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C&R社 Research Memo(9):クリエイティブ分野に加えて、医療、会計・法曹分野でも2ケタ増益を見込む

注目トピックス 日本株
■クリーク・アンド・リバー社<4763>の業績見通し

2. 事業セグメント別見通し
(1) クリエイティブ分野(日本)
クリエイティブ分野(日本)の売上高は前期比10%増の24,450百万円、営業利益は同47%増の1,580百万円と2ケタ増収増益となる見通し。映像、ゲーム、Web分野を中心にエージェンシー事業やプロデュース事業の成長が続く。クレイテックワークスについては受託開発案件を中心に売上高で6億円、営業利益で0.1億円程度を見込んでいる。本社移転関連費用や退職給付債務の計算方法変更による一時費用がなくなることに加えて、映像分野を中心としたプロデュース事業やその他新規事業の損益改善が大幅増益要因となる。なお、クレイテックワークスが2019年にリリース予定の「パレットパレード」の収益については、今回の計画にほとんど織り込んでいない。

分野別で見ると、映像分野は新規のテレビ番組制作等が寄与して堅調に推移し、利益率も改善する見通し。ゲーム分野については市場全体の成長がやや鈍化しているものの、10%前後の増収増益が見込まれ、Web分野についても旺盛な派遣需要を背景に、2ケタ増収が続く見通し。なお、官公庁向け案件については高水準が続くものの、例年3月に売上げが集中するのに対して、今期は4月以降に納期を迎える案件が多いため、第1四半期の増収率がやや鈍化する可能性がある。また、上期は新本社移転に伴う賃借料の増加もあるため、利益面でも伸びが低くなる可能性がある点には留意する必要がある。

新たな取り組みとしては、Web動画分野において(株)超十代と共同で10代を対象としたYouTubeチャンネル「超十代チャンネル」を2019年3月に共同開設しており、2週間で8.7万人超のチャンネル登録数を集めるなど好評を博している。また、新サービスとしてストーリーアプリ「Portie(ポルティ)」を開始(2019年4月)した。人気作家の書籍(小説、落語等)やオリジナルコンテンツを、Portieモード(チャット形式)またはSimpleモード(通常形式)で読むことができるほか、音声と文字で楽しむことができるボイスコンテンツも配信する。料金システムは無料チャージ制で、毎日1〜2話を無料配信し、先を読み進みたいユーザーは1話ごとに課金するシステムとなる。

その他新規事業として、VRを活用した語学事業も開始する予定となっている。訪日外国人の医療機関受診が増加するなか、ドクターや医療従事者向けにVR英会話コンテンツを開発しており、当第1四半期中のリリースを予定している。医療向け以外にも弁護士や会計士向けのサービス展開を将来的に視野に入れている。

(2) 医療分野
医療分野の売上高は前期比12%増の4,150百万円、営業利益は同31%増の700百万円となる見通し。慢性的な医師不足を背景に、医師紹介サービスの安定成長が続くほか、今期はコンサルティングサービスを本格的に開始し、収益貢献を見込んでいる。医療施設においても経営者の高齢化等による事業承継ニーズが年々高まっており、こうしたニーズを取り込んでいく。初年度の利益目標としては1億円を見込んでいる。今期も新たに営業拠点を1拠点開設する予定で人件費等の増加が見込まれるものの、前期に計上した賞与引当金の一時費用0.4億円がなくなることもあり、2ケタ増益を見込んでいる。

同社では医療分野における潜在的な成長ポテンシャルは大きいと見ており、社長の井川氏が2018年夏より、子会社のメディカル・プリンシパル社の社長も兼務し陣頭指揮に当たっており、今後の事業成長が期待される。

(3) 会計・法曹分野
会計・法曹分野の売上高は前期比10%増の2,140百万円、営業利益は同23%増の180百万円となる見通し。会計分野では、会計士・税理士等のネットワークをさらに広げ、業界内でのブランド力向上を図ると同時に、「在宅ワーカー紹介サービス」等の多様な働き方に対応したサービスの提供を進めていくことで収益拡大を進めていく。

また、法曹分野については弁護士ネットワークの強化と人材投資による事業基盤の強化を図りながら、収益拡大を進めていく。

(4) その他事業
その他事業の売上高は前期比50%増の2,825百万円、営業利益は5百万円(前期は149百万円の損失)を見込む。増収寄与の最も大きい子会社はIT系人材サービスを展開するリーディング・エッジ社で、前期比4億円弱の増収を見込んでいる。また、エコノミックインデックス及びIdrasysで合わせて2億円、韓国事業で1億円の増収を見込んでいる。

リーディング・エッジ社に関しては、引き続きロボットやAI分野の派遣需要が好調に推移する見通し。エコノミックインデックスやIdrasysについても、AI市場の拡大を背景に売上増が見込まれる。Idrasysについては、多様な顧客ニーズに対応するため、インツミットのAIツール以外の商材もラインナップにそろえながら、受注拡大を目指していく方針となっている。

また、韓国事業については、CRKによるグローバル配信第1弾として、スマートフォン専用RPG「Ceres M」※を2019年1月より韓国で配信しており、今後、その他のアジア、欧州等で配信を開始する予定になっている。また、第2弾として、スマートフォン専用RPG「三国志無限大戦」の事前登録も同年3月より日本でスタートしている。今期の売上高としては1.3億円、営業利益で0.2億円程度を計画しているが、これらグローバル配信タイトルの販売状況次第では、上乗せも期待される。

※2018年に配信した「ファイブキングダム」をベースとしたタイトルで、バトルモードをより重視した内容となっており、韓国での評価は高い。共同開発パートナーはNEOUL Entertainment(以下、NEOUL)(韓国)でNEOULがプロモーションも行っている。


VR Japanでは2019年5月より4Kの高解像度ディスプレイを搭載した一体型VRゴーグル「IDEALENS 4K」の販売を開始する。販売ターゲットとしては、医療施設や企業の教育・訓練用途などを想定している。価格は未定だが10万円以下に抑えたい考えだ。高解像度版の4K製品の投入によって、需要拡大ペースが加速していくか注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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