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Kudan Research Memo(10):「KudanSLAM」のソフトウェアライセンスフィーが収益源

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. ヒストリカルな収益動向と収益構造
Kudan<4425>は当初、「KudanSLAM」の前身技術であった、モバイルアプリケーションの開発向けARエンジン「Kudan AR SDK」を収益源としていた。2018年3月期に組み込み技術への進化と非ARの応用領域への拡大を目的として、SLAMをIPライセンス化した「KudanSLAM」を世界中の様々な先端技術企業に対し提供を開始し、2019年3月期からはグループの経営資源のほとんどすべてを「KudanSLAM」及び関連する研究開発、事業開発に投入することになった。この結果、2019年3月期第2四半期に一時的に特定の得意先に対する依存度が上位5社で売上高の70%超を占めるなど高くなったが、各領域に於いて先端的な取り組みをしている顧客と密接な関係構築を行い、迅速な知見確保を行うと同時に個別対応の負荷を下げる目的のものであり、この時点で利益化を達成したという点でターニングポイントと言うことができる。なお、特定顧客の依存度については、今後売上高の拡大とともに低下していくことが見込まれている。

同社の収益は、提供する「KudanSLAM」を顧客が研究開発目的で利用する開発ライセンスと、顧客が製品を市場投入する際に利用する商業ライセンスから構成される。同社のライセンス契約における収益認識は、通常契約締結後のアルゴリズムの引き渡しを起点に開始される。収益の発生パターンとしては、引き渡し時にライセンスにかかる収益を一時に認識する方法や、期間にわたり認識する方法などがある。

現在、30社程度の顧客を対象とした開発ライセンスを中心として、既に同社の技術開発は黒字化しており、加えて数社では製品化に移行している。今後、中期的に顧客数は年30%で増加することを見込んでおり、製品化はそのうちの30%程度を占めるとみられている。更に、マイルストーン達成による開発ライセンス単価の継続的な上昇や、技術が組み込まれた製品の普及による販売ライセンス収入の爆発的な増加が期待されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)



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