イメージワン Research Memo(2):新たな企業理念のもとで、健康及び環境領域での事業展開を推進
[19/07/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
1. 新生イメージ ワンとしての歩みが始まった
イメージ ワン<2667>は株式会社イメージアンドメジャーメントとして1984年4月に設立、画像処理関連機器及び電子計測機器の輸入販売を開始した。1989年5月にはカナダのMacDonald, Dettwiler and Associates Ltd.と販売総代理店契約を締結し、現在のGEOソリューション事業の基礎となる衛星画像事業に参入、1992年7月には医療診断画像処理機器の輸入販売を開始し、現在の主力事業であるヘルスケアソリューション事業(医療画像事業)に進出した。その後、2000年7月に株式会社イメージ ワンに商号変更し、同年9月には大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場(現JASDAQ市場)への株式上場を果たしている。
また、2016年11月に光通信<9435>の子会社(株)EPARKとの合弁で(株)イメージワン ゼロット(現(株)エンパワープレミアム)を設立し、美容整形分野等の自由診療(保険非適用診療、自費診療)分野の予約・検索サイトの運営事業を立ち上げたが、2018年5月にエンパワープレミアム(光通信とRIZAPグループ<2928>の合弁会社、歯科分野における自由診療向けの予約・検索Webサービス事業を展開)がイメージワン ゼロットを吸収合併、Webサービス事業については、関連会社(同社が筆頭株主)となったエンパワープレミアムを通じて推進することになった。
そして2018年12月開催の定時株主総会において、コーポレートガバナンス手段として新規事業を行うための定款変更と経営陣の刷新を柱とする株主提案議案が提案され可決され、新生イメージ ワンとしての歩みが始まった。新たな企業理念は「『人の健康と地球環境』の分野において、IT医療と再生可能エネルギー及び環境事業を通じ、健康な長寿社会とクリーンなエネルギー社会の創造に貢献してまいります。」であり、既存事業の再構築に加え、電子カルテ等の医療関連事業や太陽光発電等の再生可能エネルギー事業、バイオプラスチック等の環境事業といった新規事業領域への積極投資を推進しようとしている。
2. 新経営陣は経営改革のためにパートナー戦略を加速
同社は、事業領域での競争力確保を主目的とする資本業務提携契約を始め、主力製品の安定調達を確かにするための輸入代理店契約、新たな事業領域進出における共同開発や合弁契約、効率的な開発を目的とする外部委託の活用、自社による営業拠点展開(東京、仙台、名古屋、大阪、福岡)を補完する医療機器メーカー等との協業など、これまでもプロダクトとマーケティングの両面でバリューチェーンを強化するためにパートナー戦略を推進してきた。そして、2019年3月に公表された新中期経営計画では、「M&A・業務提携への取り組み」が経営改革の柱の1つに掲げられている。
実際、新経営陣は新規事業領域を中心にパートナー戦略を加速している。具体的には、太陽光発電領域での(株)ユニ・ロットとの業務提携・合同会社設立、電子カルテ領域での(株)アックスエンジニアリングとの総販売代理店契約締結、再生医療領域での(株)RMDCとの業務提携などが既に実現、既存事業領域においても、医療被ばく線量管理システム「onti」の独占販売権を(株)RYUKYU ISGから獲得している。なお、ユニ・ロットは、太陽光発電システム開発において独立系としては国内トップクラスの規模を有する企業だが、同社の2.56%出資会社でもある。また、アックスエンジニアリングは大手メーカーの電子カルテシステムの外注先として実績を持つ企業であり、同社との資本関係はないものの、同社の立花取締役はアックスエンジニアリングの代表取締役との兼務である。
一方で、既存事業の再構築もスピード感を持って進行している。「duranta(ウェアブル心電計)」事業の譲渡と投資事業の要でWeb関連サービスを手掛けるエンパワープレミアムの減損処理を相次いで実行している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)
<MH>
1. 新生イメージ ワンとしての歩みが始まった
イメージ ワン<2667>は株式会社イメージアンドメジャーメントとして1984年4月に設立、画像処理関連機器及び電子計測機器の輸入販売を開始した。1989年5月にはカナダのMacDonald, Dettwiler and Associates Ltd.と販売総代理店契約を締結し、現在のGEOソリューション事業の基礎となる衛星画像事業に参入、1992年7月には医療診断画像処理機器の輸入販売を開始し、現在の主力事業であるヘルスケアソリューション事業(医療画像事業)に進出した。その後、2000年7月に株式会社イメージ ワンに商号変更し、同年9月には大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場(現JASDAQ市場)への株式上場を果たしている。
また、2016年11月に光通信<9435>の子会社(株)EPARKとの合弁で(株)イメージワン ゼロット(現(株)エンパワープレミアム)を設立し、美容整形分野等の自由診療(保険非適用診療、自費診療)分野の予約・検索サイトの運営事業を立ち上げたが、2018年5月にエンパワープレミアム(光通信とRIZAPグループ<2928>の合弁会社、歯科分野における自由診療向けの予約・検索Webサービス事業を展開)がイメージワン ゼロットを吸収合併、Webサービス事業については、関連会社(同社が筆頭株主)となったエンパワープレミアムを通じて推進することになった。
そして2018年12月開催の定時株主総会において、コーポレートガバナンス手段として新規事業を行うための定款変更と経営陣の刷新を柱とする株主提案議案が提案され可決され、新生イメージ ワンとしての歩みが始まった。新たな企業理念は「『人の健康と地球環境』の分野において、IT医療と再生可能エネルギー及び環境事業を通じ、健康な長寿社会とクリーンなエネルギー社会の創造に貢献してまいります。」であり、既存事業の再構築に加え、電子カルテ等の医療関連事業や太陽光発電等の再生可能エネルギー事業、バイオプラスチック等の環境事業といった新規事業領域への積極投資を推進しようとしている。
2. 新経営陣は経営改革のためにパートナー戦略を加速
同社は、事業領域での競争力確保を主目的とする資本業務提携契約を始め、主力製品の安定調達を確かにするための輸入代理店契約、新たな事業領域進出における共同開発や合弁契約、効率的な開発を目的とする外部委託の活用、自社による営業拠点展開(東京、仙台、名古屋、大阪、福岡)を補完する医療機器メーカー等との協業など、これまでもプロダクトとマーケティングの両面でバリューチェーンを強化するためにパートナー戦略を推進してきた。そして、2019年3月に公表された新中期経営計画では、「M&A・業務提携への取り組み」が経営改革の柱の1つに掲げられている。
実際、新経営陣は新規事業領域を中心にパートナー戦略を加速している。具体的には、太陽光発電領域での(株)ユニ・ロットとの業務提携・合同会社設立、電子カルテ領域での(株)アックスエンジニアリングとの総販売代理店契約締結、再生医療領域での(株)RMDCとの業務提携などが既に実現、既存事業領域においても、医療被ばく線量管理システム「onti」の独占販売権を(株)RYUKYU ISGから獲得している。なお、ユニ・ロットは、太陽光発電システム開発において独立系としては国内トップクラスの規模を有する企業だが、同社の2.56%出資会社でもある。また、アックスエンジニアリングは大手メーカーの電子カルテシステムの外注先として実績を持つ企業であり、同社との資本関係はないものの、同社の立花取締役はアックスエンジニアリングの代表取締役との兼務である。
一方で、既存事業の再構築もスピード感を持って進行している。「duranta(ウェアブル心電計)」事業の譲渡と投資事業の要でWeb関連サービスを手掛けるエンパワープレミアムの減損処理を相次いで実行している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)
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