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ケアネット Research Memo(5):臨床開発から販売後のフォローまでを一括して支援する新サービス開始(1)

注目トピックス 日本株
■ケアネット<2150>の今後の見通し

2. 今後のサービス展開について
(1) 医薬営業支援サービス
医薬営業支援サービス事業の2019年12月期売上高は、前期比7.3%増の2,696百万円を計画している。引き続きスペシャリティ医薬品領域での競争力を高めるため、専門医向けのネットワーク拡充に向けた施策を進めていく。

a) 専門医向け新メディア「Doctor’s Picks」
スペシャリティ医薬品のプロモーション効果を上げるためには、専門医の会員数を多く獲得していくことが重要となる。その施策として同社は2018年10月に専門医向けの新メディア「Doctor’s Picks」を「CareNet.com」内に正式オープンした。同メディアは、ネット上に散在している医療情報の中から、各領域の専門医が注目する情報(学会発表論文等)をKOL(キー・オピニオンリーダー)やYOL(ヤング・オピニオンリーダー)等の医師自らが選び、解説や意見等のコメントを付けて共有する投稿型サイトになる。専門性の高い医療情報が集められるため、会員医師は効率的に情報収集できるほか、他の医師のコメントに触れることで情報に対する理解を深めることが可能となる。オンコロジー領域からスタートしており、既に7千人の専門医が利用している。質の高いKOLを囲い込むことで同メディアを活性化し、専門医の会員数を増やしていく。こうした取り組みにより、質・量ともに競合との差別化を図り、スペシャリティ医薬品領域のeプロモーションで受注拡大を目指していく。

b) 「がん@魅せ技」を運営するフェーズワンとの医師会員連携
2019年2月にがん治療医師向けの手術手技動画メディア「がん@魅せ技」や、がん治療医師育成を行う大学・医療機関の医局情報をまとめた「医局チャンネル」を運営するフェーズワンと医師会員の連携を行うことを発表した。今回の連携によって両社の登録会員に対して、相互のサービスを案内できるようになり、同社はフェーズワンが抱える医師会員3万人に対して、eプロモーションの配信が可能となる。現状、互いの会員はあまりかぶっていないため、合計で17万人を超える会員基盤を形成することになり、特に同社においてはがん治療分野専門医師に対するアプローチが格段に広がることになる。

また、がん領域における医師会員の獲得、活性化についても連携して取り組んでいく予定で、その第1弾として、フェーズワンが「がん@魅せ技」内で運営する「乳がんch」を共同運営していくことになっている。現在、「乳がんch」には多くの手術手技動画が掲載されており、今後さらに充実させていく予定となっている。一方、「CareNet.com」では手術手技以外の検査や薬物療法、その他関連情報等のコンテンツを充実させていく。両社で「乳がんch」を共同運営することで、乳がん領域における検診・診断から治療(手術、化学療法)に至るまですべての医療従事者の役立つ情報メディアに育成し、会員の獲得、サイトの活性化につなげていくことを目指している。なお、国内の乳腺外科領域の専門医は2,800人程度と言われており、このうち両社で2,300人の会員を抱えていることになり、乳がん向け治療薬の販売プロモーションの受注を獲得する機会が従来以上に増大することが期待される。「がん@魅せ技」にはそのほかにも大腸がんや肺がん、泌尿器がん等複数のチャンネルがあり、今後これらチャンネルについても共同運営していくことが予想される。なお、フェーズワンとの連携によるシナジー効果については、今期の業績計画に織り込んでいない。

c) 疾患啓発・教育系サービスの更なる強化
臨床医学動画メディア「MEDuLiTe」を活用したeプロモーションについても足元は伸び悩んでいるものの、プロモーションの企画・提案力を強化するなどして、着実に受注を増やしていく方針となっている。

(2) 医療コンテンツサービス
医療コンテンツサービスの2019年12月期売上高は、前期比3.5%増の404百万円を計画している。DVD販売のダウントレンドは続くなかで、「CareNeTV」の売上拡大により増収増益を目指していく。前述したように2018年11月より単独番組や特定のシリーズ番組のみを安価な料金で視聴可能なPPV販売方式を導入したことで、潜在利用者の掘り起こしを進めている。また、これまでの定額料金プラン(見放題プラン)については、各種イベントへの招待やコンテンツのダウンロード利用など、付加価値を高めたサービス内容になっており、PPV利用者からの入会を促進していく戦略となっている。2019年4月よりプロモーション施策を打ち、拡販を進めていく予定となっている。また、コンテンツについても自社制作のみならず、他社コンテンツを掲載することで一段と拡充を図っていく方針となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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