テックファム Research Memo(6):アグリテック事業を収益柱の1つに育成していく方針
[19/03/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
2. アグリテック市場に本格進出
ITプラットフォームサービス事業としてアグリテック市場に本格進出する。We Agri 社と2018年4月に業務提携し、2018年8月にテックファームホールディングス<3625>の発行済株式の15.34%を取得していたが、今回新たに追加出資し、2019年6月期より連結子会社化することを発表している。We Agriは国内の生産者から主にプレミアムフルーツや加工品を仕入れて、ICTを活用した小売在庫管理システムで国内外の小売事業者に卸販売するベンチャー企業で、この小売在庫管理システムや、需要側と供給側の流通データを繋ぐ受発注システムなどの流通データ・プラットフォームを同社が開発、提供していく。
We Agriでは現在、東京、山形、山梨、長野、熊本、沖縄などの生産者と契約し、仕入販売を行っているが、今後も契約先の開拓と海外での販売先を増やしていくことで事業規模を拡大していく方針となっている。海外の販売先としては、香港やシンガポールの現地の高級デパートや高級ホテルに卸販売している。
We Agriを連結子会社化することで、2020年6月期以降の売上成長スピードは加速することが予想される。また、テックファームが提供する受発注システムについては、当初は廉価なサービス料金で提供し、需要予測や最適価格など付加価値情報のサービスを提供していく段階で、利益への貢献度も高まってくる見通しだ。
なお、アグリテック分野ではAIによる画像認識技術を使った撰果作業の自動化システムの開発を進めているが、現状は海外向け受発注システムや仕入販売データを活用した付加価値データ提供サービスの開発を優先的に進めており、これらの開発が見えてきた段階で再度、進めていく予定となっている。
農林水産省の統計によれば、2018年の果実・調整品の輸出額は前年比19.8%増の318億円と2年ぶりに増加に転じ、過去最高を更新した。主要品目であるリンゴが同27.6%増の139億円となったほか、ブドウが同11.0%増の32億円、イチゴが同40.7%増の25億円と全体的に増加した。日本政府は成長戦略の1つとして農産物輸出額を2019年に1兆円に拡大していくことを目標に掲げていたが、2018年は総額で前年比12.4%増の9,068億円に達しており、1兆円も射程圏内に入っている。また、今後についても国内の農業活性化のため、輸出拡大戦略を推進していくと見られる。
特に、高品質なプレミアムフルーツの需要はアジアや中東などでの評価も高く、価格水準も国内より高値で販売されることが一般的となっており、今後の成長ポテンシャルは大きい。こうした成長市場において、効率的かつ付加価値の高いサービスを実現する流通プラットフォームを業界に先駆けて構築することで、将来的にアグリテック事業が同社の収益柱の1つに成長していくものと弊社では予想している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. アグリテック市場に本格進出
ITプラットフォームサービス事業としてアグリテック市場に本格進出する。We Agri 社と2018年4月に業務提携し、2018年8月にテックファームホールディングス<3625>の発行済株式の15.34%を取得していたが、今回新たに追加出資し、2019年6月期より連結子会社化することを発表している。We Agriは国内の生産者から主にプレミアムフルーツや加工品を仕入れて、ICTを活用した小売在庫管理システムで国内外の小売事業者に卸販売するベンチャー企業で、この小売在庫管理システムや、需要側と供給側の流通データを繋ぐ受発注システムなどの流通データ・プラットフォームを同社が開発、提供していく。
We Agriでは現在、東京、山形、山梨、長野、熊本、沖縄などの生産者と契約し、仕入販売を行っているが、今後も契約先の開拓と海外での販売先を増やしていくことで事業規模を拡大していく方針となっている。海外の販売先としては、香港やシンガポールの現地の高級デパートや高級ホテルに卸販売している。
We Agriを連結子会社化することで、2020年6月期以降の売上成長スピードは加速することが予想される。また、テックファームが提供する受発注システムについては、当初は廉価なサービス料金で提供し、需要予測や最適価格など付加価値情報のサービスを提供していく段階で、利益への貢献度も高まってくる見通しだ。
なお、アグリテック分野ではAIによる画像認識技術を使った撰果作業の自動化システムの開発を進めているが、現状は海外向け受発注システムや仕入販売データを活用した付加価値データ提供サービスの開発を優先的に進めており、これらの開発が見えてきた段階で再度、進めていく予定となっている。
農林水産省の統計によれば、2018年の果実・調整品の輸出額は前年比19.8%増の318億円と2年ぶりに増加に転じ、過去最高を更新した。主要品目であるリンゴが同27.6%増の139億円となったほか、ブドウが同11.0%増の32億円、イチゴが同40.7%増の25億円と全体的に増加した。日本政府は成長戦略の1つとして農産物輸出額を2019年に1兆円に拡大していくことを目標に掲げていたが、2018年は総額で前年比12.4%増の9,068億円に達しており、1兆円も射程圏内に入っている。また、今後についても国内の農業活性化のため、輸出拡大戦略を推進していくと見られる。
特に、高品質なプレミアムフルーツの需要はアジアや中東などでの評価も高く、価格水準も国内より高値で販売されることが一般的となっており、今後の成長ポテンシャルは大きい。こうした成長市場において、効率的かつ付加価値の高いサービスを実現する流通プラットフォームを業界に先駆けて構築することで、将来的にアグリテック事業が同社の収益柱の1つに成長していくものと弊社では予想している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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