イード Research Memo(5):MaaS時代到来に向けバーチャルキー開発ベンチャー企業と提携、早期商品化へ
[19/03/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■iid 5G Mobility戦略
自動車業界で今後、自動運転やEV化の進展、5Gの高速通信サービスの普及によって可能となる様々なスマートモビリティサービス(MaaS※)の普及が見込まれており、100年に1度の大変革時代が到来すると言われている。特にMaaSの世界市場規模は2020年の1,010億米ドル(約11兆円)から2050年には7兆米ドル(約770兆円)に急拡大すると言われており、関連業界から注目を集めている市場となっている。
※MaaS(Mobility as a Service):代表例としてはカーシェアリングが挙げられるが、イード<6038>では新車販売からメンテナンス、給油、保険、中古車流通、リサイクルなど自動車に関わる既存のサービスを、ITを活用した利便性の高いサービスへと進化させたもの、また自動運転技術によって創出される新サービスを含めてMaaSと定義している。
こうしたなか、同社は自動車業界とIT業界において構築している幅広いネットワークを生かして、積極的に事業展開を進めていく「iid 5G Mobility戦略」を打ち出している。なかでもMaaS分野にフォーカスし、新サービスを開発する有望なベンチャー企業の発掘、及びマーケティング支援、サービス開発支援などを行っていくほか、資本業務提携も実施していく。ビジネスチャンス創出のため、同社は2018年7月からMaaS分野にフォーカスしたセミナーを毎月開催しながらベンチャー企業の発掘を進めており、既に候補案件も出てきている。出資する場合は1件当たり数百万円〜数千万円の規模を想定しており、2019年6月期は複数案件の資本業務提携を実現したい考えだ。将来的には有望なベンチャーをグループ化し、自動車分野における既存アセットとのシナジーを図りながら、MaaS事業として事業ポートフォリオを形成し、非連続的な成長を目指していくことも視野に入れている。
なお、現在までの投資実績としては、2016年に位置情報ログのビッグデータ解析に強みを持つレイ・フロンティア(株)に出資しており、自動車等の移動ログ解析に特化した位置情報ソリューション「モビリティ・フロンティア」を共同開発し、同社の運営サイトである「e燃費」内で「ドライブログ」機能として提供を開始している。レイ・フロンティアについては、2019年2月に三井物産<8031>が3億円の出資を実施したことを発表している。今回の増資で得た資金によって、レイ・フロンティアは既存サービスの強化を図るとともに、モビリティ分野での新サービス開発や人材投資に活用していく予定となっている。同社においても今後、レイ・フロンティアとの連携を一層強化していく方針となっている。
また、2018年7月にはジゴワッツと業務提携を発表した。ジゴワッツは後付型のバーチャルキーを開発しているベンチャー企業で、今後の商品化開発と独占的な販売を行う提携内容となっている。現在、国内のカーシェアリングの車両台数は2.9万台、会員数は132万人※と年々増加している。今後は法人も含めてカーシェアリングの活用が普及すると見られるが、鍵の受け渡しが必ず必要なことが、利便性の面で課題となっていた。
※出所:公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団による2018年3月調査資料
今回、開発するバーチャルキーは管理者や所有者の元にマスターキーを置きながら、利用者はスマートフォンで受信するバーチャルキーを使ってドアロックの解除からエンジン始動まで可能にする画期的なシステムとなる(特許出願中)。鍵のロックやアンロック、位置情報等のログ管理が可能となり、オンライン経由でエンジンの始動を制限することも可能となり、企業が管理する営業車や社用車の鍵管理、また自動車ローンやリースとの連携商材にも有効と考えられ、潜在的な需要は大きいと見られる。今後、両社で2019年内の商品化を急ぎ、プロトタイプのデモを通じてカーシェアリング会社やカーリース企業への導入を目指して行く考えで、今後の動向が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SF>
自動車業界で今後、自動運転やEV化の進展、5Gの高速通信サービスの普及によって可能となる様々なスマートモビリティサービス(MaaS※)の普及が見込まれており、100年に1度の大変革時代が到来すると言われている。特にMaaSの世界市場規模は2020年の1,010億米ドル(約11兆円)から2050年には7兆米ドル(約770兆円)に急拡大すると言われており、関連業界から注目を集めている市場となっている。
※MaaS(Mobility as a Service):代表例としてはカーシェアリングが挙げられるが、イード<6038>では新車販売からメンテナンス、給油、保険、中古車流通、リサイクルなど自動車に関わる既存のサービスを、ITを活用した利便性の高いサービスへと進化させたもの、また自動運転技術によって創出される新サービスを含めてMaaSと定義している。
こうしたなか、同社は自動車業界とIT業界において構築している幅広いネットワークを生かして、積極的に事業展開を進めていく「iid 5G Mobility戦略」を打ち出している。なかでもMaaS分野にフォーカスし、新サービスを開発する有望なベンチャー企業の発掘、及びマーケティング支援、サービス開発支援などを行っていくほか、資本業務提携も実施していく。ビジネスチャンス創出のため、同社は2018年7月からMaaS分野にフォーカスしたセミナーを毎月開催しながらベンチャー企業の発掘を進めており、既に候補案件も出てきている。出資する場合は1件当たり数百万円〜数千万円の規模を想定しており、2019年6月期は複数案件の資本業務提携を実現したい考えだ。将来的には有望なベンチャーをグループ化し、自動車分野における既存アセットとのシナジーを図りながら、MaaS事業として事業ポートフォリオを形成し、非連続的な成長を目指していくことも視野に入れている。
なお、現在までの投資実績としては、2016年に位置情報ログのビッグデータ解析に強みを持つレイ・フロンティア(株)に出資しており、自動車等の移動ログ解析に特化した位置情報ソリューション「モビリティ・フロンティア」を共同開発し、同社の運営サイトである「e燃費」内で「ドライブログ」機能として提供を開始している。レイ・フロンティアについては、2019年2月に三井物産<8031>が3億円の出資を実施したことを発表している。今回の増資で得た資金によって、レイ・フロンティアは既存サービスの強化を図るとともに、モビリティ分野での新サービス開発や人材投資に活用していく予定となっている。同社においても今後、レイ・フロンティアとの連携を一層強化していく方針となっている。
また、2018年7月にはジゴワッツと業務提携を発表した。ジゴワッツは後付型のバーチャルキーを開発しているベンチャー企業で、今後の商品化開発と独占的な販売を行う提携内容となっている。現在、国内のカーシェアリングの車両台数は2.9万台、会員数は132万人※と年々増加している。今後は法人も含めてカーシェアリングの活用が普及すると見られるが、鍵の受け渡しが必ず必要なことが、利便性の面で課題となっていた。
※出所:公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団による2018年3月調査資料
今回、開発するバーチャルキーは管理者や所有者の元にマスターキーを置きながら、利用者はスマートフォンで受信するバーチャルキーを使ってドアロックの解除からエンジン始動まで可能にする画期的なシステムとなる(特許出願中)。鍵のロックやアンロック、位置情報等のログ管理が可能となり、オンライン経由でエンジンの始動を制限することも可能となり、企業が管理する営業車や社用車の鍵管理、また自動車ローンやリースとの連携商材にも有効と考えられ、潜在的な需要は大きいと見られる。今後、両社で2019年内の商品化を急ぎ、プロトタイプのデモを通じてカーシェアリング会社やカーリース企業への導入を目指して行く考えで、今後の動向が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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