界に長く従事してきたプロ集団が2008年に設立した「不動産投資開発事業」「不動産コンサルティング事業」「不動産マネジメント事業」を中心とする不動産金融コンサルティング会社である。設立当初は不動産仲介及び賃貸管理が主であったが、不動産再生の分野で取引実績を着実に重ね、資金調達力が強化されるにつれて不動産投資・開発の割合を増やしてきた。関東だけでなく北海道・関西・九州にも進出し全国の案件を扱う。またオフィスやマンションを主としつつも、近年はホテル・コンドミニアムを積極的に手掛け、多様な不動産の開発及び再生に取り組んでいる。2014年12月には早くも上場(東証マザーズ)を果たし、2015年にアセットマネジメント会社とシンガポール現地法人を設立、2016年に関西の不動産会社を連結子会社化して関西圏に本格進出した。2017年には東京のホテル事業会社も連結子会社化、2018年5月にはM&A事業関連及び人材関連の会社を設立し、成長を加速している。設立10年にして2018年2月に東証1部への市場変更を果たし、その信用力と知名度の向上により情報量や顧客数、金融機関との良好な取引関係が拡充している。東証マザーズに上場した2014年12月期から4年間の売上高の年平均成長率は52.9%、経常利益では76.0%と群を抜く成長性が魅力である。
1. 2018年12月期通期の業績
2018年12月期通期の連結業績は、売上高で前期比54.7%増の20,267百万円、営業利益で同39.8%増の3,307百万円、経常利益で同41.7%増の2,832百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同56.8%増の1,960百万円と大幅な増収増益を達成した。特に各利益に関しては、期初計画を大きく上回り上方修正となった。主力の不動産投資開発事業が大きく業績をけん引した。連結での平均売却単価は661百万円(前期は522百万円)となり大型化が進む。新築で開発したホテル3棟は、いずれも開業時から高稼働を達成しつつ売却された。なかでも沖縄県那覇市のビジネスホテル「TISSAGE HOTEL by NEST NAHA」はREITに28億円を超える価格で売却され、業績に大きく貢献した。
2. 今後の見通し
2019年12月期通期の連結業績は、売上高で前期比29.8%増の26,300百万円、営業利益で同13.0%増の3,738百万円、経常利益で同18.6%増の3,360百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同20.2%増の2,357百万円と売上・利益の大幅な成長を見込む。売上高の成長をけん引するのは、引き続き不動産投資開発事業である。宿泊施設の在庫では、京都・清水(2017年9月竣工)、北海道・小樽(2018年3月竣工)、京都・四条(2018年6月竣工)、大阪・北堀江(2019年3月竣工)などラインナップが豊富である。国内外の優良顧客、潤沢な現預金(6,063百万円)、金融機関との良好な関係なども勘案すると、順調な販売及び仕入れが期待できる。同社がこだわるのは利益(特に親会社株主に帰属する当期純利益)の計画必達である。過去4年間の親会社株主に帰属する当期純利益を期初予想と実績で比較すると、いずれの年も予想を実績が大きく上回っており(22%〜60%の上振れ)安定感がある。同社の計画は、物件ごとに積み上げて保守的に予想したものを公開しており、2019年12月期の利益も予想を超えてくる可能性が高い。
3. 成長戦略
同社は、2019年から2020年までの2ヶ年を対象とする新たな中期経営計画を策定した。最終年である2020年12月期に売上高で30,000百万円、営業利益で4,552百万円、経常利益で4,121百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で2,843百万円を計画する。2018年12月期からの比較では、2年間で売上高を1.48倍、親会社株主に帰属する当期純利益を1.45倍にするという高い目標を目指す。同社はかねてより親会社株主に帰属する当期純利益の年20%以上成長にこだわりを持っており、今回の中計でも最重要項目と位置付ける。不動産投資開発事業では、2018年12月期末に販売用不動産の残高が過去最高を更新し、将来の売却益及び賃料収入の確保の見通しは明るい。また40行を超える金融機関との良好な関係をベースとしたデットファイナンス、新株予約権による調達など、様々な金融スキームでの調達ができる優位性があり、資金面でのバックアップ体制も十分と言える。
4. 株主還元策
同社は株主還元策として配当を実施している。配当の基本方針としては、業績に応じた利益還元を基本とし「将来の事業展開」と「財務体質の強化」を勘案して総合的に決定する。2018年12月期の1株当たりの配当は50円(前期は19.5円)、配当性向19.9%(前期は12.0%)となった。前期を大幅に上回る利益を達成したことと、配当性向を向上させたことにより、3期連続の大幅増配となった。2019年12月期の配当予想は公表されていないが、親会社株主に帰属する当期純利益で前期比20%を超える増益を予想しているため、順調に推移すれば引き続き増配が期待できる。
■Key Points
・成長し続ける不動産金融コンサルティング会社。上場後の売上成長率は年53%、経常利益成長率は年76%と群を抜く実績
・2018年12月期の期初計画を上回る大幅増益を達成。新築の高稼働ホテルの売却が業績をけん引
・資産規模が大きく拡大。現預金60億円、販売用不動産の残高145億円と成長余力大。固定負債の比率を高め財務リスクを軽減
・新中計発表。2020年12月期に売上高300億円、経常利益41億円を計画。親会社株主に帰属する当期純利益で年20%以上成長をコミット
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<HN>