アトラエ Research Memo(4):主力事業「Green」に加え「wevox」のマネタイズが本格化(1)
[19/07/23]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
アトラエ<6194>が手掛ける事業は、主力サービスである成功報酬型求人メディア「Green」の企画・運営と、組織改善プラットフォーム「wevox」の企画・開発・運営、ビジネスパーソン同士を結び付けるスマートフォンアプリ「yenta」の3種類である。
2019年9月期第2四半期時点での売上高の内訳を事業別に見ると、2017年9月期は1%以下であった新規事業・その他が2019年9月期第2四半期時点では6.7%にまで増加している。さらに2019年9月期では、新規事業の売上構成比は10%を見込んでおり、新規事業での成長拡大に注力している。「Green」一極集中の状態から「wevox」、「yenta」も巻き込んで事業ポートフォリオのバランスが良くなってきている。
1. 成功報酬型求人メディア「Green」
「Green」は業界初の成功報酬型求人メディアである。インターネット時代におけるまったく新しい人と企業のマッチングプラットフォームとして、蓄積してきた膨大な採用活動・転職活動データの解析をもとに、転職希望者には最適化した求人提案を、採用企業には最適化した人材提案を実現し、効率的なマッチングを生み出している。アナログに人が仲介することで、クローズド・高額にならざるを得なかった従来のサービスに対し、ITを最大限活用することによってオープンで安価に価値を提供するプラットフォームを実現している。
「Green」の優位性は3点ある。
(1) 圧倒的な先行優位
「Green」は成功報酬型のモデルで10年以上運営しており、登録企業数が6,000社を超え、登録ユーザIDが60万人を超えるなど、利用企業、ユーザともに認知度が高まってきている。IT/Web系の人材に強みを持つ求人メディアであるが、様々な業界でデジタル化が進んでおり、上場による知名度や信用力の向上で利用企業のすそ野がますます拡大している。
従来の求人メディアは採用の成否に関わらず、求人広告の掲載と同時に広告掲載料金が発生していた。しかし、「Green」では新規登録時に初期設定費を払えば、その後は求人広告の掲載期間や掲載求人数の制限がない。また、採用が成功し、求職者が実際に入社した段階で成功報酬が発生する料金体系であるため、掛け捨てリスクがない。加えて、従来の人材紹介会社のように求職者と求人企業を仲介するキャリアアドバイザーの雇用が必要ないため、人材紹介会社と比較して定額制(地域別)かつ安価な料金モデルを実現している。
(2) 圧倒的な価格競争力
同社は「アドバイザーや施設コストは不要で低コスト実現」として、固定費を抱え込まずに運営している。これにより関東圏、関西圏、東北圏などエリアごとに一律の固定料金を設定しており、競合サービスと比較しても圧倒的に安価で優秀な人材採用が可能となっている。
(3) ビッグデータなどテクノロジー活用
「Green」には、どのような職務経歴、専門能力、経験年数の求職者(プロフィールデータ)が、どのような業種、職種、規模、社風の企業にアプローチを行ったか(アクションデータ)、書類選考を通過したか、何次面接まで進んだか、内定もしくは入社まで至ったか(選考データ)、といった求人企業の採用活動または求職者の転職活動に関するあらゆるデータが蓄積されている。このデータを解析することで、転職を考える求職者には最適化された求人情報を、採用を考える求人企業には最適化された求職者情報を届けられるシステムを実現しており、書類選考通過率(マッチング精度)向上を実現し、同社の優位性を確立している。
同社では「Green」が狙うターゲット市場として、国内の人材紹介市場規模を2,860億円、そのうち30%に当たる860億円をIT業界の市場規模と見込んでいる。「Green」は従来の人材紹介サービスのディスカウントモデルであるため、市場規模としてはこの60%に相当すると見込んでおり、それが全業界では1,700億円、IT業界では510億円がターゲットとみている。2019年9月期の「Green」の成功報酬目標値23億円を達成したとしても、全業界に対しては1.3%、IT業界に対しては4.5%とわずかであり、今後も「Green」の成長可能性は高いと推察される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山崇行)
<SF>
アトラエ<6194>が手掛ける事業は、主力サービスである成功報酬型求人メディア「Green」の企画・運営と、組織改善プラットフォーム「wevox」の企画・開発・運営、ビジネスパーソン同士を結び付けるスマートフォンアプリ「yenta」の3種類である。
2019年9月期第2四半期時点での売上高の内訳を事業別に見ると、2017年9月期は1%以下であった新規事業・その他が2019年9月期第2四半期時点では6.7%にまで増加している。さらに2019年9月期では、新規事業の売上構成比は10%を見込んでおり、新規事業での成長拡大に注力している。「Green」一極集中の状態から「wevox」、「yenta」も巻き込んで事業ポートフォリオのバランスが良くなってきている。
1. 成功報酬型求人メディア「Green」
「Green」は業界初の成功報酬型求人メディアである。インターネット時代におけるまったく新しい人と企業のマッチングプラットフォームとして、蓄積してきた膨大な採用活動・転職活動データの解析をもとに、転職希望者には最適化した求人提案を、採用企業には最適化した人材提案を実現し、効率的なマッチングを生み出している。アナログに人が仲介することで、クローズド・高額にならざるを得なかった従来のサービスに対し、ITを最大限活用することによってオープンで安価に価値を提供するプラットフォームを実現している。
「Green」の優位性は3点ある。
(1) 圧倒的な先行優位
「Green」は成功報酬型のモデルで10年以上運営しており、登録企業数が6,000社を超え、登録ユーザIDが60万人を超えるなど、利用企業、ユーザともに認知度が高まってきている。IT/Web系の人材に強みを持つ求人メディアであるが、様々な業界でデジタル化が進んでおり、上場による知名度や信用力の向上で利用企業のすそ野がますます拡大している。
従来の求人メディアは採用の成否に関わらず、求人広告の掲載と同時に広告掲載料金が発生していた。しかし、「Green」では新規登録時に初期設定費を払えば、その後は求人広告の掲載期間や掲載求人数の制限がない。また、採用が成功し、求職者が実際に入社した段階で成功報酬が発生する料金体系であるため、掛け捨てリスクがない。加えて、従来の人材紹介会社のように求職者と求人企業を仲介するキャリアアドバイザーの雇用が必要ないため、人材紹介会社と比較して定額制(地域別)かつ安価な料金モデルを実現している。
(2) 圧倒的な価格競争力
同社は「アドバイザーや施設コストは不要で低コスト実現」として、固定費を抱え込まずに運営している。これにより関東圏、関西圏、東北圏などエリアごとに一律の固定料金を設定しており、競合サービスと比較しても圧倒的に安価で優秀な人材採用が可能となっている。
(3) ビッグデータなどテクノロジー活用
「Green」には、どのような職務経歴、専門能力、経験年数の求職者(プロフィールデータ)が、どのような業種、職種、規模、社風の企業にアプローチを行ったか(アクションデータ)、書類選考を通過したか、何次面接まで進んだか、内定もしくは入社まで至ったか(選考データ)、といった求人企業の採用活動または求職者の転職活動に関するあらゆるデータが蓄積されている。このデータを解析することで、転職を考える求職者には最適化された求人情報を、採用を考える求人企業には最適化された求職者情報を届けられるシステムを実現しており、書類選考通過率(マッチング精度)向上を実現し、同社の優位性を確立している。
同社では「Green」が狙うターゲット市場として、国内の人材紹介市場規模を2,860億円、そのうち30%に当たる860億円をIT業界の市場規模と見込んでいる。「Green」は従来の人材紹介サービスのディスカウントモデルであるため、市場規模としてはこの60%に相当すると見込んでおり、それが全業界では1,700億円、IT業界では510億円がターゲットとみている。2019年9月期の「Green」の成功報酬目標値23億円を達成したとしても、全業界に対しては1.3%、IT業界に対しては4.5%とわずかであり、今後も「Green」の成長可能性は高いと推察される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山崇行)
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