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アンジェス Research Memo(5):2019年12月期は研究開発費の減少により、営業損失縮小を見込む

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. 2019年12月期第1四半期の業績概要
アンジェス<4563>の2019年12月期第1四半期の事業収益は前年同期比2.4%増の75百万円、営業損失が918百万円(前年同期は590百万円の損失)、経常損失が938百万円(同587百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が1,183百万円(同537百万円の損失)となった。

事業収益は、ムコ多糖症6型治療薬「ナグラザイム®」の売上が前年同期比1.0%減の73百万円となったが、研究開発事業収益2百万円を計上したことで若干の増収となった。事業費用では、売上原価が「ナグラザイム®」の仕入減に伴い同0.5%減となった一方で、研究開発費が同72.3%増、金額で291百万円の増加となった。外注費が213百万円増加したほか、原材料の評価替に伴い研究用材料費が83百万円増加したことによる。また、販管費は同17.3%増、金額で39百万円の増加となった。主に、HGF遺伝子治療用製品の製造販売に向けた準備費用の発生及び新規事業へのコンサルタント契約に伴い、支払手数料が13百万円増加したほか、租税公課が14百万円増加した。

この結果、営業損失は前年同期比で328百万円拡大した。また、営業外収支がやや悪化しているが、これは新株予約権の行使により株式交付費が19百万円増加したことなどが要因となっている。また、特別損失として投資有価証券評価損243百万円を計上している。

なお、同社は2019年3月にイスラエルを拠点とする米国のバイオベンチャー、Emendo Biotherapeutics(以下、Emendo)への投資について取締役会において決議したことを発表している。Emendoはゲノム編集の安全性を高める技術を開発しており、同技術を活用することで同社は遺伝子治療薬開発の優位性を確保し、更なるパイプラインの拡充につなげていくことを目的としている。

2. 2019年12月期の業績見通し
2019年12月期の事業収益は前期比45.1%減の335百万円、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失についてはいずれも2,800百万円と期初計画を据え置いた。事業収益については前期に計上した研究開発事業収入227百万円がなくなるほか、「ナグラザイム®」の売上も減少する見込み(BioMarinとの販売契約が、2019年3月末に終了)。一方で、国内におけるHGF遺伝子治療薬の条件及び期限付販売承認によって、田辺三菱製薬からのマイルストーン収入及び販売ロイヤリティ収入を見込んでいる模様だ。「ナグラザイム®」については四半期ベースで安定的に100百万円前後の売上を計上してきたが、3月末で販売契約が終了したことにより、第2四半期以降は第1四半期末の商品47百万円分の売上が計上されることになる。原価率は約49%のため、売上換算すると残り1億円弱と試算される。

事業費用については、HGF遺伝子治療薬の国内における市販後調査にかかる費用等の発生により販管費が前期比で増加するものの、研究開発費が前期の2,539百万円から減少する見込みとなっており、営業損失は前期比で565百万円縮小する見通し。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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