サン電子 Research Memo(6):20年3月期は増収・営業黒字転換を見込む。引き続きDI向けが業績伸びをけん引
[19/07/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績見通し
2020年3月期の業績予想についてサン電子<6736>は、レンジ形式での予想開示を採用しており、売上高を27,500百万円(前期比8.9%増)〜28,800百万円(同14.1%増)、営業利益を100百万円〜600百万円(前期は200百万円の損失)、経常利益を100百万円〜600百万円(同352百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益を170百万円の損失〜330百万円の利益(同985百万円の損失)と増収及び営業黒字転換を見込んでいる。
売上高は、引き続きDI向けが大きく拡大するほか、前期に大きく落ち込んだエンターテインメント関連も底打ちする見通しである。また、M2Mも大型案件等を見込んでいる。
損益面でも、増収により増益(黒字転換)を実現する見通しである。特に、利益率の高いモバイルデータソリューションの伸びが収益の押し上げに大きく貢献する予想となっている。ただ、新規事業への先行費用も継続することから、本格的なV字回復に向けてはまだ道半ばと言える。
(1) モバイルデータソリューション
売上高は19,500百万円(前期比5.9%増)〜19,700百万円(同7.0%増)と増収を見込んでいる。第2四半期より連結外(日本での販売を除く)となるMLCがマイナス要因として残るものの、世界各地で需要が伸びているDIだけを見ると、約15%程度の伸びを実現する見通しである。また、損益面でも、増収に伴って増益を見込んでいる。
(2) エンターテインメント関連
売上高は6,150百万円(前期比17.5%増)〜7,000百万円(同32.7%増)と増収を見込んでいる。厳しい業界環境が続いているものの、遊技機部品及びホールシステムともに増収となる見通しである。ただ、下期については業界環境の影響を強く受ける可能性があることから、レンジ下限はその影響を保守的に織り込んだ水準となっている。また、損益面では、下期の販売が順調にいった場合には増益となる一方、厳しく推移した場合には損失となる想定である。
(3) 新規IT関連
売上高は1,580百万円(前期比33.6%増)〜1,830百万円(同54.7%増)と増収を見込んでいる。M2Mにおいて自販機向け等の大型案件を見込んでいる。一方、AR関連については、長期目線により実証実験先の開拓を優先することから大きな売上貢献は見込んでいない。また、損益面では、「AceReal」の開発がピークアウトするものの、O2Oソリューション等への先行費用(機能追加、改善等)により損失の状態が継続する見通しである。
(4) その他
売上高は前期比28.3%減の270百万円と減収を見込んでいる。主に既存タイトルの立て直しに取り組むものの、厳しい競争環境等により減収になるとともに、損益面でも損失の状態が継続する見通しである。
弊社では、レンジ下限値は想定されるリスク要因を織り込んだ保守的な水準となっていることから、レンジ内での着地は十分に可能であると判断している。特に、モバイルデータソリューションの伸びが期待できることに加え、エンターテインメント関連についても、主要取引先(遊技機メーカー)のタイトルが好調であることやパチンコホールの設備投資も動き出す可能性があることから、いかにレンジ上限値に近いところで着地できるかが注目点になるとみている。2021年3月期以降の更なるV字回復(収益性改善)に向けた道筋をフォローしていきたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<SF>
2020年3月期の業績予想についてサン電子<6736>は、レンジ形式での予想開示を採用しており、売上高を27,500百万円(前期比8.9%増)〜28,800百万円(同14.1%増)、営業利益を100百万円〜600百万円(前期は200百万円の損失)、経常利益を100百万円〜600百万円(同352百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益を170百万円の損失〜330百万円の利益(同985百万円の損失)と増収及び営業黒字転換を見込んでいる。
売上高は、引き続きDI向けが大きく拡大するほか、前期に大きく落ち込んだエンターテインメント関連も底打ちする見通しである。また、M2Mも大型案件等を見込んでいる。
損益面でも、増収により増益(黒字転換)を実現する見通しである。特に、利益率の高いモバイルデータソリューションの伸びが収益の押し上げに大きく貢献する予想となっている。ただ、新規事業への先行費用も継続することから、本格的なV字回復に向けてはまだ道半ばと言える。
(1) モバイルデータソリューション
売上高は19,500百万円(前期比5.9%増)〜19,700百万円(同7.0%増)と増収を見込んでいる。第2四半期より連結外(日本での販売を除く)となるMLCがマイナス要因として残るものの、世界各地で需要が伸びているDIだけを見ると、約15%程度の伸びを実現する見通しである。また、損益面でも、増収に伴って増益を見込んでいる。
(2) エンターテインメント関連
売上高は6,150百万円(前期比17.5%増)〜7,000百万円(同32.7%増)と増収を見込んでいる。厳しい業界環境が続いているものの、遊技機部品及びホールシステムともに増収となる見通しである。ただ、下期については業界環境の影響を強く受ける可能性があることから、レンジ下限はその影響を保守的に織り込んだ水準となっている。また、損益面では、下期の販売が順調にいった場合には増益となる一方、厳しく推移した場合には損失となる想定である。
(3) 新規IT関連
売上高は1,580百万円(前期比33.6%増)〜1,830百万円(同54.7%増)と増収を見込んでいる。M2Mにおいて自販機向け等の大型案件を見込んでいる。一方、AR関連については、長期目線により実証実験先の開拓を優先することから大きな売上貢献は見込んでいない。また、損益面では、「AceReal」の開発がピークアウトするものの、O2Oソリューション等への先行費用(機能追加、改善等)により損失の状態が継続する見通しである。
(4) その他
売上高は前期比28.3%減の270百万円と減収を見込んでいる。主に既存タイトルの立て直しに取り組むものの、厳しい競争環境等により減収になるとともに、損益面でも損失の状態が継続する見通しである。
弊社では、レンジ下限値は想定されるリスク要因を織り込んだ保守的な水準となっていることから、レンジ内での着地は十分に可能であると判断している。特に、モバイルデータソリューションの伸びが期待できることに加え、エンターテインメント関連についても、主要取引先(遊技機メーカー)のタイトルが好調であることやパチンコホールの設備投資も動き出す可能性があることから、いかにレンジ上限値に近いところで着地できるかが注目点になるとみている。2021年3月期以降の更なるV字回復(収益性改善)に向けた道筋をフォローしていきたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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