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JIGーSAW Research Memo(1):成長続く継続課金モデルのマネジメントサービス事業

注目トピックス 日本株
■要約

JIG-SAW<3914>は、自動検知・自動制御をコンセプトとするシステムのマネジメントサービス事業を展開、簡単・安価なIoT(Internet of Things)導入を支援するワンストップ型サービスの提供にも取り組んでいる。

1. 会社概要と強み
同社は主に各種物理サーバ・クラウドサーバ・ハイブリッドサーバ、IoTデバイス及び通信チップ・モジュール等を対象としたインターネットシステムの自動マネジメントサービスを主力事業としている。顧客特性の詳細な開示はないが、通信キャリアや放送局、セキュリティ・ソフト会社などの大手企業から中小企業まで、同社が監視しているサーバ数は数万に達し、月間2億件超のアラートを処理しているようだ。また、IoTに必要な機能を全てパッケージ化したneqto(ネクト)プロジェクトの始動により、IoT領域での取り組みを本格化させている。

同社の強みは、1)ストック型・継続課金モデルの事業展開、2)独自の基盤技術をベースにしたオリジナル・ツールだからこその柔軟性・拡張性、3)M&Aを含むパートナー戦略、4)筋肉質で強固な財務体質などである。

2. インターネットデータの発生源と格納先を事業対象とする進化形ビジネスモデルで指数関数的な成長を目指す
オートセンサリング&オートディレクション(Auto Sensor-ing & Auto Direction、以下、A&A)は自動検知及び自動制御という意味、End-to-End(以下、E2E)は“端から端まで”という意味であり、同社はこの2つをコンセプトとして、あらゆる種類のマネジメントサービスをクラウドサーバや物理サーバ、IoTデバイス及び通信チップ・モジュールまで通信・ネットワークの全体(Internet of Everything=IoE市場)を対象に提供していくことを目指している。

A&AとE2Eというコンセプトを実際のサービスに落とし込むことを可能としているのが、OS技術を核とする「ソフトウェア、ハードウェア、信号制御」という3つの基盤技術である。独自技術によるオリジナル・ツールだからこその高い柔軟性と拡張性により、顧客が求める多種多様なマネジメントサービスを提供できる。

既存事業の主な対象であるサーバは、言わばインターネットデータの格納先であった。一方、neqtoプロジェクトにおける主な事業対象であるIoTセンサーは、インターネットデータの発生源と言え、そこで生まれたインターネットデータは最終的にサーバという格納先に流れ込むことになる。つまり、同社が取り組むIoT領域での本格展開は、既存ビジネス領域の拡大にもつながる一石二鳥の事業戦略と言えるだろう。指数関数的な爆発的成長を目指す同社は、インターネットデータの発生源と格納先を事業対象とする進化形ビジネスモデルの構築により、その目標に挑戦しようとしている。

3. イノベーション加速とキャッシュ創出の2つを生み出してきたパートナー戦略
同社は、独自技術をコアコンピタンスとしながらも、事業拡大やイノベーションを加速するために、M&Aを含むパートナー戦略を推進している。

2015年以降、同社グループのホームページに開示されているものだけでも、(株)ispace、Kudan<4425>、モビコム(株)、ラピスセミコンダクタ(株)(ローム<6963>グループ)、Altair Semiconductor、冨田浩史(とみたひろし)岩手大学教授、Litmus Automationなど、有力企業を含むパートナーとの連携が見て取れる。また、セールス・マーケティング分野においても多くのパートナーと連携しており、連結売上のうち、パートナー経由の比率は50%超にまで上っている感触である。そして見逃せないのが、上場を目指しているベンチャー系パートナー企業への資本参加→保有株式の価値増大→株式売却によるキャッシュ創出→積極的な成長投資→新たなパートナー企業との出会い、という好循環を生み出している点である。

4. 2018年12月期決算と2019年12月期業績見通し
同社の2018年12月期連結業績は、売上高が前期比11.6%増の1,446百万円、営業利益が同9.7%増の357百万円であった。マネジメントサービスは堅調な受注積み上げと低い解約率を維持、継続的成長を実現している。先行投資負担をこなしながら、売上高営業利益率は24.7%、ROEは22.5%、ROA(総資産経常利益率)は28.4%といずれも高い水準にあり、財務体質は一段と強化されている。2019年12月期は、同社を取り巻く事業環境が良好であることを踏まえ、引き続き過去最高の当期純利益となることを見込んでいる(業績予想は非開示)。

■Key Points
・同社の強みは、1)ストック型・継続課金モデルの事業展開、2)独自の基盤技術をベースにしたオリジナル・ツールだからこその柔軟性・拡張性、3)M&Aを含むパートナー戦略、4)筋肉質で強固な財務体質などである。
・neqtoプロジェクトの始動により、IoT領域におけるワンストップ型サービスの提供が本格化しつつある。これにより、同社のビジネスモデルはインターネットデータの発生源と格納先を事業対象としたものへと進化することになる。
・2018年12月期連結業績は売上高及び営業利益ともに過去最高を更新。先行投資負担をこなしながら、高い収益性と強固な財務体質を両立させている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)




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