エルテス Research Memo(2):リスクに特化したビッグデータ解析が強み
[19/05/21]
提供元:株式会社フィスコ
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■会社概要
1. 事業内容
エルテス<3967>は、「リスクを解決する社会インフラの創出」をミッションに掲げ、リスク検知に特化したビッグデータ解析ソリューションを展開している。主力の「ソーシャルリスクサービス」は、SNSやブログ、検索サイトなどWeb上の様々なメディアに起因するリスクに対するソリューションを提供するものである。インターネットの普及やデジタルデバイスの進化により、利便性の向上と引き換えに様々なリスク(不適切な投稿等に伴う風評被害やネット炎上等)が顕在化するなか、ソーシャルメディアの監視から緊急対応、その後の対応まで、顧客のリスクマネジメントをワンストップで支援する独自のポジショニングにより成長を実現してきた。最近では、社内ログデータを対象として情報漏えいや隠れ超過残業などを検知する「内部脅威検知サービス」が大きく伸びている。また、新たな社会インフラとして注目されている「情報銀行」(詳細は後述)や「電子政府」の実現に向けた新サービスの開発にも取り組んでいる。
顧客基盤は大手航空会社や食品、外食、ホテルを始め、メーカーや金融機関など幅広く、有力ブランドを持つ大手企業を中心に年間約400社(契約数は500件以上)との取引実績を誇る。無料セミナーや提携先企業からの紹介等を通じた新規顧客の獲得と契約継続率の高さが同社業績の伸びをけん引してきた。特に、異物混入の疑いや従業員の不適切投稿など、ソーシャルリスクの影響を受けやすい外食や食品業界向けの売上構成比率が高い。また、「内部脅威検知サービス」への展開により、高度な技術情報を持つ製造業など、多様な顧客層へと拡充してきた。
事業セグメントは、これまで「ソーシャルリスク事業」の単一セグメントであったが、新サービスの提供開始に伴って、2019年2月期からは「デジタルリスク事業」とAIセキュリティ事業・新規事業から構成される「その他」の2つのセグメントに変更となった。現時点では、既存サービスによる「デジタルリスク事業」が売上高の99%を占めているが、将来的には、「情報銀行」や「電子政府関連」など新規事業による成長加速を目指している。
(1) デジタルリスク事業
a) ソーシャルリスクサービス
これまでの成長をけん引してきた主力サービスであり、「コンサルティングサービス」と「モニタリングサービス」の大きく2つに分けられる。創業来の「コンサルティングサービス」は、ソーシャルリスクに関する危機発生後に、顧客が適切な対応を取れるようにアドバイスを行うサービスであり、リスクが顕在化している企業や組織に対して、事後のレピュテーション回復(及びブランド再構築)に向けたサービスを提供している。一方、「モニタリングサービス」は、ソーシャルリスクの発生を早期に検知及び把握するもので、24時間365日、Twitter等のSNSやネット掲示板といったソーシャルメディア上の投稿を分析し、リスクの予兆があれば緊急通知の実施や対応方法のアドバイスを行い、危険投稿がなければ日報で報告するサービスである(月報でのトレンド報告を含む)。同社では、「コンサルティングサービス」から、リスク予防型で契約継続率の高い「モニタリングサービス」へのシフトを進めている。
b) 内部脅威検知サービス
2016年2月期より本格的に開始したサービスであり、企業内のログデータや管理情報を統合的に分析し、内部からの情報漏えいや内部不正リスクを検知する。データ上に現れる「人の動き」を解析し、デジタルリスクの予兆を捉えるところに特徴があり、膨大な組織内部のシステムログや管理データから、同社独自のアルゴリズムによりリスクの高い行動パターンを認識し、危険度や緊急度の高いものは即時通知することで、未然防止につなげることができる。足元で大きく伸びており、2本目の事業の柱となってきた。
(2) その他事業
a) AIセキュリティ事業
リスク情報分析や危機対応支援などを含め、警備業界のデジタルトランスフォーメーションを支援するAIプラットフォーム「AIK」※や、オープンデータから取引先企業の信用情報を分析する「デジタル信用調査」を提供している。
※戦略子会社((株)エルテスセキュリティインテリジェンス)が手掛けている。
b) 新規事業
2017年3月に提携したサイバネティカ(エストニア)の本人認証技術「SplitKey」を活用したアプリケーションの開発(スマートID※1の導入や不正送金・不正アクセスなど金融犯罪の検知等)、デジタル分析領域のベンチャー投資事業※2など、今後の事業拡大に向けた新規事業にも注力している。
※1 ECサービスにおける一元的な本人認証システム(1つのIDで複数のECサービス等を利用できるもの)のこと。
※2 戦略子会社((株)エルテスキャピタル)が展開している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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1. 事業内容
エルテス<3967>は、「リスクを解決する社会インフラの創出」をミッションに掲げ、リスク検知に特化したビッグデータ解析ソリューションを展開している。主力の「ソーシャルリスクサービス」は、SNSやブログ、検索サイトなどWeb上の様々なメディアに起因するリスクに対するソリューションを提供するものである。インターネットの普及やデジタルデバイスの進化により、利便性の向上と引き換えに様々なリスク(不適切な投稿等に伴う風評被害やネット炎上等)が顕在化するなか、ソーシャルメディアの監視から緊急対応、その後の対応まで、顧客のリスクマネジメントをワンストップで支援する独自のポジショニングにより成長を実現してきた。最近では、社内ログデータを対象として情報漏えいや隠れ超過残業などを検知する「内部脅威検知サービス」が大きく伸びている。また、新たな社会インフラとして注目されている「情報銀行」(詳細は後述)や「電子政府」の実現に向けた新サービスの開発にも取り組んでいる。
顧客基盤は大手航空会社や食品、外食、ホテルを始め、メーカーや金融機関など幅広く、有力ブランドを持つ大手企業を中心に年間約400社(契約数は500件以上)との取引実績を誇る。無料セミナーや提携先企業からの紹介等を通じた新規顧客の獲得と契約継続率の高さが同社業績の伸びをけん引してきた。特に、異物混入の疑いや従業員の不適切投稿など、ソーシャルリスクの影響を受けやすい外食や食品業界向けの売上構成比率が高い。また、「内部脅威検知サービス」への展開により、高度な技術情報を持つ製造業など、多様な顧客層へと拡充してきた。
事業セグメントは、これまで「ソーシャルリスク事業」の単一セグメントであったが、新サービスの提供開始に伴って、2019年2月期からは「デジタルリスク事業」とAIセキュリティ事業・新規事業から構成される「その他」の2つのセグメントに変更となった。現時点では、既存サービスによる「デジタルリスク事業」が売上高の99%を占めているが、将来的には、「情報銀行」や「電子政府関連」など新規事業による成長加速を目指している。
(1) デジタルリスク事業
a) ソーシャルリスクサービス
これまでの成長をけん引してきた主力サービスであり、「コンサルティングサービス」と「モニタリングサービス」の大きく2つに分けられる。創業来の「コンサルティングサービス」は、ソーシャルリスクに関する危機発生後に、顧客が適切な対応を取れるようにアドバイスを行うサービスであり、リスクが顕在化している企業や組織に対して、事後のレピュテーション回復(及びブランド再構築)に向けたサービスを提供している。一方、「モニタリングサービス」は、ソーシャルリスクの発生を早期に検知及び把握するもので、24時間365日、Twitter等のSNSやネット掲示板といったソーシャルメディア上の投稿を分析し、リスクの予兆があれば緊急通知の実施や対応方法のアドバイスを行い、危険投稿がなければ日報で報告するサービスである(月報でのトレンド報告を含む)。同社では、「コンサルティングサービス」から、リスク予防型で契約継続率の高い「モニタリングサービス」へのシフトを進めている。
b) 内部脅威検知サービス
2016年2月期より本格的に開始したサービスであり、企業内のログデータや管理情報を統合的に分析し、内部からの情報漏えいや内部不正リスクを検知する。データ上に現れる「人の動き」を解析し、デジタルリスクの予兆を捉えるところに特徴があり、膨大な組織内部のシステムログや管理データから、同社独自のアルゴリズムによりリスクの高い行動パターンを認識し、危険度や緊急度の高いものは即時通知することで、未然防止につなげることができる。足元で大きく伸びており、2本目の事業の柱となってきた。
(2) その他事業
a) AIセキュリティ事業
リスク情報分析や危機対応支援などを含め、警備業界のデジタルトランスフォーメーションを支援するAIプラットフォーム「AIK」※や、オープンデータから取引先企業の信用情報を分析する「デジタル信用調査」を提供している。
※戦略子会社((株)エルテスセキュリティインテリジェンス)が手掛けている。
b) 新規事業
2017年3月に提携したサイバネティカ(エストニア)の本人認証技術「SplitKey」を活用したアプリケーションの開発(スマートID※1の導入や不正送金・不正アクセスなど金融犯罪の検知等)、デジタル分析領域のベンチャー投資事業※2など、今後の事業拡大に向けた新規事業にも注力している。
※1 ECサービスにおける一元的な本人認証システム(1つのIDで複数のECサービス等を利用できるもの)のこと。
※2 戦略子会社((株)エルテスキャピタル)が展開している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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