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イメージワン Research Memo(4):スピーディーに進む既存事業の再構築と新規事業への積極投資(2)

注目トピックス 日本株
■事業内容

4. 関連会社で展開するWebサービス事業
イメージ ワン<2667>は、2016年11月に光通信の子会社EPARKとの合弁でイメージワン ゼロットを設立し、美容整形分野等の自由診療(保険非適用診療、自費診療)分野の予約・検索サイトの運営事業を立ち上げたが、2018年5月にエンパワープレミアム(光通信とRIZAPグループの合弁会社、歯科分野における自由診療向けの予約・検索Webサービス事業を展開)がイメージワン ゼロットを吸収合併、Webサービス事業については、連結子会社ではなく関連会社(同社が筆頭株主)となったエンパワープレミアムを通じて推進することになった。エンパワープレミアムは今後の事業方針として、1)インプラントや矯正などの歯科分野における自由診療向けの予約・検索Webサービス事業の更なる充実、2)自由診療に注力する歯科クリニック向けの顧客管理システムの構築と販売を強化、を挙げ、最終的に総合的なWebサービス事業を目指すと言う。

厚生労働省の2014年医療施設調査による診療科目別の全国施設数を見ると、美容外科が1,251件(診療所1,128件、病院123件)、歯科は69,992件(診療所68,886件、病院1,106件)、矯正歯科だけでも23,767件(診療所23,625件、病院142件)に達しており、市場規模の違いは明確である。実際の事業状況を見ても、かねてイメージワン ゼロットが運営していた美容医療施設情報サイト「CLINIKE」は高い市場カバー率を誇りながらも、掲載医院数は400件超にとどまっていた。一方、エンパワープレミアムが運営する美容診療・自由診療比較サイト「kiki DENTAL」の掲載医院数は昨年調査時点(2018年6月14日)の9,032件から一気に増加、今回調査時点(2019年6月9日)では55,955件となっている。

新経営陣のもとでも、エンパワープレミアムの支援継続は確定している。医療画像システム関連商品に関わる技術及び営業のノウハウを、エンパワープレミアムの顧客管理システムの構築、販売等のサポートに生かしていく方針のもと、公表済みである「歯科クリニック向けCRMソフトウェア(Customer Relationship Management:様々な顧客情報を一括管理し、営業戦略に活用する経営手法のこと)」の販売に加えて、新規事業領域においてもエンパワープレミアムの顧客タッチポイントが活用されることに期待したい。

5. 新規事業として太陽光発電、電子カルテ、再生医療といった領域に参入
2019年5月末時点で、同社は太陽光発電事業のほか電子カルテ事業、再生医療関連事業への参入を実行している。まず、太陽光発電事業における具体的な取り組みを見ると、ユニ・ロットとの業務提携と合同会社(メガソーラー開発1号)への25%出資と稼働済み太陽光発電所(セカンダリー)の取得が行われた。ユニ・ロットは、太陽光発電システム開発において独立系としては国内トップクラスの規模を有する企業であり、地権者からの用地賃借に始まり、経済産業省からの設備ID及び電力会社からの許認可(発電設備を系統に接続する権利)の取得、発電所の完成に至るプロセスを自前で進めるノウハウを持つ。メガソーラー開発1号による事業は、40MW相当の太陽光発電所を2021年9月期までに稼働させる計画であったが、7月に入り売却を行い今期に利益計上する見込となった。セカンダリー事業に関しては、リース会社を活用した割賦販売契約のもと、想定売電額が年間52百万円、同実質利回りが7.94%(初期投資額は非開示)を見込んでいる。

電子カルテ事業は、総販売代理店契約に基づきアックスエンジニアリングから調達するクラウド型オーダリング電子カルテシステムを直販並びに代理店経由で病院に提供するものである。同社の主力製品であるPACS(医療画像保管・配信・表示システム)の国内病院における導入率が80%超に達しているのに対し、電子カルテシステムの導入率は30%台半ばにとどまっている。導入率が低い理由は、主流であるオンプレミス(サーバの自前保有)でのシステム導入だと初期負担が重いためであり、それが解消されれば電子カルテ市場の成長に弾みがつくと考えられる。同社のクラウド型システムの場合、100床規模の病院だと導入時4,500万円、年間保守料600万円(月額課金)でのサービス提供であり、オンプレミス型に比べ大幅な低コスト化を実現している。また、同社のPACS等との連携で病院の利便性向上が見込めるなど、既存事業とのシナジー効果が期待できる事業領域でもある。

再生医療事業は、細胞培養事業(細胞培養技術の提供)と化粧品原料事業(幹細胞培養液の損失)を柱とし、海外への技術移転ビジネスも視野に入れているものだが、2019年9月期における業績貢献は見込んでいない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)



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