高千穂交易 Research Memo(4):システム事業とデバイス事業が2本柱。海外では防火システムも手掛ける(2)
[19/07/23]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■高千穂交易<2676>の事業概要
3. デバイス事業
(1) 電子プロダクト(2019年3月期総売上高に占める比率16.7%)
主に海外メーカー製の半導体や電子デバイス、センサー等を扱っている。主たる仕入先はアナログ・デバイセズ、モノリシックパワーシステムズ、ノウルズ、オクタジックなど。ピーク時の2008年3月期には185億円の売上げを計上していたが、近年では日本市場の縮小などに伴い30億円台の規模となっている。利益率を向上させるため、技術サポートや複合的なソリューション販売に注力し、付加価値を高めている。主な向け先別比率(2019年3月期)はDA1が5.4%、DA2が15.3%、TT(テレマティックス)が15.5%、II(インダストリーインフラ)が38.1%、アミューズメントが1.7%、電源が14.6%、その他が9.4%となっている。
(2) 産機プロダクト(同21.6%)
快適な社会環境・生活環境づくりに資する製品を製造する顧客へ機構部品(スライドレール、ガススプリング、昇降システム、ソフトクローズユニット等)や電子錠などの「ムーブメント・ソリューション」を販売している。主な向け先別比率(同)は、自動機が28.4%、住設が18.5%、OA/PPCが10.9%、OF(オフィス家具)が14.6%、遊技が6.6%、その他が21.0%となっている。
ATM向けのスライドレールでは国内トップシェアを誇る。商社でありながら独自の設計やオリジナルプログラムによるシミュレーション解析などを実施し、顧客の要望にマッチした商品開発に取り組んでいる。2015年からは米国法人を通じて、米国住宅設備市場などへの参入を図っている。
4. 主な仕入先と販売先
以上のように同社は非常に多くの商品・製品を取り扱っていることから仕入先は約400社に上るが、主要製品を供給する上位20社が約60%を占める。一方で販売先も多岐にわたっており、取引先の口座数は約2,000社になるが、主要な上位顧客20社が40%を占める。特定の顧客に偏っていることはなく、顧客層は分散されている。
5. 競合、特色、強み
同社は非常に多くの商品を取り扱っているため、それぞれの分野で多くの競合会社が存在する。しかし、事業全体において特にこれといった競合会社を探すのは簡単ではない。あえて個別分野での競合会社を挙げれば、商品監視システムでの(株)チェックポイントシステムジャパン、スライドレールでの日本アキュライド(株)(両社とも米国の日本法人)、半導体では規模は異なるが半導体専門商社など。また、RFID分野では多くの電機メーカーやシステム会社と競合する。
同社の最大の特色は専門性の高い商材を扱っている点だろう。そのため営業社員であっても技術的に高い専門性・知識を持っており、同社の社員の40%以上が技術系出身となっている。ある意味で専門的なプロ集団とも言える。そのため同社は、売上規模は大きくはないが、売上総利益率は25%前後となっており、一般的な半導体や電子部品商社の売上総利益率(約10〜15%)と比べて高い。
高い専門性を備えた社員が多いことから、単に1つの製品を右から左へ販売するだけでなく、顧客のニーズを理解してA製品とB製品にCソフトを組み合わせて最適なソリューションを提供するような提案型営業ができるのも同社の特色であり強みだろう。また、そのような専門性を有していることから顧客からの信頼も厚く、顧客の要望に沿って材料段階から企画・設計を行うような場合もある。同社のそのような専門性・特殊性は売上総利益率に現れている。
このような専門性を備えたビジネススタイルというのは、ある意味では「深く・狭く」でもあったが、今後は後述の中期経営計画でも述べるように、専門性を活かしながら先行投資した子会社を十二分に活用し、グローバル市場を視野に横断的に「深く・広く」事業展開を図る計画だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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3. デバイス事業
(1) 電子プロダクト(2019年3月期総売上高に占める比率16.7%)
主に海外メーカー製の半導体や電子デバイス、センサー等を扱っている。主たる仕入先はアナログ・デバイセズ
(2) 産機プロダクト(同21.6%)
快適な社会環境・生活環境づくりに資する製品を製造する顧客へ機構部品(スライドレール、ガススプリング、昇降システム、ソフトクローズユニット等)や電子錠などの「ムーブメント・ソリューション」を販売している。主な向け先別比率(同)は、自動機が28.4%、住設が18.5%、OA/PPCが10.9%、OF(オフィス家具)が14.6%、遊技が6.6%、その他が21.0%となっている。
ATM向けのスライドレールでは国内トップシェアを誇る。商社でありながら独自の設計やオリジナルプログラムによるシミュレーション解析などを実施し、顧客の要望にマッチした商品開発に取り組んでいる。2015年からは米国法人を通じて、米国住宅設備市場などへの参入を図っている。
4. 主な仕入先と販売先
以上のように同社は非常に多くの商品・製品を取り扱っていることから仕入先は約400社に上るが、主要製品を供給する上位20社が約60%を占める。一方で販売先も多岐にわたっており、取引先の口座数は約2,000社になるが、主要な上位顧客20社が40%を占める。特定の顧客に偏っていることはなく、顧客層は分散されている。
5. 競合、特色、強み
同社は非常に多くの商品を取り扱っているため、それぞれの分野で多くの競合会社が存在する。しかし、事業全体において特にこれといった競合会社を探すのは簡単ではない。あえて個別分野での競合会社を挙げれば、商品監視システムでの(株)チェックポイントシステムジャパン、スライドレールでの日本アキュライド(株)(両社とも米国の日本法人)、半導体では規模は異なるが半導体専門商社など。また、RFID分野では多くの電機メーカーやシステム会社と競合する。
同社の最大の特色は専門性の高い商材を扱っている点だろう。そのため営業社員であっても技術的に高い専門性・知識を持っており、同社の社員の40%以上が技術系出身となっている。ある意味で専門的なプロ集団とも言える。そのため同社は、売上規模は大きくはないが、売上総利益率は25%前後となっており、一般的な半導体や電子部品商社の売上総利益率(約10〜15%)と比べて高い。
高い専門性を備えた社員が多いことから、単に1つの製品を右から左へ販売するだけでなく、顧客のニーズを理解してA製品とB製品にCソフトを組み合わせて最適なソリューションを提供するような提案型営業ができるのも同社の特色であり強みだろう。また、そのような専門性を有していることから顧客からの信頼も厚く、顧客の要望に沿って材料段階から企画・設計を行うような場合もある。同社のそのような専門性・特殊性は売上総利益率に現れている。
このような専門性を備えたビジネススタイルというのは、ある意味では「深く・狭く」でもあったが、今後は後述の中期経営計画でも述べるように、専門性を活かしながら先行投資した子会社を十二分に活用し、グローバル市場を視野に横断的に「深く・広く」事業展開を図る計画だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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