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ケアネット Research Memo(1):2019年12月期より新規事業・サービスを積極展開し、成長スピードを加速化

注目トピックス 日本株
■要約

ケアネット<2150>は、インターネットを使った製薬企業向けの医薬営業支援サービスを主力事業として展開している。医師・医療従事者向けに様々な医療情報を無料で提供するWebサイト「CareNet.com」を運営し、同サイトに登録した会員の属性やニーズなどを収集し、製薬企業に対して医薬品のマーケティング活動支援を行うビジネスモデルとなる。登録医師会員数は2018年12月末時点で14.4万人と医師数全体の4割強をカバーしている。

1. 2018年12月期の業績概要
2018年12月期の連結業績は、売上高で前期比1.7%増の2,902百万円、営業利益で同15.1%増の469百万円といずれも過去最高を更新する結果となった。主力の医薬営業支援サービスが順調に推移したほか、原価低減の取り組みを進めたことが利益率の改善要因となった。なお、親会社株主に帰属する当期純利益に関しては、繰越欠損金の解消による税負担の発生で、同43.3%減の263百万円となっている。

2. 2019年12月期の業績見通し
2019年12月期の業績は、売上高で前期比6.8%増の3,100百万円、営業利益で同6.5%増の500百万円と増収増益が続く見通し。スペシャリティ薬のeプロモーション需要が拡大するなかで、同社は専門医師の取り込みを強化するため、2018年に新メディア「Doctor’s Picks」をオープンしたほか、2019年2月にはがん治療医師向けの手術手技動画サイト「がん@魅せ技」を運営する(株)フェーズワンとの医師会員の連携を行うことを発表しており、同領域における競争力向上と受注拡大が見込まれる。また、収益が低迷していた医薬コンテンツサービスも医療情報動画サービス「CareNeTV」の料金プランを多様化することで多様化する顧客ニーズを掘り起こし、収益回復を目指している。なお、2019年12月期はいくつかの新たな取り組みを開始する予定だが、今回の業績計画には織り込んでいない。このため、これらの取り組みが順調に立ち上がれば、業績の上乗せ要因となる可能性がある。

3. 新規事業について
中長期的な視点に立った新規事業として、画期的な医薬品や医療機器等の開発を目指す製薬企業やメーカーに対して、臨床開発から販売までをトータルソリューションとして支援するサービスを展開していく。2018年5月にヘルスケア分野で異なる事業を行う6社が参加したコンソーシアム「SSI(Successful Support for Innovator)」及び、その窓口として同社が設立した(株)ヘルスケア・イニシアチブが事業を推進していく予定になっている。資本業務提携を結んだサンバイオ<4592>の外傷性脳損傷を対象とした新薬候補「SB623」の承認から販売までの支援をする予定である。その他にも複数の製薬企業やバイオベンチャーとも交渉を行っているほか、先進技術を用いたヘルステックのベンチャー企業に対しても資本業務提携などを進めていく可能性がある。そのために必要となる資金については、銀行2行と合計15億円のコミットメントライン契約を2019年2月に締結しており、柔軟に調達できる体制を整えている。なお、同社はこうした取り組みも踏まえて2019年秋を目途に中期経営計画を発表する予定にしており、その内容が注目される。

■Key Points
・インターネットを活用した製薬企業向け営業支援サービスが主力
・2019年12月期業績は新規事業の効果を織り込んでいない保守的な計画
・医薬品・医療機器の臨床開発から販売後のフォローアップまでを一括して支援する新サービスを2019年12月期より開始

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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