動物高度医療 Research Memo(1):犬・猫向け高度医療専門の総合動物病院
[19/07/08]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
1. 犬・猫向け高度医療専門の総合動物病院
日本動物高度医療センター<6039>(JARMeC=Japan Animal Referral Medical Center)は、ペット(犬・猫)向け高度医療を専門に行う総合動物病院(二次診療施設)を展開している。犬・猫の飼い主にとっての「かかりつけの動物病院」(一次診療施設)と連携し、連携病院を中心とする一次診療施設からの完全紹介・予約制によって、一次診療施設では対処が困難な重度の患者動物に対して高度医療(二次診療)を行う。連結子会社の(株)キャミック(CAMIC)は、高度医療機器を用いた動物の画像診断サービスを展開している。
専門診療科による高度医療、最先端の高度医療設備・機器、柔軟な患者動物受入対応、チームによる診療体制などを強みとしている。患者動物に最適な検査・診断・治療を迅速に提供できる高度医療専門の総合動物病院への参入障壁は高く、同社にアドバンテージがあると考えられる。
2. 2019年3月期は東京病院の通期稼働などで計画超の大幅増収増益
2019年3月期連結業績は、売上高が2018年3月期比13.5%増の2,563百万円、営業利益が41.9%増の397百万円、経常利益が53.7%増の404百万円、親会社株主帰属当期純利益が41.7%増の294百万円だった。計画(売上高2,560百万円、営業利益350百万円、経常利益350百万円、親会社株主帰属当期純利益285百万円)超の大幅増収増益だった。売上面では東京病院(2018年1月開業)通期稼働による首都圏東部・北部からの紹介受入強化などで初診件数が23.4%増加し、大幅増収となった。利益面では東京病院稼働に伴う人件費などのコスト増加を増収効果で吸収した。
3. 2020年3月期は初診件数が伸長して増収増益予想
2020年3月期連結業績予想は、売上高が2019年3月期比3.4%増の2,650百万円、営業利益が3.2%増の410百万円、経常利益が1.2%増の410百万円、親会社株主帰属当期純利益が1.7%増の300百万円としている。東京病院稼働効果が一巡するが、初診件数が伸長して増収増益予想である。各種セミナーの積極的な開催による認知度向上、地域の一次診療施設との継続的なコミュニケーション強化などで、初診件数は2019年3月期比4%増程度を想定している。なお小幅増収増益にとどまる形だが、同社は働き方改革や時間外労働の上限規制なども考慮して保守的な予想としている。初診件数が順調に伸長して上振れ余地があるだろう。
4. 動物医療業界の総合的企業を目指す
成長戦略には拠点拡大、対外活動強化、人材育成・確保、新規事業拡大を掲げている。拠点拡大では全国主要都市への施設展開を推進して紹介受入体制を強化する。2018年1月の東京病院開業で首都圏東部・北部からの紹介受入を強化した。2021年秋頃には大阪病院(仮称)開業を計画(土地取得済み)している。その後は東名阪の拠点を中心に連携病院数や紹介件数の増加を加速させる方針だ。新規事業では2019年2月、ペット向けIoT健康管理ツール「プラスサイクル」をリリースした。スマートフォンと連動してペットの日常の活動量を測定(ペットの「元気」を可視化)し、重症化する前にペットの異常を早期発見する「ペット・テック」ツールである。こうした戦略の推進によって動物医療業界の総合的企業を目指す方針だ。動物高度医療の市場拡大余地は大きく、高度医療サービスを提供できる総合動物病院の強みを生かしながら、積極的な事業展開で中長期的に成長が期待される。
■Key Points
・ペット(犬・猫)向け高度医療専門の総合動物病院
・2020年3月期増収増益予想
・動物高度医療分野は市場拡大余地大きく中期成長期待
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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1. 犬・猫向け高度医療専門の総合動物病院
日本動物高度医療センター<6039>(JARMeC=Japan Animal Referral Medical Center)は、ペット(犬・猫)向け高度医療を専門に行う総合動物病院(二次診療施設)を展開している。犬・猫の飼い主にとっての「かかりつけの動物病院」(一次診療施設)と連携し、連携病院を中心とする一次診療施設からの完全紹介・予約制によって、一次診療施設では対処が困難な重度の患者動物に対して高度医療(二次診療)を行う。連結子会社の(株)キャミック(CAMIC)は、高度医療機器を用いた動物の画像診断サービスを展開している。
専門診療科による高度医療、最先端の高度医療設備・機器、柔軟な患者動物受入対応、チームによる診療体制などを強みとしている。患者動物に最適な検査・診断・治療を迅速に提供できる高度医療専門の総合動物病院への参入障壁は高く、同社にアドバンテージがあると考えられる。
2. 2019年3月期は東京病院の通期稼働などで計画超の大幅増収増益
2019年3月期連結業績は、売上高が2018年3月期比13.5%増の2,563百万円、営業利益が41.9%増の397百万円、経常利益が53.7%増の404百万円、親会社株主帰属当期純利益が41.7%増の294百万円だった。計画(売上高2,560百万円、営業利益350百万円、経常利益350百万円、親会社株主帰属当期純利益285百万円)超の大幅増収増益だった。売上面では東京病院(2018年1月開業)通期稼働による首都圏東部・北部からの紹介受入強化などで初診件数が23.4%増加し、大幅増収となった。利益面では東京病院稼働に伴う人件費などのコスト増加を増収効果で吸収した。
3. 2020年3月期は初診件数が伸長して増収増益予想
2020年3月期連結業績予想は、売上高が2019年3月期比3.4%増の2,650百万円、営業利益が3.2%増の410百万円、経常利益が1.2%増の410百万円、親会社株主帰属当期純利益が1.7%増の300百万円としている。東京病院稼働効果が一巡するが、初診件数が伸長して増収増益予想である。各種セミナーの積極的な開催による認知度向上、地域の一次診療施設との継続的なコミュニケーション強化などで、初診件数は2019年3月期比4%増程度を想定している。なお小幅増収増益にとどまる形だが、同社は働き方改革や時間外労働の上限規制なども考慮して保守的な予想としている。初診件数が順調に伸長して上振れ余地があるだろう。
4. 動物医療業界の総合的企業を目指す
成長戦略には拠点拡大、対外活動強化、人材育成・確保、新規事業拡大を掲げている。拠点拡大では全国主要都市への施設展開を推進して紹介受入体制を強化する。2018年1月の東京病院開業で首都圏東部・北部からの紹介受入を強化した。2021年秋頃には大阪病院(仮称)開業を計画(土地取得済み)している。その後は東名阪の拠点を中心に連携病院数や紹介件数の増加を加速させる方針だ。新規事業では2019年2月、ペット向けIoT健康管理ツール「プラスサイクル」をリリースした。スマートフォンと連動してペットの日常の活動量を測定(ペットの「元気」を可視化)し、重症化する前にペットの異常を早期発見する「ペット・テック」ツールである。こうした戦略の推進によって動物医療業界の総合的企業を目指す方針だ。動物高度医療の市場拡大余地は大きく、高度医療サービスを提供できる総合動物病院の強みを生かしながら、積極的な事業展開で中長期的に成長が期待される。
■Key Points
・ペット(犬・猫)向け高度医療専門の総合動物病院
・2020年3月期増収増益予想
・動物高度医療分野は市場拡大余地大きく中期成長期待
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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