泉州電業 Research Memo(1):堅実経営で着実な成長続く。財務内容は堅固で株主還元にも前向き
[19/06/26]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■要約
泉州電業<9824>は、独立系では国内トップの電線の総合専門商社である。仕入先は約250社、在庫商品アイテム数は約5万点に上り、「必要な商品を、必要な分だけ、必要なときに届ける」というデリバリー体制が強みである。自社開発のオリジナル商品で差別化を図っている。
1. 2019年10月期第2四半期の連結業績(実績)
2019年10月期第2四半期の連結業績は、売上高42,404百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益2,150百万円(同18.0%増)、経常利益2,263百万円(同16.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,520百万円(同13.4%増)となった。期中平均の銅価格は前年同期比で7.8%下落したが、電力用ケーブル、加工品などが堅調に推移したことから増収を確保した。増収に加えて売上総利益率が前年同期の15.4%から15.7%へ上昇したことから、売上総利益額は6,668百万円(同5.9%増)となった。販管費の伸びを同0.9%増に抑えたことから営業利益は同18.0%増となった。
2. 2019年10月期の通期の連結業績(予想)
進行中の2019年10月期の通期の連結業績は、売上高で前期比3.6%増の85,000百万円、営業利益で同9.6%増の4,240百万円、経常利益で同7.2%増の4,400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同24.4%増の2,950百万円と予想されており、若干ではあるが、期初の予想から上方修正されている。期中の平均銅価格は750千円/トン(前期比3.5%減)を予想している。引き続き比較的利益率の高い機器用・通信用電線の拡販に注力し、連続増益を目指している。半導体製造装置関連の動きはややペースダウンしているが、建設用や非電線の加工品などが好調であることから、この目標達成は十分可能だろう。
3. 中期経営計画の目標(2021年10月期に経常利益50億円)
さらに同社は、2019年11月に設立70周年を迎えるに当たって、2021年10月期を最終年度とする中期経営計画を発表している。この計画の数値目標は、売上高1,000億円、経常利益50億円、ROE6.0%以上となっている。売上高の目標は容易ではないが、利益目標は十分に射程圏と言えるだろう。
4. 資本効率改善にも前向き
同社の財務体質は良好であり、加えて「今後は資本効率を改善し、まずはROE6.8%を目指す」と述べている。実現のための具体策として年間配当を2016年10月期の40円から、2017年10月期には45円、2018年10月期には55円と増配を続け、さらに進行中の2019年10月期は70円が予想されている。加えて、2016年10月期中に271,700株、2018年10月期にも150,000株の自社株買いを実行した。また2019年10月期の上期にも15万株の自社株買いを実行し、さらに下期にも15万株(最大500百万円)の自社株買いを発表している。配当金と合わせた今期の予想総還元性向は54.1%(前期43.1%)に達する。この結果、2019年10月期の予想ROEは7.6%(前期6.3%)の見込みで、このような資本効率の向上に向けた同社の姿勢は大いに評価されるべきだろう。
■Key Points
・独立系では最大手の総合電線商社。オリジナル商品で差別化を図る
・2019年10月期は前期比9.6%の営業増益を目指す
・中期経営計画の目標は2021年10月期に経常利益50億円。着実に進行中
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<ST>
泉州電業<9824>は、独立系では国内トップの電線の総合専門商社である。仕入先は約250社、在庫商品アイテム数は約5万点に上り、「必要な商品を、必要な分だけ、必要なときに届ける」というデリバリー体制が強みである。自社開発のオリジナル商品で差別化を図っている。
1. 2019年10月期第2四半期の連結業績(実績)
2019年10月期第2四半期の連結業績は、売上高42,404百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益2,150百万円(同18.0%増)、経常利益2,263百万円(同16.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,520百万円(同13.4%増)となった。期中平均の銅価格は前年同期比で7.8%下落したが、電力用ケーブル、加工品などが堅調に推移したことから増収を確保した。増収に加えて売上総利益率が前年同期の15.4%から15.7%へ上昇したことから、売上総利益額は6,668百万円(同5.9%増)となった。販管費の伸びを同0.9%増に抑えたことから営業利益は同18.0%増となった。
2. 2019年10月期の通期の連結業績(予想)
進行中の2019年10月期の通期の連結業績は、売上高で前期比3.6%増の85,000百万円、営業利益で同9.6%増の4,240百万円、経常利益で同7.2%増の4,400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同24.4%増の2,950百万円と予想されており、若干ではあるが、期初の予想から上方修正されている。期中の平均銅価格は750千円/トン(前期比3.5%減)を予想している。引き続き比較的利益率の高い機器用・通信用電線の拡販に注力し、連続増益を目指している。半導体製造装置関連の動きはややペースダウンしているが、建設用や非電線の加工品などが好調であることから、この目標達成は十分可能だろう。
3. 中期経営計画の目標(2021年10月期に経常利益50億円)
さらに同社は、2019年11月に設立70周年を迎えるに当たって、2021年10月期を最終年度とする中期経営計画を発表している。この計画の数値目標は、売上高1,000億円、経常利益50億円、ROE6.0%以上となっている。売上高の目標は容易ではないが、利益目標は十分に射程圏と言えるだろう。
4. 資本効率改善にも前向き
同社の財務体質は良好であり、加えて「今後は資本効率を改善し、まずはROE6.8%を目指す」と述べている。実現のための具体策として年間配当を2016年10月期の40円から、2017年10月期には45円、2018年10月期には55円と増配を続け、さらに進行中の2019年10月期は70円が予想されている。加えて、2016年10月期中に271,700株、2018年10月期にも150,000株の自社株買いを実行した。また2019年10月期の上期にも15万株の自社株買いを実行し、さらに下期にも15万株(最大500百万円)の自社株買いを発表している。配当金と合わせた今期の予想総還元性向は54.1%(前期43.1%)に達する。この結果、2019年10月期の予想ROEは7.6%(前期6.3%)の見込みで、このような資本効率の向上に向けた同社の姿勢は大いに評価されるべきだろう。
■Key Points
・独立系では最大手の総合電線商社。オリジナル商品で差別化を図る
・2019年10月期は前期比9.6%の営業増益を目指す
・中期経営計画の目標は2021年10月期に経常利益50億円。着実に進行中
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<ST>