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高千穂交易 Research Memo(1):競争力強化や収益力向上など、新たな中期経営計画でビジネス拡大を目指す

注目トピックス 日本株
■要約

高千穂交易<2676>は、セキュリティ関連などのシステム機器、機構部品、半導体などのデバイス機器を主として海外メーカーから仕入れて国内のユーザーに提供するBtoBの商社である。特に「安全・安心・快適」を提供する商品監視システムや機構部品のスライドレールでは国内トップクラスの高いシェアを持っており、近年は海外企業の買収によりセキュリティシステムや防火システムの東南アジア地区での拡販にも力を入れている。

1. 2019年3月期の業績動向
2019年3月期は、売上高19,894百万円(前期比1.7%増)、営業利益989百万円(同49.1%増)、経常利益1,086百万円(同53.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益491百万円(同275.3%増)となった。前期比で増収・増益にはなったが、計画(売上高22,500百万円、営業利益1,200百万円)を下回った。特にセキュリティプロダクトのリテール向け、電子プロダクトのスマートフォン向けや半導体製造装置向けが不振であった。親会社株主に帰属する当期純利益は、粗利率が向上したことに加え、為替差益を54百万円計上したこと等から、前期比で大幅増益となった。

2. 2020年3月期の見通し
進行中の2020年3月期は、売上高で22,100百万円(前期比11.1%増)、営業利益で1,200百万円(同21.3%増)、経常利益で1,200百万円(同10.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で800百万円(同62.9%増)と予想している。システム、デバイスの両セグメントで増収・増益を計画しているが、特にシステムではリテール向けの拡販と、昨年度受注したタイの高度防火システム案件の早期実績化に注力する。デバイスの電子では産業機器向け、産機では米中などのグローバルビジネスの攻略を進める計画だ。なお今期からシステムのサブセグメントを一部組み替えている。

3. 中期経営計画
同社は前回の中期経営計画で2019年3月期に経常利益15億円の目標を掲げていたが、これは未達に終わった。これを受けて2022年3月期(同社の創業70周年)を最終年度とする新しい中期経営計画を発表した。「変革へのチャレンジ〜Next Stage to 70th〜」をスローガンとし、様々な定性的な施策を実行する一方で、定量的な目標は最終年度に売上高260億円、経常利益18億円を目指す。さらに株主還元においても、それまでの「安定配当24円」から「安定配当24円+業績連動型=配当性向40%」に変更し、株主に対して積極的に利益を還元していく方針を打ち出している。

■Key Points
・システム機器、機構部品、半導体等のBtoB輸入商社であり、専門的技術者が多い
・2019年3月期は計画を下回るも前期比では49.1%の営業増益
・新中期経営計画を発表、2022年3月期に経常利益18億円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)




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