カンロ Research Memo(1):成長戦略の要、新グミ製造ラインが本稼働
[19/03/29]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■要約
カンロ<2216>は誰もが知る有名なキャンディメーカーで、100年を超える社歴を誇る老舗でもある。1955年に「カンロ飴」を大ヒットさせたほか、1980年代はのど飴、1990年代はグミやノンシュガー飴、近年も「ピュレグミ」や「金のミルク」など、時代ごとに新しく付加価値の高い製品を世に送り出してきた。しかし近年、人口減少や少子高齢化などによりキャンディを取り巻く環境が非常に厳しくなってきた。このため同社は、2017年に40年ぶりに長期ビジョンを策定して新CI(コーポレート・アイデンティティ)を導入するとともに、事業環境の変化に対応して、長期ビジョンの実現に向けた事業戦略や中期経営計画を定めた。
同社は製造面と営業面に強みがある。製造面の強みは、配合や製法に関する膨大なノウハウが100年を超えて蓄積されていることである。そうしたノウハウによって、素材にこだわって良いモノを作るという、メーカーとしての根源的な発想によるプロダクトアウトの製品や、ニーズやウォンツにマーケットインした機能性のある製品を作り出すことができる。営業面の強みは、スーパーマーケット(以下、スーパー)やコンビニエンスストア、ドラッグストアいずれの販路においても市場を上回って成長していることである。商品企画やマーケティングの担当者が営業に同行するリテールサポートという営業体制によって、営業の効率化や提案力の強化が進められていることが背景にある。
2018年12月期の業績は、売上高22,949百万円(前年比7.7%増)、営業利益1,003百万円(同5.9%増)となった。グミ市場は引き続き順調、減少傾向だった飴市場も上昇に転じたことから、売上は高い伸びを示した。主力ブランドの好調による固定費率減などにより原価率が改善し、積極的なマーケティング投資や本社オフィス移転など増勢の販管費をカバーした。2019年12月期の業績見通しについて、同社は売上高24,600百万円(前期比7.2%増)、営業利益1,100百万円(同9.6%増)を見込んでいる。中期経営計画達成のカギとなる新グミ製造ラインが本稼働を開始するが、減価償却費などのコスト負担を、グミの増収や工場での生産性向上でカバーする計画になっている。
2016年に策定した中期経営計画「NewKANRO2021」で、同社は2021年12月期に売上高260億円、経常利益26億円を達成し、キャンディNo.1企業へと進化することを目指している。そのため同社は、2019年12月期を「飛躍の年」と位置付け、2018年の本社移転や子会社吸収による生産性向上、2019年の新グミ製造ライン本稼働など、「NewKANRO2021」後半における売上高・利益の拡大へ向けた成長戦略を推し進めているところである。さらに、原価低減の徹底、人事制度や情報システムなど内部環境の整備、IRの強化などを推進することで経営基盤を強化し、企業価値の最大化を図る考えである。
■Key Points
・素材と機能性にこだわる老舗キャンディメーカーが積極経営を展開
・2019年12月期は新グミ製造ラインの本稼働でグミの生産能力増強へ
・中期経営計画「NewKANRO2021」で2021年12月期の経常利益26億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<HN>
カンロ<2216>は誰もが知る有名なキャンディメーカーで、100年を超える社歴を誇る老舗でもある。1955年に「カンロ飴」を大ヒットさせたほか、1980年代はのど飴、1990年代はグミやノンシュガー飴、近年も「ピュレグミ」や「金のミルク」など、時代ごとに新しく付加価値の高い製品を世に送り出してきた。しかし近年、人口減少や少子高齢化などによりキャンディを取り巻く環境が非常に厳しくなってきた。このため同社は、2017年に40年ぶりに長期ビジョンを策定して新CI(コーポレート・アイデンティティ)を導入するとともに、事業環境の変化に対応して、長期ビジョンの実現に向けた事業戦略や中期経営計画を定めた。
同社は製造面と営業面に強みがある。製造面の強みは、配合や製法に関する膨大なノウハウが100年を超えて蓄積されていることである。そうしたノウハウによって、素材にこだわって良いモノを作るという、メーカーとしての根源的な発想によるプロダクトアウトの製品や、ニーズやウォンツにマーケットインした機能性のある製品を作り出すことができる。営業面の強みは、スーパーマーケット(以下、スーパー)やコンビニエンスストア、ドラッグストアいずれの販路においても市場を上回って成長していることである。商品企画やマーケティングの担当者が営業に同行するリテールサポートという営業体制によって、営業の効率化や提案力の強化が進められていることが背景にある。
2018年12月期の業績は、売上高22,949百万円(前年比7.7%増)、営業利益1,003百万円(同5.9%増)となった。グミ市場は引き続き順調、減少傾向だった飴市場も上昇に転じたことから、売上は高い伸びを示した。主力ブランドの好調による固定費率減などにより原価率が改善し、積極的なマーケティング投資や本社オフィス移転など増勢の販管費をカバーした。2019年12月期の業績見通しについて、同社は売上高24,600百万円(前期比7.2%増)、営業利益1,100百万円(同9.6%増)を見込んでいる。中期経営計画達成のカギとなる新グミ製造ラインが本稼働を開始するが、減価償却費などのコスト負担を、グミの増収や工場での生産性向上でカバーする計画になっている。
2016年に策定した中期経営計画「NewKANRO2021」で、同社は2021年12月期に売上高260億円、経常利益26億円を達成し、キャンディNo.1企業へと進化することを目指している。そのため同社は、2019年12月期を「飛躍の年」と位置付け、2018年の本社移転や子会社吸収による生産性向上、2019年の新グミ製造ライン本稼働など、「NewKANRO2021」後半における売上高・利益の拡大へ向けた成長戦略を推し進めているところである。さらに、原価低減の徹底、人事制度や情報システムなど内部環境の整備、IRの強化などを推進することで経営基盤を強化し、企業価値の最大化を図る考えである。
■Key Points
・素材と機能性にこだわる老舗キャンディメーカーが積極経営を展開
・2019年12月期は新グミ製造ラインの本稼働でグミの生産能力増強へ
・中期経営計画「NewKANRO2021」で2021年12月期の経常利益26億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<HN>