泉州電業 Research Memo(3):2019年10月期第2四半期は18.0%の営業増益。手元現預金は147億円
[19/06/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2019年10月期第2四半期の連結業績
(1) 損益状況
泉州電業<9824>の2019年10月期第2四半期の連結業績は、売上高42,404百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益2,150百万円(同18.0%増)、経常利益2,263百万円(同16.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,520百万円(同13.4%増)となった。
平均の銅価格は前年同期比で7.8%下落し売上高を押し下げる要因となったが、電力用ケーブル、加工品などが堅調に推移したことから全体では増収を確保した。増収に加えて売上総利益率が前年同期の15.4%から15.7%へ改善したことから、売上総利益額は6,668百万円(同5.9%増)となった。販管費の伸びを同0.9%増に抑えたことから営業利益は同18.0%増となった。売上総利益率が改善したのは、下記に述べるように相対的に利益率の高い商品が増加したことによる。
期間中の設備投資額は約1,257百万円、減価償却費は234百万円であった。投資の主な内訳は、大阪物流センター関連1,017百万円、東京西(八王子)の営業所・倉庫関連178百万円などであった。
(2) 財務状況
2019年10月期第2四半期末の資産合計は前期末比1,245百万円増の68,556百万円となった。流動資産は同516百万円増の44,260百万円となったが、主に現金及び預金の減少680百万円、受取手形及び売掛金の増加764百万円、商品の増加296百万円などによる。固定資産は同729百万円増の24,296百万円となったが、主に設備投資による有形固定資産の増加984百万円などによる。
負債については、負債合計が前期末比349百万円増の29,292百万円となった。流動負債は同350百万円増の26,530百万円となったが、主に支払手形及び買掛金の増加130百万円による。固定負債は前期末と同額の2,762百万円となったが、主に退職給付に係る負債の増加51百万円などによる。なお役員退職慰労金制度の廃止に伴い、「役員退職慰労引当金」の全額を取り崩し、打ち切り支給に伴う未払額511百万円を固定負債の「その他」に含めている。純資産合計は、主に利益剰余金の増加1,222百万円などにより、同895百万円増の39,263百万円となった。
2. 2019年10月期第2四半期の商品別概況(単体ベース)
商品別の状況(単体ベース)は以下のとおりであった。
(1) 機器用・通信用電線
取扱商品の中では比較的付加価値が高く、銅価格の変動の影響が少ない商品である。売上高は14,391百万円(前年同期比2.0%減)となった。主な向け先である半導体製造装置関連が失速、一部の工作機械関連も低調な動きであったことから前年同期比で減収となった。一方で、自動車向けや航空機向けの工作機械などは堅調であったことから、粗利額は売上げほど落ちてはいない。
(2) 電力用ケーブル
主に建設用(ビル、工場、病院及び学校等の大型施設など)に使われる電線であるが、競争も激しく利益率は低い。銅価格の影響を受けるが、需要が堅調に推移したことから売上高は13,475百万円(同9.5%増)となった。銅価格の影響がなければ、2ケタの増収になっていたと思われる。
(3) 汎用被覆線
主に電力用より細い電線で、住宅などに用いられる。電力用ケーブルと同様に銅価格の影響を受けやすいので、売上高は3,736百万円(同7.4%減)となったが、粗利額は増加しているとのこと。
(4) その他電線
主に中小メーカー向けの銅裸線の販売であるため、販売価格はほぼ銅価格にスライドする。そのため、売上高は1,940百万円(同5.0%減)であったが、粗利額は横ばいであった。
(5) 非電線
電線以外の商品が含まれる。各種の加工品、付属品、周辺機器などで、主要製品はソーラー関連の部品及び加工品※とワイヤーハーネス関連だが、銅価格の影響は小さく相対的に利益率の高い部門である。売上高は6,271百万円(同16.3%増)となり、粗利額も増加、全体の増益に寄与した。ソーラー関連が比較的好調であった。
※ソーラー関連は、ケーブルだけの場合は「電力用ケーブル」に、コネクター及び加工品が付いた場合は「非電線」に区分けされている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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1. 2019年10月期第2四半期の連結業績
(1) 損益状況
泉州電業<9824>の2019年10月期第2四半期の連結業績は、売上高42,404百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益2,150百万円(同18.0%増)、経常利益2,263百万円(同16.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,520百万円(同13.4%増)となった。
平均の銅価格は前年同期比で7.8%下落し売上高を押し下げる要因となったが、電力用ケーブル、加工品などが堅調に推移したことから全体では増収を確保した。増収に加えて売上総利益率が前年同期の15.4%から15.7%へ改善したことから、売上総利益額は6,668百万円(同5.9%増)となった。販管費の伸びを同0.9%増に抑えたことから営業利益は同18.0%増となった。売上総利益率が改善したのは、下記に述べるように相対的に利益率の高い商品が増加したことによる。
期間中の設備投資額は約1,257百万円、減価償却費は234百万円であった。投資の主な内訳は、大阪物流センター関連1,017百万円、東京西(八王子)の営業所・倉庫関連178百万円などであった。
(2) 財務状況
2019年10月期第2四半期末の資産合計は前期末比1,245百万円増の68,556百万円となった。流動資産は同516百万円増の44,260百万円となったが、主に現金及び預金の減少680百万円、受取手形及び売掛金の増加764百万円、商品の増加296百万円などによる。固定資産は同729百万円増の24,296百万円となったが、主に設備投資による有形固定資産の増加984百万円などによる。
負債については、負債合計が前期末比349百万円増の29,292百万円となった。流動負債は同350百万円増の26,530百万円となったが、主に支払手形及び買掛金の増加130百万円による。固定負債は前期末と同額の2,762百万円となったが、主に退職給付に係る負債の増加51百万円などによる。なお役員退職慰労金制度の廃止に伴い、「役員退職慰労引当金」の全額を取り崩し、打ち切り支給に伴う未払額511百万円を固定負債の「その他」に含めている。純資産合計は、主に利益剰余金の増加1,222百万円などにより、同895百万円増の39,263百万円となった。
2. 2019年10月期第2四半期の商品別概況(単体ベース)
商品別の状況(単体ベース)は以下のとおりであった。
(1) 機器用・通信用電線
取扱商品の中では比較的付加価値が高く、銅価格の変動の影響が少ない商品である。売上高は14,391百万円(前年同期比2.0%減)となった。主な向け先である半導体製造装置関連が失速、一部の工作機械関連も低調な動きであったことから前年同期比で減収となった。一方で、自動車向けや航空機向けの工作機械などは堅調であったことから、粗利額は売上げほど落ちてはいない。
(2) 電力用ケーブル
主に建設用(ビル、工場、病院及び学校等の大型施設など)に使われる電線であるが、競争も激しく利益率は低い。銅価格の影響を受けるが、需要が堅調に推移したことから売上高は13,475百万円(同9.5%増)となった。銅価格の影響がなければ、2ケタの増収になっていたと思われる。
(3) 汎用被覆線
主に電力用より細い電線で、住宅などに用いられる。電力用ケーブルと同様に銅価格の影響を受けやすいので、売上高は3,736百万円(同7.4%減)となったが、粗利額は増加しているとのこと。
(4) その他電線
主に中小メーカー向けの銅裸線の販売であるため、販売価格はほぼ銅価格にスライドする。そのため、売上高は1,940百万円(同5.0%減)であったが、粗利額は横ばいであった。
(5) 非電線
電線以外の商品が含まれる。各種の加工品、付属品、周辺機器などで、主要製品はソーラー関連の部品及び加工品※とワイヤーハーネス関連だが、銅価格の影響は小さく相対的に利益率の高い部門である。売上高は6,271百万円(同16.3%増)となり、粗利額も増加、全体の増益に寄与した。ソーラー関連が比較的好調であった。
※ソーラー関連は、ケーブルだけの場合は「電力用ケーブル」に、コネクター及び加工品が付いた場合は「非電線」に区分けされている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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