ベルトラ Research Memo(9):世界中の旅行社、ガイド&インストラクターとのパートナーシップ
[19/06/26]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■強み
1. ベルトラ<7048>が提供する付加価値
(1) 顧客目線だけに着眼するのではなく、事業者の立ち位置も重要視
同社は5,000社に及ぶ国内外の厳選した旅行主催会社と契約。「人が届けるサービス」が最大の強みと考え、世界で活躍する6,000人を超えるホスピタリティの高いプロのツアーガイド&インストラクターとのパートナーシップ契約を持つ。ステークホルダーは顧客(旅行者)、現地サプライヤーとなるが、それぞれの価値の提供において、顧客に対しては、量において世界中150ヶ国のバリュエーション豊かな商品数を4言語で提供し、それぞれの国ごとに最適化したマーケティング活動を行っている。さらに、現地に行っても、旅前・出発前にでも同じ現地価格で提供する料金体系で、これをすべてオンラインで完結するオンラインサポートによって、顧客への価値の提供となる。
現地サプライヤーにおいては、商品のバリエーションが多く、体験したい商品など価値ある商品については積極的に手掛けている。あらゆる商品ラインナップについて柔軟に対応できる同社の商品販売システムによって、効率化が可能。顧客データに基づいたマーケティング活動に応じて、顧客ニーズに対応した商品・企画を事業者側に積極的に提案し、さらにクオリティを高めるために、体験談、顧客の声を現地サプライヤーにフィードバックすることにより、次の商品改善プロセスにつなげている。一方で、クオリティを高めるために顧客の体験談を活用しているが、サービスの問題点等については顧客目線だけに着眼するのではなく、事業者の立ち位置も重要視している。双方を信じることを定義し、その上でお互いの問題点、矛盾点を解決していくことに注力していることが同社の強みでもある。
(2) 現地事業者のブランド価値を高めるための努力を遂行
現地事業者と同社とは、立ち位置上においてWIN WINの関係にあるとみられる。現地事業者は通常、大手旅行会社の下請け、孫請けといった形で末端に位置する事業会社が多いと言われている。製造業で言えば末端の零細企業といったところだろう。過去には、売り手から様々な指示が出されていたため、現地事業者が自分たちで価格を決めることができず、新しいサービスを提案することも通用しなかったこともあったようである。その様な状況のなか、同社は現地事業者と直接契約し、現地事業者のブランド価値を高めるための努力を遂行することで、より多くのサービスを提供することができる一因である。
(3) 消費者ニーズに対応した商品ラインナップと世界各地の個性豊かなプロのツアーガイド
同社は世界150ヶ国、契約先事業者数が約5,000社で取扱いは国内最大級であり、これを4ヶ国語で提供する。様々な消費者ニーズに対応する商品を提供しており、特に個人旅行者の支持を獲得している。日本旅行業協会(JATA)の2019年1月〜3月期の旅行市場動向調査を見ても、国内旅行は前回(2018年10月−12月)からほぼ横ばいながら、個人旅行が回復しているほか、海外旅行についても個人旅行が好調である。こういった背景もあり、同社の会員数は順調に増加しており、2019年3月末時点で累計288万人、月間Visit数(訪問数)については2ケタ成長を続けており、2019年3月末時点で380万と順調に増加している。また、性別に関しては女性が58%、男性が42%であるが、家族の場合は男性の名前で契約することが多いこともあり、実際は70%超が女性とみられる。
(4) ツアー&アクティビティが66%占め、リレーションシップの高さが強み
商品構成では、ツアー&アクティビティ(ガイドがかかわるサービス)が66%を占めており、その他、チケットアトラクション(美術館・テーマパーク等)が20%、送迎/移動手段が7%、レクリエーション/スポーツ(ダイビング・ゴルフ等)が4%、イベント他(正月・クリスマス・お祭り等)が3%となる。
ツアー&アクティビティは売上げで見ると8割程度を占めている主力商品である。人(旅行者)と人(ガイド)との国際交流を促進するツアー&アクティビティとなる。各分野のプロフェッショナルで現地を熟知したドライバーが効率かつ安全な移動手段の提供を徹底している。サービスの質と安全性の両立は催行会社とのリレーションシップ(信頼関係)の高さが同社の強みとなる。
(5) 40万件を超える参加体験談がより同社の価値を高める
同社の価値を高めているのが同社サービスで参加した顧客だけの体験談の投稿である。参加体験談は2019年3月末時点で累計41万件に到達しており、投稿率が高い。体験談の中身は圧倒的に現地ガイドへの感謝のメッセージが多く、同社の媒体を通じて伝えることが1つの同社の世界観になっている。一方で、苦情等については徹底的にカスタマーサービスがしっかり顧客と向き合い、現地事業者との問題解決に取り組んでいる。
(6) ネット・プロモーター・スコア活用で相対評価
また、顧客ロイヤルティ(企業やブランドに対する愛着・信頼の度合い)を数値化する指標である「ネット・プロモーター・スコア(Net Promoter Score, NPS)」がある。これは、「あなたはこの商品を親しい友人や家族にどの程度すすめたいと思いますか?0-10点で点数を付けてください。」というもの。
10段階評価の一番上の3つを加点評価し、あとは切り捨てるシビアな指標である。同社では社内的にNPSを調査しており、現在3年目に入るが、2ケタ成長を続けている。今後は相対評価によるNPSを行い、顧客に対する企業価値においてNPSでの判断を進める。
(7) 商品のクオリティを重要視
同社では、商品のクオリティを重要視している。例えば体験談の投稿では、サイト上には5つ星や4つ星が多い。1つ星、2つ星が少なく、過去にはこれはヤラセではないのかといった声もあったようである。しかし、これは1つ星、2つ星を徹底的に改善するプロセスを踏んだ結果であり、こういった積み重ねによって、5つ星や4つ星が増えているのが現状である。プロセス踏みつつ、改善がなされない事業者との契約は解除するくらいクオリティにこだわっており、契約先では5,000社ほどあるが、過去に10%程度ほど契約を切ってきたこともある。
商品のラインナップにおいてスケールメリットを重要とは考えているが、一方で質の伴わない物については徹底的に排除し、改善し続けることにより、顧客との信頼を築いている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 村瀬智一)
<YM>
1. ベルトラ<7048>が提供する付加価値
(1) 顧客目線だけに着眼するのではなく、事業者の立ち位置も重要視
同社は5,000社に及ぶ国内外の厳選した旅行主催会社と契約。「人が届けるサービス」が最大の強みと考え、世界で活躍する6,000人を超えるホスピタリティの高いプロのツアーガイド&インストラクターとのパートナーシップ契約を持つ。ステークホルダーは顧客(旅行者)、現地サプライヤーとなるが、それぞれの価値の提供において、顧客に対しては、量において世界中150ヶ国のバリュエーション豊かな商品数を4言語で提供し、それぞれの国ごとに最適化したマーケティング活動を行っている。さらに、現地に行っても、旅前・出発前にでも同じ現地価格で提供する料金体系で、これをすべてオンラインで完結するオンラインサポートによって、顧客への価値の提供となる。
現地サプライヤーにおいては、商品のバリエーションが多く、体験したい商品など価値ある商品については積極的に手掛けている。あらゆる商品ラインナップについて柔軟に対応できる同社の商品販売システムによって、効率化が可能。顧客データに基づいたマーケティング活動に応じて、顧客ニーズに対応した商品・企画を事業者側に積極的に提案し、さらにクオリティを高めるために、体験談、顧客の声を現地サプライヤーにフィードバックすることにより、次の商品改善プロセスにつなげている。一方で、クオリティを高めるために顧客の体験談を活用しているが、サービスの問題点等については顧客目線だけに着眼するのではなく、事業者の立ち位置も重要視している。双方を信じることを定義し、その上でお互いの問題点、矛盾点を解決していくことに注力していることが同社の強みでもある。
(2) 現地事業者のブランド価値を高めるための努力を遂行
現地事業者と同社とは、立ち位置上においてWIN WINの関係にあるとみられる。現地事業者は通常、大手旅行会社の下請け、孫請けといった形で末端に位置する事業会社が多いと言われている。製造業で言えば末端の零細企業といったところだろう。過去には、売り手から様々な指示が出されていたため、現地事業者が自分たちで価格を決めることができず、新しいサービスを提案することも通用しなかったこともあったようである。その様な状況のなか、同社は現地事業者と直接契約し、現地事業者のブランド価値を高めるための努力を遂行することで、より多くのサービスを提供することができる一因である。
(3) 消費者ニーズに対応した商品ラインナップと世界各地の個性豊かなプロのツアーガイド
同社は世界150ヶ国、契約先事業者数が約5,000社で取扱いは国内最大級であり、これを4ヶ国語で提供する。様々な消費者ニーズに対応する商品を提供しており、特に個人旅行者の支持を獲得している。日本旅行業協会(JATA)の2019年1月〜3月期の旅行市場動向調査を見ても、国内旅行は前回(2018年10月−12月)からほぼ横ばいながら、個人旅行が回復しているほか、海外旅行についても個人旅行が好調である。こういった背景もあり、同社の会員数は順調に増加しており、2019年3月末時点で累計288万人、月間Visit数(訪問数)については2ケタ成長を続けており、2019年3月末時点で380万と順調に増加している。また、性別に関しては女性が58%、男性が42%であるが、家族の場合は男性の名前で契約することが多いこともあり、実際は70%超が女性とみられる。
(4) ツアー&アクティビティが66%占め、リレーションシップの高さが強み
商品構成では、ツアー&アクティビティ(ガイドがかかわるサービス)が66%を占めており、その他、チケットアトラクション(美術館・テーマパーク等)が20%、送迎/移動手段が7%、レクリエーション/スポーツ(ダイビング・ゴルフ等)が4%、イベント他(正月・クリスマス・お祭り等)が3%となる。
ツアー&アクティビティは売上げで見ると8割程度を占めている主力商品である。人(旅行者)と人(ガイド)との国際交流を促進するツアー&アクティビティとなる。各分野のプロフェッショナルで現地を熟知したドライバーが効率かつ安全な移動手段の提供を徹底している。サービスの質と安全性の両立は催行会社とのリレーションシップ(信頼関係)の高さが同社の強みとなる。
(5) 40万件を超える参加体験談がより同社の価値を高める
同社の価値を高めているのが同社サービスで参加した顧客だけの体験談の投稿である。参加体験談は2019年3月末時点で累計41万件に到達しており、投稿率が高い。体験談の中身は圧倒的に現地ガイドへの感謝のメッセージが多く、同社の媒体を通じて伝えることが1つの同社の世界観になっている。一方で、苦情等については徹底的にカスタマーサービスがしっかり顧客と向き合い、現地事業者との問題解決に取り組んでいる。
(6) ネット・プロモーター・スコア活用で相対評価
また、顧客ロイヤルティ(企業やブランドに対する愛着・信頼の度合い)を数値化する指標である「ネット・プロモーター・スコア(Net Promoter Score, NPS)」がある。これは、「あなたはこの商品を親しい友人や家族にどの程度すすめたいと思いますか?0-10点で点数を付けてください。」というもの。
10段階評価の一番上の3つを加点評価し、あとは切り捨てるシビアな指標である。同社では社内的にNPSを調査しており、現在3年目に入るが、2ケタ成長を続けている。今後は相対評価によるNPSを行い、顧客に対する企業価値においてNPSでの判断を進める。
(7) 商品のクオリティを重要視
同社では、商品のクオリティを重要視している。例えば体験談の投稿では、サイト上には5つ星や4つ星が多い。1つ星、2つ星が少なく、過去にはこれはヤラセではないのかといった声もあったようである。しかし、これは1つ星、2つ星を徹底的に改善するプロセスを踏んだ結果であり、こういった積み重ねによって、5つ星や4つ星が増えているのが現状である。プロセス踏みつつ、改善がなされない事業者との契約は解除するくらいクオリティにこだわっており、契約先では5,000社ほどあるが、過去に10%程度ほど契約を切ってきたこともある。
商品のラインナップにおいてスケールメリットを重要とは考えているが、一方で質の伴わない物については徹底的に排除し、改善し続けることにより、顧客との信頼を築いている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 村瀬智一)
<YM>