クリレスHD Research Memo(4):M&Aを含めた積極的な出店拡大により高い成長性と収益性を実現
[19/04/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■決算動向
1.「グループ連邦経営」の進捗と業績推移
過去の業績を振り返ると、新規出店及びM&Aによる店舗数の拡大がクリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>の業績の伸びをけん引してきた。特に、2013年2月期から「グループ連邦経営」による新たな成長戦略に舵を切ったことが転機となった。成長性のある様々な業態をグループ化するとともに、更なる出店拡大をバックアップすることで高い成長性を実現しながら、立地の多様性と専門ブランドの拡充を図ってきた。立地別店舗数の構成比を見ると、2012年2月末には商業施設(郊外SCと都市型SCの合計)が78.4%を占めていたが、2019年2月末には商業施設が47.5%に縮小した一方で、駅前・繁華街(28.8%)やロードサイド(11.8%)が新たに追加されており、バランス型の立地ポートフォリオが確立されてきた。
財務面では、財務基盤の安定性を示す自己資本比率は、2012年2月期までは35%を超える水準を確保していたものの、2013年2月期末には、三菱商事が保有していた株式をTOBにより取得し、その内の約8割を消却したことにより19.7%にまで低下した。また、2014年2月期に自己株式の売却による自己資本の増強を行ったことや、2015年2月期末にはSFPダイニングの株式上場(子会社上場)に伴う新株発行により自己資本比率は32.4%にまで一旦改善したが、2016年2月期末にはKRフードサービスの買収により再び24.1%に低下し、ネット有利子負債も180億円を超える水準に大きく増加した。
キャッシュ・フローの状況は、2013年2月期までの投資キャッシュ・フローは、安定した営業キャッシュ・フローの範囲内で推移してきたが、2014年2月期から2017年2月期にかけては、積極的な新規出店やM&Aにより投資キャッシュ・フローが大きく拡大した。2018年2月期以降は、新規出店の抑制等により再び投資キャッシュ・フローは抑え気味となっている。
今後も積極的なM&Aによる成長を目指す同社にとって、財務基盤の増強は課題の1つとして考えられるが、2019年2月末(IFRS基準)のネットD/Eレシオ※1は1.07、ネット有利子負債キャッシュ・フロー倍率※2は2.09を確保しており、これまでの実績や潤沢な営業キャッシュ・フローから判断して、当面の資金調達力には懸念ないものと考えられる。
※1 ネットD/Eレシオ=ネット有利子負債÷自己資本にて計算。一般的には1倍以下であれば安全性に懸念がないと評価される。
※2 ネット有利子負債キャッシュ・フロー倍率=ネット有利子負債÷営業キャッシュ・フローにて計算。ネット有利子負債を何年分の営業キャッシュ・フローで返済できるかを判断する指標であり、一般的には10倍を超えると返済能力に懸念があると評価される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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1.「グループ連邦経営」の進捗と業績推移
過去の業績を振り返ると、新規出店及びM&Aによる店舗数の拡大がクリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>の業績の伸びをけん引してきた。特に、2013年2月期から「グループ連邦経営」による新たな成長戦略に舵を切ったことが転機となった。成長性のある様々な業態をグループ化するとともに、更なる出店拡大をバックアップすることで高い成長性を実現しながら、立地の多様性と専門ブランドの拡充を図ってきた。立地別店舗数の構成比を見ると、2012年2月末には商業施設(郊外SCと都市型SCの合計)が78.4%を占めていたが、2019年2月末には商業施設が47.5%に縮小した一方で、駅前・繁華街(28.8%)やロードサイド(11.8%)が新たに追加されており、バランス型の立地ポートフォリオが確立されてきた。
財務面では、財務基盤の安定性を示す自己資本比率は、2012年2月期までは35%を超える水準を確保していたものの、2013年2月期末には、三菱商事が保有していた株式をTOBにより取得し、その内の約8割を消却したことにより19.7%にまで低下した。また、2014年2月期に自己株式の売却による自己資本の増強を行ったことや、2015年2月期末にはSFPダイニングの株式上場(子会社上場)に伴う新株発行により自己資本比率は32.4%にまで一旦改善したが、2016年2月期末にはKRフードサービスの買収により再び24.1%に低下し、ネット有利子負債も180億円を超える水準に大きく増加した。
キャッシュ・フローの状況は、2013年2月期までの投資キャッシュ・フローは、安定した営業キャッシュ・フローの範囲内で推移してきたが、2014年2月期から2017年2月期にかけては、積極的な新規出店やM&Aにより投資キャッシュ・フローが大きく拡大した。2018年2月期以降は、新規出店の抑制等により再び投資キャッシュ・フローは抑え気味となっている。
今後も積極的なM&Aによる成長を目指す同社にとって、財務基盤の増強は課題の1つとして考えられるが、2019年2月末(IFRS基準)のネットD/Eレシオ※1は1.07、ネット有利子負債キャッシュ・フロー倍率※2は2.09を確保しており、これまでの実績や潤沢な営業キャッシュ・フローから判断して、当面の資金調達力には懸念ないものと考えられる。
※1 ネットD/Eレシオ=ネット有利子負債÷自己資本にて計算。一般的には1倍以下であれば安全性に懸念がないと評価される。
※2 ネット有利子負債キャッシュ・フロー倍率=ネット有利子負債÷営業キャッシュ・フローにて計算。ネット有利子負債を何年分の営業キャッシュ・フローで返済できるかを判断する指標であり、一般的には10倍を超えると返済能力に懸念があると評価される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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