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藤商事 Research Memo(7):2020年3月期は販売台数の回復により大幅増収増益に転じる見通し

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

1. 2020年3月期の業績見通し
藤商事<6257>の2020年3月期の連結業績は、売上高が前期比64.5%増の46,000百万円、営業利益が同161.6%増の3,500百万円、経常利益が同133.4%増の3,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同188.8%増の2,300百万円とV字型回復となる見通し。パチンコ機・パチスロ機の販売台数が同55.5%増の125千台と急回復することが要因だ。

売上総利益率は49.1%と前期比で低下する見込みとなっている。販売台数が拡大するなかで「エコ割」によるパネル販売やユニット販売の比率の低下を見込んでいるためだが保守的な印象が強く、50%の水準を維持することは可能と弊社で見ている。また、販管費については前期比43.8%増の19,000百万円を見込んでいる。このうち、研究開発費は同40.4%増の9,200百万円となる。ミドルスペックを軸として、過去に実績のある主力タイトル中心のラインナップで投入することが増加要因となる。また、販売手数料で同79.0%増の1,400百万円、広告宣伝費で同34.4%増の700百万円、その他販管費で同43.7%増の7,700百万円を見込んでいる。このうち、その他販管費については直近ピークでも62億円強の水準であることや、継続的なコスト管理の強化を図っていくことなどから、保守的な見積りになっていると思われる。このため、販売台数が会社計画を達成できれば、利益面では上振れする可能性が高いと弊社では見ている。

なお、2019年6月にG20大阪サミットが開催されることを受け、同開催期間に新台の入れ替え自粛を7〜8府県で実施する予定となっているが、現時点では、業績に与える影響は限定的と見られる。


「リング」最新作の販売動向が業績のカギを握る
2. 販売計画
パチンコ機の販売台数は前期比49.4%増の101千台を計画している。2019年5月に発売した「P 緋弾のアリア3 設定付」は同社初となるミドルスペックでの設定付機種となる。2段階設定で、最大約5,100個※の出玉獲得が期待できる「Hysteria Rush」(タイマーが切れるまで大当たりの期待が継続する機能)を搭載している。

※「Hysteria Rush」中(特別図柄1が変動する間)に獲得できる理論上の最大払出数。出玉表記は、大入賞口とその他入賞口の払出出玉。


また、今後発売予定の新機種も過去に販売実績のある「ホラー」「時代劇」「萌え系」のシリーズ機種を予定している。なかでも注目されるのが、2019年に投入を予定している「リング」シリーズである。「リング」シリーズは2007年の初代「CR リング」からスタートし、2011年に投入したシリーズ第2弾の「CR リング 呪いの7日間」で7万台の大ヒットを記録、ホラー分野における同社のブランドを確立したキラーコンテンツだが、その後発売した後継シリーズではヒットしたものの、「呪いの7日間」を超える販売台数には至らなかった。このため、今回の新作では開発チームを刷新して「リング」の魅力を最大限に生かせる多彩なギミックや演出方法など原点に立ち戻って作り上げるとともに、「リング」シリーズ初の「オール実写演出」を採り入れるなど、同社の「変わる挑戦」による付加価値をプラスした意欲作となっている。従来の「リング」ファンだけでなく、新規ファンの獲得も狙う考えだ。また、プロモーション活動でも新台の導入だけでなく、パチンコホールに対して設定付機能の運用面も含めたコンサルティングなどのアフターサポートに取り組むことで、商品の魅力を最大限引き出し稼働力の向上を目指す。ミドルスペックの新規則機では業界初の6段階の設定機能を備えていることから、同機種をヒットさせることで業界全体の活性化につなげていきたい考えだ。

一方、パチスロ機については前期比89.0%増の24千台を計画している。パチンコとのタイアップ機の投入を予定しているが、今後の型式試験の状況次第となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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