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ハウスコム Research Memo(8):新事業ドメインは「住まいのサービス業」

注目トピックス 日本株
■中長期の成長戦略

ハウスコム<3275>は5年前に「賃貸仲介業」から「賃貸サービス業」に変身するビジョンを作り、入居の際の様々なサービスを多角的に行う企業に変貌してきた。今後は「住まいのサービス業」として、さらに事業ドメインを拡大する。発想の原点には、賃貸契約の前後だけでなく、入居中のお客様の様々な悩みやニーズに対応したい、という思いがある。新ビジョンの実現に向けて、不動産テックによる顧客接点の拡大(ビッグデータ蓄積)、リフォーム事業の推進、広告・ネット関連兄弟会社の子会社化などが順次行われている。

1. 住生活サービスのマッチングプラットフォーマー構想
同社では新規事業推進の一環として「住生活サービスのマッチングプラットフォーマー」構想を検討中である。このプロジェクトは既に、社内(サービステクノロジー部門)メンバーに加えて、外部のITベンチャー企業等の専門家も参画し検討を重ねている。同社の持つ250万件の顧客データ、問い合わせや検索などの行動履歴は、まさにビッグデータであり、貴重な資産である。個々人のニーズやライフステージの変化等を捉えて住生活サービスに結び付ける役割が「プラットフォーマー」だ。リフォームや引っ越し、ハウスクリーニングなどは、既に同社が社内外と連携して整備されている。同社はAIを早くから不動産業界に取り入れた先駆的企業であり、当然AIを活用して新たな価値を生み出すことになるだろう。今後、どのような住生活サービスがビッグデータを起点に連携するのか、その具体的展開に是非注目したい。

2. ジューシィ出版の連結子会社化
同社は2019年5月に大東建託よりジューシィ出版の全株式を取得し、子会社化した(新商号はハウスコムテクノロジーズ)。この会社は、各種不動産ポータルサイトへの広告出稿代理店などを行ってきた会社であり、同社とも取引を行ってきた経緯がある。今後は、同社の商流の一部として、連携を迅速化するとともに、新たなサービスを生み出すことを目指す。将来的には、両社の強みを融合し、家主や不動産会社向けに、AIを活用し最適な広告出稿を提案するサービスなどが視野に入ってくるだろう。

2020年3月期から連結決算が開始され、営業収益では797百万円、営業利益では10百万円がプラスされる。当面はポータルサイトへの広告取次業務が主体となるため、転居シーズンである1月−3月に売上及び利益が集中する傾向の業務を引き継ぐ形となる。四半期の連結業績を確認する際には留意したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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